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Side=???∥Beginning∥『Reload』
どれが真実だ?どれが偽りだ?
世界に充満するコレはなんだ?
世界派?人間派?エゴイストの集団は何を考えこの戦争を始めたのか?
いや、理由などは無いだろう。全てのきっかけと言うのは、傲慢からくるものだ。
では、何故私は戦場に立っているのだろうか?
この戦争に反対していたこの私が?
何故、人を殺している?
また、味方の兵士が私の後ろで倒れる。
助けないのか?私は自分に尋ねる。
無理だ。今、私は狙われている。魔法使いか・・・いや、私もそうなのだが、彼らとはタイプが違う。
そんな話はどうでも良い。今、私は50を超える魔法使いに囲まれている。
簡単に言えば・・・味方に嵌められたのだ。
私は疑わなかった。私を嵌めたのが・・・私がもっとも信頼していた仲間だったからだ。
そうか―――私は・・・死ぬのか。
私は目を瞑り、自分の死を受け入れる。
魔法使い達が詠唱を始める。
コレは・・・破滅魔法ですか。悪趣味ですね。けれども、最後には相応しいかもしれません。
「―――さよなら」
その瞬間、私の体が光り輝いた。
Side=???∥Out
Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』
修行六十二日目
俺は今、自由だった。えっ?組み手はどうしたって?何とか終わったよ。お陰で『朱眼』使わなくとも大丈夫になったよ。
テッテテ~♪主人公は異常な速さを手に入れた!!
・・・・嬉しくねぇええええぇぇぇえええぇぇぇぇぇぇえええぇぇぇええ!!!!
思わず叫んじゃった。
まぁ、今は一応修行お休みですよ。
他の神々も帰っているし。魔力供給って結構疲れるんだよね。神様並って言ってもやっぱり疲れる。
んで、次の修行の予定はね、模擬戦だって!テヘッ☆俺死んじゃう。
それで、今俺は現実逃避の為に森の中を走り回っています。
「死にたくねぇええぇぇえええええぇぇぇぇええええぇぇぇ!!!!!」
木霊する俺の叫び声。
あぁ~・・・生き延びたのに。
少しは戦い方を覚えたと言っても・・・カーリーに勝てる訳ないじゃん!!
あの人酔った時半端無いんだよ!?無双だよ!?俺以上に!!
あぁ~漫画読みたい音楽聴きたい。
ふと、上を見上げる。すると、
ヒュゥウウゥゥゥゥゥウウウウ――――
天から人が落ちてきています。
何だあれ?人・・だよな?
良く解らないな。
でも、アレ多分気失っているよね?
あの高さから落ちたら死ぬだろう。
この際何故落ちているのか何て関係無い。
俺は地面を思いっきり蹴った。
ビュンッ!!!
異常な速さ。コレがケルヌ&クロノスの修行のお陰。
今なら100メートル2秒切れると思う。いや、切れる。
間に合え!間に合え!間に合え!!!
上を見上げながら計算する。
凄い速さで落ちる人?
落下地点に到着。
上を見上げる。
ドンピシャ!!
ドンンンンンンンンンンンンンッ!!!!!
爆発?いやいや、違うよ?じゃー落ちていた人?はって?勿論キャッチしたよ?この音はキャッチした時に生じたモノだよ。俺の腕は無傷だけどね。
それと、やはり落ちてきた人?は人だった。
怪我している・・・しかも重傷だ。これは・・・ヤバイな。
俺は急いでエルを呼び出した。
「・・・・お呼び?」
何故か不機嫌なエル。
因みに、修行の間に詠唱しなくとも召喚出来る様になったけど、詠唱しないとちゃんと魔力供給出来ないらしい。
でも、詠唱無しでも大丈夫と判断。とにかく今は応急処置だ。
「エル!この人を治してくれ!!」
エルは俺が抱えている人を見てから、頷き詠唱した。
「『癒しは―――包む―――祈りは―――導く――――『聖域治療』』」
詠唱した瞬間、人は光に包まれて傷が癒えていく。
苦しそうだった表情を徐々に和らいでいく。
エルが今言った『聖域治療』とはなんかこの世界には存在しない治療方法らしい。詳しくは知らない。
「ありがとう!エル!!」
俺は笑顔でエルに感謝する。
「・・・それは・・・卑怯」
そう言って、エルは帰って行った。
卑怯とは何だ?
それより、この人はどうしようか?このまま置いていくのも。
小屋に連れて行くか?
小屋と言うのは、モートが見つけた森の中に建てられたボロ小屋の事だ。
・・・仕方無いか。
俺は人を抱えたまま、地面を蹴って走り出した。
Side=サヤ∥Out
Side=???∥Beginning∥『Reload』
ん・・・何だ?温かい。それに、体の痛みが消えている。
あぁ、そうか。死んだのか。では、私は天国に行けたのだろうか?
破滅魔法を食らったのだ。生きている訳がない。
「ん・・・」
私は目を開けた。
すると、
「おぉ~起きた?おはよう」
黒いローブを着た者が居た。
「なっ!?」
私は驚いて飛び起きる。
ん?何だ此所は?
「・・・此所は天国ですか?」
私は恐る恐る尋ねる。
「は?」
黒いローブを着た者は「何言っているの?」みたいな声を出す。
「では、此所は地獄ですか?」
もう一度質問する。
すると、黒ローブが私に近づき、私の腹に一発入れてきた。
「グハッ!!」
・・・痛い。
「目・・・覚めた?」
黒ローブが尋ねてくる。
「は・・・はい」
そこで私は、もう一度気を失った。
「はっ!」
私は起き上がった。あれ?いつの間に眠ったのだ?
それに、さっき誰かに殴られた様な・・・、
「おぉ~二度目のおはよう」
すると、黒いローブを着た・・・・
「ああああああああああああ!?」
思わず指さして叫んでしまった。
「五月蠅いな。静かにしろよ。一応アンタ怪我人だぜ?」
そう言って、私にスープを寄こした。
美味しそうな匂いがする。
「アナタが作ったんですか?」
私が尋ねると、何故か黒ローブが背を向けた。
「・・・・多分」
「多分?」
多分とは何だ?
「大丈夫だ。毒は入っていない。何なら毒味するか?」
そう言って黒ローブが振り返る。
相変わらず顔は見えない。だが、言動から男だと解る。
「いえ、大丈夫です。態々毒を入れるなら・・・助けないでしょ?」
そう言って私は微笑む。
「・・・アンタ結構面白いな」
そう言って、黒ローブは部屋の扉へ歩いて行った。そして、ドアノブに手を掛け、振り返る。
「食べ終わったら下に来てくれ」
そう言って出て行った。
怪しいと言ったら怪しいが、今は別にそれ程意味は無いだろう。
彼が助けてくれたかどうか解らないが、今は食事を堪能しよう。
・・・・
「スプーンは?」
イジメだと思った。
Side=???∥Out
Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』
少し話は戻る。戻ると言っても、謎の人を助けて小屋に連れて来たらへんだ。
どうしたものか・・・。一応連れて来て、二階に寝かせたが。
相手がどんな奴かも解らないし。
てか、俺って結構無鉄砲だよね。
「そうだね」
「・・・・いつ現れたの?ユース」
俺の隣でユースが微笑みながら答える。
「今だよ?それにしも・・・いきなり人を連れて来るとは、サヤ君は本当に面白いね」
褒めているのだろうか?馬鹿にしているのだろうか?
「どうしたら良いと思う?」
一応尋ねる。
「そうだね。まずは様子見じゃないかな?どんな人物かも解らないし。もしかしたらサヤ君の敵の可能性もあるしね」
俺の敵。つまりは悪人って事だ。
でも全ての悪人が俺の敵って訳ではない。悪人にも悪人なりの貫くモノがあるだろう。
人それぞれだろうし、もしかしたら俺と気が合う悪人が居るかもしれないし。
それに、俺は自分を正義だとは思っていない。
どっちかと言うと、悪人だろう。気に食わなければ殺すと言っているんだ。十分過ぎる程に悪人だ。
「俺姿隠した方が良いかな?」
俺はユースに尋ねる。
すると、ユースがどこからか黒いローブを取り出した。
「コレを着れば?」
「・・・どこぞの四次元ポケット?」
思わず伏せるのを忘れ言ってしまった。
「何言っているの?」
ユースが可哀想なモノを見るような目をしている。
そんなで見ないで欲しい。ライフが下がる。
「んじゃ~コレ着るよ」
そう言って俺はそのローブを着る。
少し大きいのか、ブカブカだ。そうだ、体を大きくすれば良いんだ。
目を瞑り、集中。
フウゥンッ!!
俺の姿が15歳から20歳に変わった。
ローブが良い感じだ。
「・・・・・」
すると、ユースが俺の事を見つめている。
「どうした?」
俺は首を傾げ尋ねる。
すると、気のせいかもしれないがユースの頬が若干赤くなった様な・・・。
「何でもないわよ?」
・・・気のせいみたいだな。いつものユースだ。
「後は・・・どうすれば良い?」
声も少し変わっていた。少し大人になった気分だ。
「そうね・・・体が温まるスープでも作れば良いんじゃないかしら?」
ユースがそう提案すると、俺は固まった。
「・・・どうしたの?」
ユースが尋ねる。
俺は目を泳がせながら答える。
「えっ!?べ、別に作れない訳じゃないから!うん!本当だぞ!?俺は作れるから!偶に黒こげになるけど!胃に入ればどれも一緒だろ!?だから大丈夫だ!!」
これは墓穴を掘ったと言うのではないだろうか?
また、ユースは可哀想なモノを見るような目で俺を見る。
そして、抉る。
「サヤ君・・・もしかして君料理出来ないの?」
俺のライフはもう0だ。
「・・・別に・・・作れないからって・・・」
俺は崩れ落ちた。そして、泣きながら呟く。
すると、何故か容赦無くユースは俺の傷口を抉る。
「・・・最近の男子は料理ぐらい出来るのでは?」
もうマイナスだよ、俺のライフ。
「まぁ、良いわ。私が作るから」
そう言ってユースは台所に向かった。
てか、この小屋台所とか、二階とか、寝室とか、結構しっかりしているよね。普通に家じゃん。
「てか、ユース料理出来るの?」
俺はユースの後を追いながら尋ねる。
すると、ユースは包丁を持ちながら振り返り、答える。
「それは私が女らしくないと言っているの?サヤ君」
ユースの後ろにどす黒い何かが見えた。あれ、ユースって正義の神だよね?なんか異常な寒気が。
「・・・ソンナコトオモッテナイヨ。ユースハオンナノコダカラ、リョウリデキルヨネ」
見事な片言。
「ふふ・・・解れば良いのよ?」
そう言ってユースは調理を始めた。
助かった。修行の時より怖かった&死ぬと思った。
それにしても・・・目隠ししたままどうやって料理するの?
その疑問は、胸の奥にしまった。何故なら・・・尋ねたらきっと俺の身に危機が訪れるから。
Side=サヤ∥Out
Side=???∥Beginning∥『Reload』
スープを何とか食した後、言われた通り下に降りた。
すると、リビングにあるソファーに黒いローブを着た男?が腰を掛けていた。
「スープは美味しかったかい?」
黒ローブが私に尋ねる。
私は答える。
「はい。大変美味しかったです」
すると、黒ローブは私にソファーに座る様に促す。私は黒ローブの前にあるソファーに腰を掛ける。
すると、黒ローブから尋ねられる。
「アンタは何で落ちていた?」
その質問の意味が良く解らなかった。
「落ちていた?」
逆に尋ねてしまった。
「・・・何故尋ねる?」
私が尋ね返した事に対して、黒ローブが尋ねる。
「いえ・・・私にも良く解らなくて、目が覚めたら此所に居たので」
そう私が答えると、黒ローブは何かを考えるように黙り込む。
私はその間、黒ローブの事を凝視していた。
魔力は・・・感じられない。では、魔法使いではないのかと言ったらそうではない。
優秀な魔法使いなら魔力の隠蔽ぐらい簡単だ。現に、私も消している。
別に自分を優秀とは思っていませんが、そこらの魔法使いに負ける程の力量ではないと思っている。
すると、黒ローブが尋ねる。
「気を失う前は何処に居た?」
その問いに、私は直ぐに答える事が出来なかった。この不自然な間のせいで怪しまれてもしょうがないと思う。
私は言葉を選びながら答える。
「・・・軍に居ました」
すると、黒ローブが尋ねる。
「どうして気を失った?」
「魔法使いとの模擬戦の時に、相手の魔法が当たって・・・それで気を失いました」
完璧な嘘だが。真実を簡単に喋るほど私は馬鹿ではない。
すると、黒ローブが笑う。
「・・・何が可笑しいのですか?」
私は眉間に皺を寄せながら尋ねる。
「いや・・・あからさまな嘘だと思ってね」
・・・・
「嘘?何故私が嘘を吐いていると思うのですか?」
すると、黒ローブ答える。
「アンタの体の傷だよ。あれは剣で斬りつけられたモノだ。魔法使い相手にか?それは可笑しい。刃物に似せた魔法もあるが、それだと傷口に魔法が残留している。けれども、それはなかった。つまりアンタは魔法使いと戦っていたのではなく、兵士と戦っていた」
この人も魔法使いでしたか。けれども、まだ逃げられる。
「確かに、模擬戦の相手には兵士も居ました。凄い洞察力ですね」
私はそう言って微笑む。
「ふふ。そこまで白を切ると清々しいな。なら、もう一個お前の嘘を言ってやろう。それは、コレは致命的だぞ?それは、お前が着ていた服に・・・お前以外の血がべっとりと大量に付いていた」
クッ・・・。
「お前の所の軍は、模擬戦で殺し合いをするのか?」
甘かった。服の事など頭になかった。私が起きた時は、服は脱がされ包帯が巻かれていた。それに、服は二階の寝室になかった。つまりは私が嘘を吐くと見抜き、私の目の届かない所に隠した。
やられましたね。いや、私の迂闊さが敗因でしょうか。
「・・・まず、嘘を吐いた事を謝ります。申し訳ないです」
私は頭を下げた。
「素直だな?」
黒ローブが意外に思ったのか、そう言った。
私は頭を上げ、微笑みながら言う。
「ヘタに嘘を吐き続けて殺されるのは嫌なのでね」
そう私が言うと、黒ローブは笑った。
そして、暫く笑った後に、黒ローブは尋ねる。
「アンタ、戦場に居ただろ?」
「なっ!?」
「その様子だと図星か?」
何故か、黒ローブの声が楽しそうに感じた。
「・・・そうです」
私は素直に認める。
「アンタはどっち派の人間だ?」
「悪魔との戦いかもしれませんよ?」
私は尋ねる。
すると、黒ローブは答える。
「アンタの服に悪魔の血は付いてなかったからな」
成る程。それもそうですよね。つまらない質問をしました。
「私は一応世界派です」
一応と言う単語に引っかかったのか、黒ローブは尋ねる。
「一応?それは自らの意志ではないと言う事か?」
「はい。私は友の為に世界派の人間になりました。けれども、私自身どっちでも良いのでよ。どうせ世界が残っても、人が残っても、どちらか一方が欠ければ全ては自ずと壊れる。だから、こんな戦争はどうでも良いのです。只で際、悪魔が居ると言うのに人間同士で争う何て馬鹿らしい」
すると、黒ローブが笑う。
「ハッハハハッハハハハ!!!」
「何が可笑しいのですか?それとも、私は何か間違った事を言いました?」
私はいきなり笑い出した黒ローブに尋ねる。
すると、黒ローブは腹を抱えながら答える。
「いや、アンタの言っている事が正し過ぎて笑っただけだよ。うん、そうだ。戦争なんてエゴイストが勝手に始める事だ。そんな戦争は本当にどうでも良い事だ!いやぁ~愉快だ」
私は少し驚いた。彼は、私と同じ考えを持っている事に。
少し嬉しく思ってしまった。
すると、彼が一番重要な所を尋ねて来た。
「それで、戦場で何があって気を失った?」
その質問は本当にどう答えれば良いか解らなかった。
「えーと・・・信じてもらえないかもしれませんが、破滅魔法を食らいまして、そこから気がついたら此所に居ました」
すると、彼はまた考え込む。
「クー爺、何か解るか?」
えっ?クー爺?何を言っているのだ?この場には私と黒ローブ以外誰も居ない―――
「その破滅魔法を使ったのは1人だったのか?」
すると、後ろから声がし、私は勢い良く振り返った。
私の後ろには老人が立っており、私はもの凄く混乱した。
「な・・・先程まで誰も居なかったのに・・・」
「ふふ・・・アンタは俺と似ているから教えてやるよ。そこに居るのは俺が召喚したんだ」
召喚!?召喚魔法でも人なんて召喚出来ないぞ!?
「人であり人ではないのだぞ?若いの」
「なっ!?頭の・・・中を読んだのですか?」
私は尋ねる。
すると、老人は微笑みながら答える。
「儂は神だからのう」
「神!?」
「あぁ~説明してやるよ」
そこから説明に1時間
「成る程・・・では、貴方はこの世界の人間ではないと?」
驚いた。半信半疑だが、嘘は吐いているように見えない。
それだと、真実なのか?
すると、黒ローブの彼が、フードを脱ぎ、私に素顔を見せた。
一瞬、女性かと思ったが、やはり男だ。
「信用してくれなんて言わない。けれども、俺はアンタが気に入った。だから、アンタの名を教えてくれ。因みに、俺の名はサヤだ」
気に入った。何故か、彼に言われると凄く嬉しかった。
神すらも召喚してしまう・・・いや、例えそれが与えられた力だとしても、彼には十分にその素質があると思った。
彼は、もう人間の枠を超えている。けれども、誰よりも人間らしいと思った。
「私は、カロナス=ナイハと言います」
私はこの日、生涯の友と出会った。
Side=カロナス=ナイハ∥Out