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朝。起きたら何かが違う様な気がしていた。
いや、周りがでは無く・・・・自分が。
少し具合が悪い。風邪とかでは無い、異常な異常。
それでも、気にはとめなかった。良くある事では無いが、俺には昔から異常な体質が合った。
それは、『一度罹った病気は罹らない』と言う事だ。
だから、風邪は小さい頃経験しているから罹らない。
腹痛や頭痛、罹ってしまえばもう罹らない。
そんな異常体質だから気にしていなかった。
その具合の悪さも病気ではなく、寝過ぎとかだと思っていた。
そして、その日も普通に家を出て学校に向かった―――・・・。
『おいおい・・・これは・・・』
全身白の男が呟く。
『いや・・・ちょっと触っただけなのに・・』
全身黒の女が呟く。
この2人の間に異常な空気が漂う。
そして、2人の表情は引き攣っていた。
『バレたらどうなると思う?』
全身白が尋ねる。その問いに、全身黒は顔を歪める。
『俺等に死の概念は無いから・・・ヤバくね?』
全身白が言う。
その言葉に、全身黒は逃げる姿勢を取る。
全身黒の袖を全身白が掴む。
『なっ!?私は嫌だっ!!』
全身黒が叫ぶ。駄々をこねた子供の様に。
《――――何している?》
声が響く。その瞬間、全身白と黒が固まる。
《もう一度尋ねる―――何をしている?》
全身白と黒はぎこちなく後ろを振り向く。
そこには、白髪白髭の老人が立っていた。バックライトが眩しい・・・。
『『か・・・神さま・・・・』』
全身白黒の声が重なる。
2人の表情はこの世の絶望を見た様な表情だった。
《説明せよ―――》
神が、杖を向けながら言った。
『『・・・お許しよ』』
全身白黒は説明する前に命乞いをした――――・・・。
通学路を歩いていた。
俺は現在高校一年で、剣道部に入っている。
4時に起きたのも自主トレの為だ。
これでも一応期待のルーキーと言われている・・・・自分で言って背中が痒くなる。
学力は中の中。平均的な感じ。
運動神経は自分で言うのもなんだが、ある方だと思う。
容姿は・・・・、
「キャーあの子可愛い!!!」
「女なのに男の制服着てる!!でもそこが・・・」
「俺の嫁に!!!!!!!!」
えぇー・・女顔だ。しかも少し童顔。最悪だ・・・。
この顔のせいで、女の子に告白されるより、男に告白される。
こんな感じに――・・・、
「男でも良いから俺の彼女になってくれ!!」
速攻でフルボッコ。
痴漢に遭ったり・・・ナンパされたり・・・。
俺が唯一親に恨む事は、この顔だ。
多分母親の遺伝子をガッツリ受け継いだのだろう。
親父の顔がTHE・男だから。
はぁ~・・・どうにかなら―――っ!!
「な・・な・・なん・・・だ・・?」
胸が異常に苦しい・・・何だ・・これは?それに凄い激痛。
駄目だ・・・立っていられない。
俺はその場に膝を付き、胸を押さえる。
「ガハッ!!」
地面に血が零れる。吐血?嘘だろ?
「どう・・・し・・ガハッ!ガハッ!」
苦しい・・・痛い・・・。
「ぐあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
痛さのあまり、叫んだ。
口から血が流れ出る。目から、耳から、鼻から・・・。
何がどうなって・・・。
「クソが!クソが!クソがああああああああああああああああああ!!!!!!!」
叫んだ。解ってしまったからだ。
俺が今まで罹った事の無い病気なんて、死に至る病気や不治の病とかだ。
そう・・・俺は死ぬのだ。
涙の代わりに血を流す・・・。
「な・・・ん・・・で・・・?」
俺は、そのまま倒れ込んだ。
いや―――死んだ――・・・・。
《馬鹿者が!!!!!》
神は白黒に怒鳴った。
『ひっ!すいません!すいません!!』
黒が土下座しながら謝る。
《それはもう誰かに!?》
神は怒鳴りながら尋ねる。
『い、い、いえ!それはない・・・と?』
白が言い切る前に、3人の前にある球体に何かが映る。
【クソが!クソが!クソがあああああああああああああああああ!!!!!!!】
《『『!!!!!』』》
3人はその映ったモノを見て、白黒は顔を青くし、神は悲痛の表情を浮かべる。
《ま・・・・まさか》
『嘘・・・でしょ?』
神と黒が呟く。
『こんなに早く!?』
白が驚きの声を上げる。
《急げ!!!》
神が声を荒げて叫ぶ。
『今からでは・・・・』
黒が言う。
その言葉に、神は怒る。
《貴様等のミスなのだぞ!!!!》
『で、ですが!!』
白が反論しようとした時、神の怒りが頂点に達した。
《貴様等あああああああああああああ!!!!!!》
天変地異が起きる程の揺れが起きる。
『落ち着いて下さい!!』
白が神を宥めようとするが、それは火に油だ。
《良くもそんな事が言えるな!!!!!!!!!》
神を抑えられるモノなど、神以外に居ない。
『あ・・・・』
黒が口に手を当てながら呟く。
『どうした!?』
黒が尋ねる。
『・・・・死にました・・・』
黒が呟く。
死と言う言葉に、神が膝を落とす。
《なんて事だ・・・》
『か・・・神様・・』
黒が小さく神に対して呟く。
《2人よ・・・少年を此所に連れて来い》
神が言う。
その言葉に2人が反論する。
『いけませんそれは!!』
『決まりを破るのですか!!』
《黙れ》
神はその一言で2人を黙らせる。
神は2人を睨み付ける。
『『行ってきます!!』』
白黒は走り出した。
《・・・こんな事が・・・》
神はそう言い、上を見た――――・・・。
「ん・・・ん?」
アレ?・・・生きてる?
俺は目をゆっくりと開けた。
全面真っ白。
「・・・アレ?」
未だに状況が飲み込めない。アレ?
体を起こす。真っ白だ。
いやいや、生きている筈が無い。
だって口から目から鼻から耳から血を出したんだぜ?生きている筈が無い。
一応確認の為、頬をつねる。
「イテテテテテテテテ」
痛い。
・・・・アレ?
夢?いやいや、死んだんだから・・・でも痛みはある。
何だ?頭が混乱する。何で?何で?何で?
『まだ運ばれてないな!?』
ん?
俺は声のする方を見た。そこには、全身真っ白の男と全身真っ黒の女が、急いで此方に走っ・・・・あれ?浮いてね?
いやいや・・・きっと俺疲れているんだ。あんな事があったんだ。うん。きっとそうだ。
『君!!』
全白が俺の肩に手を置く。
「な、なんでしょうか?」
絡まれているのだろうか?
『このまま連れて行こう』
全黒が言う。
どこに?アレ、コレ本当に現実?
なんか全白の頭の上に何か浮いているよ?それになんか背中でパタパタしているよ?
全黒もなんか頭から角的なモノが・・・それになんか尻尾的なモノが・・・あれれぇ~?
『そうだな』
そう言って、全白俺の腕を引っ張る。
俺は勿論・・・。
「なっなっなっ!!!何だお前等!!!!!!やめろ!やめろ!」
抵抗しまくり。
すると、全黒が俺に近づいてきた。
『暫く寝てて』
すると、全黒が拳を、
ドスッ!!
「うっ・・・・」
腹に一撃もらう。
「お・・・ま・・・・・ほん・・・おん・・・か?」
俺はそのまま前のめりに倒れ込んだ。
『今この子なんて言ったの?』
黒が白に尋ねる。
白は青年を肩に背負いながら言う。
『いや・・・言って良いの?』
白は顔を引き攣りながら黒に尋ねる。
黒は焦らされ、怒鳴る。
『早く言いなさいよ!!!』
『・・・「お前本当に女か?」って』
白は黒に背を向けながら言う。
その瞬間。黒が赤になって激怒した。