木綿のうた
掲載日:2024/11/20
【短歌十首】
歌だけがあなたの心に架けられる橋のような日々を過ごせたね
悲しくてあのひとの一瞬の手の温もりに餓えた子の涙かな
揺れて揺られてなぜ吹くの貴方と私の花の間に風よ
汚れても洗いたてお日様とゆられ手をつなぐ木綿のしあわせ
あの子の頬の涙を拭いたら小さな微笑み木綿の喜び
破れたら小さな刺繍をしてくれたあなたの指は魔法の手
冷たい風に靡く川面のキラキラが心の曇天を綺麗に割いてゆく胸の奥まで
ひと粒ひと粒飲み込むひとの胸から放たれし言葉は心の瀬に棲み澄まわせる
歌の心をきくわたしでいたいあなたはいつもそうでいてくれた
いくつかのあたたかな歌に掬われ涙して迎えられた夜明け




