1話
とある施設を舞台にしたゾンビホラーです
俺の名前はトーマス・マッケイン。
俺には記憶がねぇ。
だが、どうやらこの名前は間違いではないようだ。
何故記憶がないのにわかるかって?小学生みたいにきちんと名札をしているからなぁ。
しかし、この部屋はなんなんだ?
真っ白い部屋、ただただ真っ白い部屋に俺は一人、横たわっている。
なんなんだこの部屋は?
しかも頭がかち割れそうだ・・・・
二日酔いか?ちげぇな。
そんな痛みじゃねぇようだこれは。
鼻から血が出てるんだ。
ただの頭痛なわけねぇだろうが。
部屋を見渡しても何もねぇ。
ただ真っ白い部屋だ。
てか俺は一体誰なんだ?
なぁトーマス?
どうやら、服装を見る限り昔の俺はお医者さんだったらしい。
これがお医者さんプレイじゃなければいいんだがなぁ。
とにかくここを出なきゃ埒が明かない。
だが全体真っ白のこの部屋じゃ何処が出口かもわからねぇ・・・
俺はとりあえず、部屋の壁を伝いながら部屋一周しドアを探す事にした
たく・・・なんちゅうとこだ・・・オマケに・・・頭が可笑しくなりそうな程いてぇ・・・
あん?などと考えていればすぐにでも周りよりも凹んでいる場所を見つけた。
なんだこれ・・・まぁ・・・ドアだな
いじくり回していると、パネルみたいなのがある。
なんだこれは・・・と弄繰り回していると、急にパネルが緑に光やがるじゃねぇか・・・
なんだろうなぁ・・・これはあれか・・・?
映画とかである・・・なんとなくだが、俺は何をすれば良いかが頭に浮かび、胸元の名札を近づけてみた
ピーーーー
よくある音とともに、ドアが一人でに開きやがった
まぁとりあえずは、部屋を出れて良かったが、これから何処に行けばいいんだ?
辺りは本当に映画とかにありそうな程真っ白な通路が続いている。
ただ一面に青いライトがテカっているため、相当目に悪そうなうえ・・・
床に足の魚拓でもとったような血の後が散らばっている。
どうやら俺のいたこの部屋にまで続いているようだな
俺は靴を履いている、この足跡の持ち主はどうやら靴を履いていないようだ・・・
まぁ予想するとこからだと、俺はこの足跡の持ち主から逃げてあの部屋に入ってったって事か?
おまけに考えれば、こいつはただ事じゃねぇ。
その上で俺はあんな部屋で倒れていた。
目が覚めれば頭痛持ちときてこりゃ素晴らしい御釣りまでついてやがる
そして目の前にはこの血の跡
下手したら俺は死んでいたんだろう。
だがあの部屋で生きてる。
足跡の主は部屋を開けられなかった・・・つまりカードキーを持っていない・・・
恐らくここの連中とは違う部外者だろうなぁ。
それに裸足で血を踏んで歩いてるようなこの足跡・・・
キ○ガイなのは確かだろうな
さて・・・考えても何も浮かばんな・・・とにかく奥の通路に行ってみるか・・・
奥の扉を開けると、更に複雑に別れる通路が現れ始めた・・・
「なんなんだぁ。この白白何もかも白いふざけた建物は」
独り言呟く程、ただ白いだけのこの建物にイライラしてきているようだ
どうやら昔の俺は短気だったんだろう。なぁトーマス?
ただ辺りを見渡しながら通路を歩き、奥の部屋に入ってみれば・・・
手術室風の部屋についた。
血生臭く、何やらわかんねぇ器具が散乱してやがる。
見ろよトーマス。手術台の上の臓器をよぉ。
どんな低脳が見ても、ここの連中は狂ってるとしか思えねぇなぁ?
手術台に広がる臓器のみ。
本人は臓器を忘れて何処に行ってしまったんだ?
おまけに、床には千切れた指や血まみれのメス、食いちぎられた様な肉片に大量の血が溢れかえってやがる
俺が察するに、ここの連中は生肉で謝肉祭と洒落込んだようだ
反対のドアと周辺には更に多量の血が垂れてやがる
あっちに逃げようとして殺されたわけだな
とりあえず、メスだけでも持っていくか
嫌々ながら、出るしかないので反対のドアを開けると、そこには更にまた白い廊下が続いていた。
見えるのは、只垂れ流された血と、青いライト。
それから突き当たりのT字路だ。
どこを見ても変わらないこの建物にはうんざりしてくるぜ
突き当たりに達すると、一人の男が立っていた
白衣姿の男が一人、俺と反対方向を見ながら
怪しいなぁ。
怪しい臭いしか漂っていねぇじゃねぇか。
なぁトーマス。
俺は近づかず、一声掛ける事にした
「おい、あんたぁ」
奴はのそのそとこっちを振り向くと、俺は予想はしていたが流石に引いてしまった
奴は片目と首の肉を失いながらも、平然な顔で自分の首を掻き毟っていやがった
数本失っていやがる指で。
「あぁ〜・・・すまんなんでもねぇ・・・」
俺は数歩後退りし、立ち去ろうとした時だ
「あああぁぁぁっぁぁぁぁああああああああああああああ!!!!」
奴は意味不明な叫び声を上げて俺に遅いきやがってきた
「おいマジかよちくしょう!!!!」
俺は反対の通路に何も考えずに走りだした
とにかくあのジャンキーに追いつかれたら間違いなく俺は挽肉にされるのは
誰が説明しなくても悟っていた
ただ白い部屋をまがりまがり、ただ走り抜ける。
糞っ!!!間違いなくここは精神病院だ!!!!!!
しかしまさか医者まで精神患者なんて!!!
誰が俺の患者の容態を見るってんだ!?
ただただ走っていると、奥の部屋に行き着いた。
あそこだ
俺は無我夢中で部屋に飛び込み鍵を閉めた。
数秒後、部屋にあいつがぶつかる音と、部屋を何度も叩く音が響き渡った・・・
「はぁー・・・ちくしょう・・・」
あーちくしょうだ
俺の目の前にまた惚けた顔で俺を見つめる内臓のないおっさんが立っていやがる
「・・・」
「・・・がぁぁぁぁぁあああああっっっ!!!!!」
奴は当然のごとく俺に襲い掛かり、首あたりに掴みやがってきやがった!
俺は奴の首を掴みなんとかあいつの臭え顔が近づかないように抑えてるが
こいつ等、こんなに不健康そうな顔してるのに力が強い・・・
あっという間に俺は押し倒された・・・
ふざけんな!!!俺は女にしか押し倒される気はねぇぞっ!!!!
もう遅えよっ!!!トーマス!!!!!!!!
やばい、顔に奴の血が垂れてきやがる!!!!
糞野郎!!!!!!!こいつ病気持ちだったら承知しねぇぞ!!!!!!
やべぇ・・・こいつに絞められてるせいで息が出来なくなってきやがった・・・
俺はその時、メスの存在を思い出し、ポッケから出したメスをこいつの目に突き刺してやった
「がぁぁぁあああああああああ!!!!!!」
なんだこいつ?片目やられてもびくりともしねぇだと!!!!!
片手を奴の首から離したとたん、奴の顔は更に至近距離に近づいてきやがった!!!
「この野郎・・・」
ギリギリのとこで目からメスを抜き取り、もう片方の目に突き刺してやると、奴は
急に上の方を向きやがった
力が弱まったとこを狙い、奴の顔面を殴り飛ばした。
奴は立ち上がると、嬉しい事に俺の顔に臓器の一部を垂らしてよろめき始めやがった。
俺はすぐに立ち上がり、違う部屋へと移った。
糞野郎共が・・・病気とかのレベルじゃねぇぞおい!!!
よく見るとここも安全そうではないな・・・
血まみれの廊下。
数字のプレートが貼られた部屋が幾つもある。
後ろを見返せば俺のいた部屋にも同じように数字の標識が貼られていやがる・・・
周りの標識を眺めながら一番奥に進むと、受付風のとこがあり、牢屋風の扉が見つかった
察するに、ここは精神病院の患者共の部屋なんだろうな
受け付けないの机には鍵が一束と、苺ジャムrしき物がトッピングされたドーナツが置いてある。
まぁこの部屋を開けるのにはこの鍵が必要なんだろうな
鍵に手を伸ばすと机の下から奴らの仲間の手らしき物が俺の手に掴みかかってきやがった!!!
やばいいきなり俺の手に噛み付いてきようとしやった。
俺は慌てて奴の顔面にドーナツの皿をぶつけてやった。
すると奴は一瞬怯んだのでその隙に俺は鍵束を引き取りドアの鍵に手を掛けた
おい?どの鍵だかわかんねぇよ!?
俺はテキトーに鍵を差し込もうと色々試しているが、それも当てはまらない!
なんでここはカードキーじゃねぇんだよ!?
そんな事をしながらも、奴は受付の窓口から這いずって出ようとしやがる!
「ドアぐらいつかえよこの脳無しがっ!!!」
奴の顔面に蹴りを入れると、奴はまた受付の奥に倒れこみやがった
その間にも他の鍵を試すが、中々当てはまるのがねぇ。
すぐに体勢を立て直したあの男はまた窓口から出ようとしやがる!!
俺は更に蹴りを入れた時だ。
奴は顔面に入った俺の足を掴みやがった
これはやばい事になった。
脚を引っ張りながら、俺は別の鍵を試していると
ついに鍵が入った!!!!
しかし奴は俺の足首あたりに噛み付いてきようとしやがる。
俺は咄嗟に受付の窓を閉めた。
奴はまた一瞬怯み、その隙に俺は脚を引き
すぐに隣の部屋に移った。