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 Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』

冒険一日目



 どうも、二日酔いの主人公サヤです。


 不老と言っても未成年なんだが、そこはノリに身を任せてみました。

 因みに、カロは21歳らしいです。


 てか、アイツってよく見るとイケメンなんだよね。

 茶髪で肩ぐらいまである髪。身長も俺より少し高いし。


 モテたんでしょうね。

 てな、事を宴会中に尋ねたら、「サヤも女の子みたいな顔で可愛いじゃないですか」だって。

 危うく半殺しにするとこだったよ。


 それとね、俺の髪の色が可笑しいんだよね。黒髪だったのに、白がかかった黒髪みたいになっているんだよね。変わるならもっと変われば良いのにね。


 まぁ~こんな下らない話は終了して、現在は小屋から離れて『中立国ガデラン』に向かっています。そこの国は人間派・世界派の戦いに参加していなく、まずは悪魔を退治しようと言う感じの国らしい。


 治安も良く、民衆も生き生きしているとカロは言っていた。

 まぁ、下らない戦争している人間派・世界派には行きたくないから良いだけどね。


 んで、まだ出発して間もないのですが、まだ森です。


「なぁ、この森いつまで続くの?」

 俺は隣を歩くカロに尋ねた。


 魔法使いなんだから空を飛んだり出来るのだが、カロ曰く「目立つと後々面倒」らしいです。

 どうやら、悪魔やら人間やらが空を飛んで見回りをしているらしい。


 だが、俺は空を飛ぶ夢を捨てられず、結構粘った。でも結局却下だった。カロ結構厳しい。


「どうやらこの森は『龍族の森』らしいですね」

 カロが不可思議な単語を出した。


「『龍族の森』?」

 俺は一応歴史や勢力などの事を聞いたが、種族などの詳しい事までは聞いていない。


「はい。龍族と言うのは言ったまんま、龍です。種族の中では最強に近いですね。この戦争が始まった時、人間が龍族の手を借りようとしましたが、拒否されたらしいです」


 ほぉ~ますますファンタジーだな。


 カロは説明を続ける。

「『龍族の森』と言うのは『龍族の谷』を囲む森の事を指します。けれども、決して龍族だけの森ではないので、入るだけでは龍族は此方に危害は加えてきませんが・・・」


 カロは不吉な間を作り、そして言う。


「入ったら出られないと有名です」


 ・・・・まさかね。

「まさか、ね?」


「どうしましょうか?」

 カロが笑顔で俺に尋ねてくる。


 どうやらコイツは俺を虐めたいらしい。


「龍族ってどれくらい強い?」

 出られない事はこの際置いといて、龍族の強さが気になる。

「そうですね。まぁ、龍族にも種類がありますから」


「種類?」

 ますますファンタジーの王道だな。少しワクワクしてきた。


「種類は3つ。幼龍・成龍・老龍です。龍族は長寿ですから、300年で成龍。1000年で老龍ですかね。そして、龍族は年を取る度に強くなりますから、老龍が本気を出せば1国なんて一日で滅ぼせます」


 凄いな。そんな力を持っているなら戦争に参加させたくなるさな。

 龍族が戦争参加なんてしていれば、この戦争も一層酷いものになってだろう。


「俺とどっちが強いと思う?」

 ちょっと気になって尋ねる。


 カロは少し考え、そして笑顔で答えた。

「サヤではありませんか?だってサヤ人間ではありませんし」


 ・・・最後の一言要らないよね?そこまで俺を化け物にしたいの?

「まぁ~それなら龍族が攻撃してきても逃げられるし、戦えるな」


 戦争に参加していなのなら、殺生したくないし。平和に行きたいけどな。

 もし、龍族が気に入らなければ・・・それ相応の態度で挑むけど。


「そうですね。サヤな―――」

 カロは真剣な表情に変わる。


 俺も腰から下げている銃を抜く。

 何かが来る。結構早いスピードで。


 誰だ?まさか、いきなり龍族か?

「カロ・・・」


 俺はカロの名を呼んだ。

「解ってます」


 カロは右の袖を捲る。すると、腕に青い綺麗な刺青が入っていた。


 でも俺は驚かない。何故なら、説明されているから。


 カロはその腕に入っている刺青を魔法の媒介にしているらしい。

 得意な魔法は『水』。


 クー爺曰く、カロも規格外の魔力を所持しているらしい。

 俺の目には狂いはなかったらしいな。


 すると、目の前の茂みがガサガサッ!と動く。


 俺とカロは攻撃出来る態勢を取る。


 すると―――


ガサッ!


「来た!グウェ!!!!!!!!」


 ・・・・何かが俺の腹に突っ込んで来た。

 俺はそのまま仰向けに倒れる。


「これは?」

 カロは冷静に見ている。お前・・・。


 俺は、虚ろな意識で俺の腹に突っ込んで来た何かを見る。


 その何かはボロボロのローブを着ている。

 そして、俺の腹の上で動かない。


「・・・・何この状況?」

 思わず混乱。


 それよりも、抜いた銃の行き場が欲しい。

 カロはさっさと捲った袖を元に戻している。

 俺はと言うと、動けないで倒れている。


 陳腐な絵図。少し恥ずかしくなってくる。


 すると、カロが俺の腹の上で動かない何かのフードを脱がした。


 すると、

「これは!」

 カロがその正体を見て驚いている。


 で、俺はと言うと、

「何コレ?トカゲ人間?」


「・・・・龍族ですよ」


 空気を読めなかった。













 現在、野宿決定のお知らせを聞いた。

 あんまり気にしない。


 気付けば辺りは暗くなっていた。

 俺が魔法で薪に火を点ける。


 魔法の基本知識は頭の中にあるので、使うなんて無造作もない。

 でも、戦いの中で魔法は使わない。てか、使えない。だって禁止されてるんだもん。

 修行の一環らしいですよ。身に付けた剣術と武術で戦えだと。

 召喚は有りらしい。


 それと銃も。


 魔法使えないとか、何の為に魔力量MAXにしたんだ俺。


 戦い以外なら魔法使えるから良いだけどね。もし日常でも禁止だったら火を点けるのもモート呼ぶけどね。怒られそうだけど。


 んで、只今カロが食事を作っています。俺が作れない事は宴会でバレました。

 食料は森の中歩いていた時に出くわした、兎みたいのと猪みたいのです。

 兎も猪も何故か俺を狙って攻撃してきた。嫌われる体質がここで出るとは思わなかった。


 カロは基本的な調理は出来るらしい。俺も本気で覚えた方が良いのか。


 んで、俺は隣で寝ている龍族の女の子を見ていた。

 見た目は10代の女の子。だが、龍族は長寿の為見た目では歳は解らないらしい。


 それと、人間に擬態も出来るらしい。便利だよね。


 だが、カロは少し引っかかっていた。それは、この龍族の女の子が完璧に人間になってないからだ。


 これは俺がこの女の子を見て、「トカゲ人間」と言った事に関係している。

 女の子の顔は、人の肌と鱗が混ざり合って中途半端な擬態なのだ。


 こう言うもんだと思ったのだが、カロ曰く龍族の擬態は高度なもので完璧に人間に擬態出来るらしい。


 それと、女の子の体の至る所に傷があった。

 疑問が浮き上がるばかりだ。


「出来ましたよ」

 カロがいつの間にか俺が点けた火の上に鍋を置き、かき混ぜていた。


「そうか。まずは食べるか」

 そう俺が言うと、カロが不思議そうな目で俺を見た。


「何だ?」


「いえ、雰囲気が変わりましたので。そちらが素ですか?」

 そう言って、カロは皿にシチューの様なモノをよそう。


 俺は皿を受け取りながら、答える。

「いや、どっちも俺だよ。ただ、何となく真剣になるんだよ」


 俺はシチュー的なモノを食べながら、女の子を見る。


 すると、カロが笑って言う。

「貴方は、本当に優しいですね」


 そう言われると、恥ずかしくなってしまう。

「そ、そうでもねぇーよ!!」


 思わず声を張り上げる。


 すると、

「ん・・・んにゃ~・・・」


 ・・・猫?

 何て下らない事は置いといて、どうやら起きてしまったらしい。


「・・・良い匂い」

 そう言って、女の子は寝起きの目で鍋を見る。


 カロが皿にシチュー的なものをよそい、女の子に尋ねる。

「食べます?」


「あ、いただきます」

 そう言って女の子はカロからシチュー的なものが入った皿を受け取る。


「しっかり食べろよ?」

 俺は自分のシチュー的なものを食べながら言う。


「どうもありがとうございます」

 ご丁寧に女の子は頭を下げ、そしてシチュー的なものを食べ始めた。


「おかわり自由ですからね」

 カロがどこかのお母さんみたいだった。


「おいし・・・・ぎゃあああああああああぁぁぁぁあああああ!!!!!!」

 いきなり女の子が叫び出し、立ち上がる。


「なっ!?何だいきなり!?」

 俺は立ち上がった女の子を見上げる。


 女の子は後ずさりしながら俺とカロに向かって叫ぶ。

「あ、アンタ達誰!?どうし・・・まさか私を襲おうと!?不潔!?野蛮!?ロリコン!」


 俺等何かした?と、カロにアイコンタクト。

 さぁ。とカロもアイコンタクトで俺に返す。


「な、何黙ってるのよ!!!!」

 叫ぶ女の子。黙ってそれを見る男2人。


 結構シュール。


 俺はシチュー的なものを食べながら尋ねる。

「てか、君何歳?」


 場違いな質問に、女の子は一瞬困った顔をしたが、素直に質問に答える。

「・・・1・・・7?」

 何故か疑問形。


「人間に換算しると、って事ですか?」

 カロが尋ねる。カロも普通にシチュー的なものを食べながら尋ねる。


「何よ換算って!私は人間よ!!!!」


 ・・・ん?何故嘘を吐く?

「いや、肌・・・」


 俺はスプーンで指しながら言う。


 女の子は気付いたのか、急いで肌を隠しフードを被る。


 イマイチ良く解らない。

 すると、カロが尋ねる。

「貴女・・・もしかして擬態がちゃんと出来ないのですか?」


 その問いに、女の子が固まる。

 図星の様だ。


 カロは答えを聞く前に更に質問する。

「先程17と答えましたが、すると貴女は成龍に成り立てと言う事ですか?」


 少女は動かない。俯いている。フードで表情は見えないが、雰囲気で何となく解る。


 カロは容赦なく質問する。

「確か、龍族には幼龍から成龍になる時に儀式的な事をします。貴女・・・もしかして失敗したのですか?」


 すると、女の子はその場に崩れた。

 そして、

「ひっぐ・・・えっぐ・・・」


 俺とカロは互いを見て、アイコンタクト。

 やり過ぎ。と、俺がアイコンタクトで怒る。

 すいません。と、カロもアイコンタクトで返す。


 俺は女の子の元に行き、しゃがみ、シチュー的なものが入った皿を渡す。


「へっ?」

 女の子が顔をあげる。表情が少し見えた。赤く染まった鼻や頬。少し、俺も悲しくなった。


「食べろ。まずは食べろ。俺等はお前の敵ではない」

 そう言って、女の子に皿を渡す。


 女の子はゆっくりとそのシチュー的なもの食べる。俺等は女の子が食べ始めたのを見てから、食べ始める。


 無言であったが、嫌な気分ではなかった。不思議と。











 俺等と女の子が食べ終わった後、女の子は体育座りをしたまま無言だった。


 俺等も何も尋ねず談笑している。

 すると、女の子が俺等に尋ねる。


「何で・・・助けたの?」


 返答に困る質問。だって別に助けたつもりはなかった。ただ何となくだから。でも、素直に言ったらきっと駄目なんだろうな。と、俺は考えていた。


「ん~・・・何となく」

 考えても無駄だったので、素直に言った。


「な、何となく!?」

 女の子は叫ぶ。良く叫ぶ子だ。


「てか、名前なんて言うの?俺はサヤって言うんだ」

 兎に角自己紹介。


「私はカロナス=ナイハと言います。気軽にカロと呼んで下さい」

 カロって気に入っているんだな。


 女の子は結構素直に自己紹介した。

「私は、ラステ。気付いていると思うけど・・・龍族よ」


 ラステか。

 それにしても、少し警戒が無さ過ぎるな。敵ではないとは言ったが、それを素直に信用するのもどうかと思うし。少し脅してみるか。


「警戒しなくて良いのか?俺は悪人かもしれないぞ?」

 実際思考の方は悪人だが。


 すると、ラテスは不思議そうに俺に尋ねる。

「さっき、敵じゃないって言ったでしょ?」


「それが嘘だとしたら?」


 ラテスは俺を見つめる。少し恥ずかしい。すると、ラテスは言う。

「それは嘘ね。アンタ意味の無い嘘を吐く様に見えないもの。それに、殺すなら早く殺しているでしょ?てか、アンタみたいな人間に私は殺されないけど」


 成る程。それまでに人間と龍族の差はあるのか。けれども。


「!?」

 ラテスが驚き、顔を強張らせる。


 俺は少し強めに殺気を放つ。お前より強いと知らせる様に。


「あ、アンタ・・・本当に人間?」

 ラテスが俺の殺気の異常性に気付き、尋ねる。


 俺は不敵な笑みを浮かべ、答える。

「最強を自負する化け物さ」


 化け物と言われるのも認めるのも本当は不本意だが、こう脅す時には使える。

 てか、自分で最強と言う程痛い事はない。少し・・・いや、かなり恥ずかしい。


「・・・で、でも!老龍には勝てないでしょ!!」

 ラテスは俺の恐怖から逃れる為に叫ぶ。


「では・・・確かめてみるか?」


「へっ?」


 ラテスは俺が言った言葉の意味が解らず、きょとんとした顔をする。


 俺はチラッとカロを見る。カロは俺が何をするのかに気づき、頷く。


 そして俺は、半分にも満たないが魔力を解放する。ラテスに放った殺気以上の殺気も放ち。


「なっ!?」

 ラテスが驚く。

 カロも少し驚いているようだが、ラテス程でもない。


 すると、木々の葉が揺れる。


 そして―――

「グアァアアアアァァアアァァァァアアアァアアアア!!!!!!」


 咆哮が響く。


「ヒッ!!」

 ラテスは咆哮を聞いた瞬間、体を震わせた。どうやら、彼女の傷の原因は少なからず同族にあると思う。


 なら、真相を知る為にも・・・『龍族の谷』に殴り込みだな。


「さて、見せてやるよ。ラテス」

 そう言って俺は立ち上がる。それに合わしてカロも立ち上がる。


 ラテスは震えたまま、俺を見上げる。


 そして俺は、ラテスを見下ろしながら不敵に笑い、続きを言う。

「―――最強を」


 そのまま、俺は空を見上げた。



 Side=サヤ∥Out












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