Sランクパーティーから役立たずと追放された本当は最強な俺 〜魔物を倒せなくなったから戻ってきてくれと言われても、もう遅い……だから、もう遅いんだって。だから遅、もう遅いって言ってんだろうが!
ほぼ地文無し。会話文。死ぬほど展開早い。いっそのことSS形式にすればよかった。なんとなく喋ってる人は分かるはず。二日で書いた。
「出て行け……ってどういうことだよ!?」
「そのままの意味に決まってんだろうが。お前はもう足手纏いなんだよ、デスノ」
「そうですよ、サカミさんやテンサさん、それに私。私達の足ばっかり引っ張って恥ずかしくないのですか?」
「そうよ、ハイウルの言う通りよ! 邪魔なのよ、っていうか相応しくないわけ! この『断罪の刃』には!」
「なんでだよ! 俺達一緒に頑張ってきただろ!?」
「頑張ってたのは、お前以外な? お前は特に何もしてないだろ」
「そうですそうです!」「そうよそうよ!」
「お、俺だって役に立ってただろ!?」
「いや記憶にねぇな。お前らあったか?」
「私もないわ」「私も……ああでも荷物持ちとしてでしたら」
「くはは! それは確かにな!」
「なんだよ……。そんな風に思ってたのかよ。クソッ! こっちから願い下げだよ! こんなパーティー!」
「くはは! 出てけ出てけ! もう二度と戻ってくんなよな!」
「あはは!」「くふふ!」
二時間後。
「……クソッ! なんで俺がこんな目に……」
「デスノさん!」
「えっ、あぁ、受付嬢さん」
「パーティーを辞めたって本当ですか!?」
「……本当ですよ」
「あんなに仲良さげだったのにどうして……」
「俺が実力不足だからだそうです……」
「えっ? それはおかしいですよ」
「何がです?」
「冒険者カードによってトドメを刺した人が分かるのですが、『断罪の刃』はほぼ全てデスノさんが討伐しているんですよ!」
「な、なんだって……!」
「ここに一つクエストが何故かちょうどありますので受けてみては?」
「行ってきます!」
二時間後。
「マジじゃん。俺の『超魔力砲』めちゃくちゃ強いじゃん。Sランクの魔物すら一撃じゃん」
「おめでとうございます。これでソロとしてのランクもSに上がりましたよ」
「ま、マジか……」
「これは快挙ですよ! 冒険者ギルド始まって以来の快挙です! これからデスノさんの名は世界に轟くでしょうね!」
「マジかよ」
「さてじゃんじゃん無双していきましょう!」
一ヶ月後。
「お、おい!」
「……」
「お前だよッ! デスノッ!」
「なんだ、お前らか」
「な、なんだとはなんだ! 俺が話しかけてやったんだから感謝しろよ!」
「はいはい、で、なんの用?」
「ちっ、まぁいい。デスノ、パーティーに戻ってこい」
「は?」
「二度も言わすなよ。パーティーにまた入れてやるって言ってんだよ、感謝しろ」
「ばーか! 土下座しても戻ってやるかよ! 俺はもうお前ら無しでやっていけてんだよ」
「何だと? 調子に乗んなよ」
「そうよ! 態度悪いわね!」
「どっちがだか」
「はぁ、こんな人を相手にするのはやはり時間の無駄ですよ。別の人を探しましょう」
「ちっ、そうするか。お前、後悔しても知らねぇからな」
「後悔なんかするわけないだろ」
一週間後。
「おい! デスノ! 頼む戻ってきてくれ!」
「嫌だ。もう遅いんだよ。帰れ」
「俺が下手にでてやってんだぞ!? 戻ってこいよ!」
「そうですそうです!」「そうよそうよ!」
「デスノ様、お知り合いですか?」
「せ、聖女様!? なんでデスノの所に!?」
「ひっ、ひぇぇ」「うぇぇ!?」
「初めまして、聖女シロコと申します。私は魔物に襲われていたところをデスノ様に助けて頂いたのです。そこからはトントン拍子に話が進み、今同居中です」
「ぁあ、それはなんと言いますか。おめでとうございます。コイツ少しぶっきらぼうですが根はいい奴なんで、仲良くしてやってください」
「はい」
「……」
「……」
「……じゃあまた来るわ」
「いや来んなよ」
一週間後。
「デスノさん。パーティーに戻ってきてくれませんか」
「もう遅いっつってんだろ」
「もう家賃も結構ギリギリなんです。お願いします」
「私達からもお願いします」「お願いします」
「普通に嫌だわ」
「そんなこと言わずに……ね?」
「ね? じゃねぇよ。帰れ」
「今、デスノ様は活躍があらゆる所に轟いて、依頼が絶えないんです。だから忙しいんです」
「……また来ます」
「だから来るなって」
一週間後。
「デスノ様〜! お肩でもお揉みしましょうか?」
「怖い怖い」
「デスノ様ー! 戻ってきてくださいぃ! お金がなくて朝昼晩におやつしか食べられないんです!^^
「クッソ食べてんじゃねぇか。それにもう遅いって何回言わせんだよ」
「食べ過ぎは良くありませんよ?」
「ねぇデスノ〜。ちょっとぐらいなら肩揉んでも良いからさ〜」
「私も少しぐらいなら足揉んでも良いですから」
「ただのマッサージだろそれ」
「デスノ様? 浮気ですか?」
「いや全然違います」
二週間後。
「デスノ。トイレットペーパーってまだ予備あったっけ」
「いや多分切れてるわ」
「オッケ、買ってくるわ。他なんか欲しいものあるか?」
「あー、黒のインクがあったら頼むわ」
「私あの最近流行ってる甘いやつ〜!」「私も同じもので」
「じゃ、じゃあ私もそれを」
「ういー、行ってくるわ」
「「「「いってらっしゃい」」」」
「……あれ? なんかおかしくね?」
一週間後。
「デスノ、今日は外食にしねぇか?」
「ねぇ俺たち別パーティーだよね? 俺パーティー追い出されたよね?」
「ちっちゃいこと気にすんな! お前らは何処がいい?」
「私、今日は鉄板焼きの気分〜!」「私はたこ焼きですね」
「はぁまぁいいや。シロコは?」
「私は回るお寿司が……」
「じゃあそうするか」
「私達の意見はー?」
「奢らないぞ?」
「みんなー! お寿司行くわよー!!」
「「「おおーーー!!!!」」」
「はぁ……」
一ヶ月後。
「デースノー、ギャンブル行きたいからお金かーして?」
「なんで俺が別パーティーのお前に貸さなきゃ行けないんだよ」
「だってサカミは釣り行ってるし、ハイウルは近所の子供に餌付けしに行ってるし、暇なんだもーん!!」
「またアイツ俺の釣り道具勝手に使ってるのか」
「ちなみにハイウルはデスノの家のお菓子奪ってた」
「最低だな」
「最低ですね」
「てか、アイツにそんな趣味があったとは、驚きだ」
「なんかねー、子供達を餌付けして外堀を埋めていくって言ってたわよ!」
「クソだな」
「クソですね」
「そんなことよりさ、お金貸してよー! ……そうだ! デスノも一緒に行きましょ!」
「いや俺はそんな金の無駄遣いはしないって。つーか、金も貸さないし」
「そうです。ギャンブルなんて良くありませんよ」
「ん? そうだ! 聖女様も折角ですし一緒にいきましょ!」
「えっ、いや私は、そういうのはちょっと」
「社会見学社会見学! 知っておくことに意味があるのよ!」
「そう言われると、拒みづらいですね……では少しだけ」
「はぁ、シロコが行くなら俺も行くよ」
「何よ! やっぱり行きたいんじゃない!」
「見張りだよ! お前がシロコに何かしないかの!」
二時間後。
「行ける行ける行ける行けるッッッ!!! 差せッッッ!!! お前なら行けるッッッッ!!!! そうそうそうそう!!!! だぁぁぁぁぁあああああ!!!! そうだよ! やっぱりお前がNo. 1だぁぁぁあああああ!!!」
「ねぇ? デスノ、そろそろ帰らない?」
「あ? いやいや今波が来てんだよ。後一試合、後一試合だけ。絶対また勝てるから」
「なんでそんなに自信に溢れてるの? ねぇ、聖女様もそろそろ帰りましょうよー」
「来るはず、来るはずなんです……! 今日はこの台が熱いんです……! 今に確変が……ぁああああ! ほらほらほらほら! きたぁっぁぁああああああ!!!」
「……ねぇ、聖女様がパチンカスになってるけど平気なの?」
「ぁあ? 聖女がなんだ。単勝で二連勝中の俺より偉いわけ? 次も勝ったら世界で一番偉いの俺だろ。魔王は世界の半分じゃなくて全部寄越せ」
「……こっちはこっちで競魔の沼にハマりきってるわ」
なんやかんやで、少し先。
「Sランク冒険者デスノよ! 御主の活躍聞き及んでおる! そんな御主に頼みがある!」
「は!」
「魔王の討伐! 様々な英雄や猛将たちが敗れたが御主ならば必ずや成し遂げられると信じておる!! 受けてくれるか?」
「はっ! 必ずやご期待に応えて見せましょう!」
「うむ! 流石だ! もし御主が魔王に勝てたなら我が息子を御主の妻としよう!」
「僕も君にだったら貰われたいな……!」
二時間後。
「デスノ様? 私のことを捨てるおつもりで?」
「いやいや、そんなつもりはないって」
「おいデスノ! お前浮気とか最低だぞ! 聖女様が可哀想だろうが!」
「そうですよ! 偉そうに私達に講釈垂れておきながら自分は浮気ですか! いいご身分ですねぇ!」
「そうよそうよ! 浮気なんて女の敵よ! 魔王の前にアンタをぶっ飛ばしてあげるわ!」
「その前に俺は、人をパーティーから追い出したくせに図々しく付いてきてるテメー等をぶっ飛ばしてやるよ!」
「そうやってすぐ違う話で誤魔化そうとするの、お前の悪い癖だぞ」
「そうですそうです!」「そうよそうよ!」「全くです!」
「お前ら、ぶっ飛ばして……ねぇ? シロコ? 聖女? 聖女様? 君は俺の味方でいて?」
「謝れよッ!! 聖女様に謝れよッ!!!」
「ねぇ? なんで怒られてるの? ぶっちゃけ俺そんな悪いことしてないよ? 浮気もまだしてないし。ねぇてか、今更だけどあの王様息子って言ってなかった?」
「まだ……ですか?」
「違うって! 言葉の綾だよ! それよりあの」
「完全に浮気男のそれね」
「ですね」
「デスノ様?」
「本当に違うんだって!」
「やーいやーい! デスノの浮気者ー! 男として最低! 人間としての最下級代名詞ー!」
「うるさいです! デスノ様を侮辱しないでください!!」
「グェッ!」
「あっ、サカミが潰れたカエルみたいになった」
「まぁ別に良くないですか? どうせですしもう少し潰しておきましょうか」
「グェッ!」
「息子って……言ってたよね?」
一ヶ月後。
「流石に四天王の一人は強かったなぁ」
「まさか石化の魔眼を使ってくるとは思っても見ませんでしたね」
「サカミを盾にしなかったらみんな石になってたわよ。ハイウルの作戦に感謝しなきゃね!」
「いえいえ、結局活躍したのはデスノと聖女様ですから」
一ヶ月後。
「これで四天王の最後も倒したわけだ」
「死ぬと同時に発動する自爆魔法とは……恐ろしい相手でした」
「サカミに死体を抱えさせて一緒に投げ飛ばすっていうハイウルの作戦がなければ危なかったわね!」
「いえいえ、結局活躍したのはデスノと聖女様ですから」
一ヶ月後。
「あそこが魔王城か……。決戦は近いな……」
「大丈夫ですよ。デスノ様なら勝てます」
「そうよ。私達なら大丈夫よ!」
「ええ、頑張りましょう! 私達には最終兵器もあるんですから」
三週間後。
「フハハ! 勇者よ! これで終わりだ!!!」
「クソッ! ここまでなのか!?」
「デスノ様! あきらめないで!」
「ハイウル! アレの出番よ!」
「分かってます! 最終兵器! 『サカミファイナル』!!!」
「な、なんなのだ!? その人の業を詰め込んだような禍々しい気味悪い気持ち悪い物は!?」
「これは四天王最後の一人を参考に、作り上げた謂わば超威力の爆弾です!」
「みんな! 行くぞ!!!」
「はい!」「行くわ!」「ええ!」
「喰らえ! これが俺達の絆の力だぁぁぁああああああ!!!!!」
「ぐおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
「はぁ、はぁ……」
「これが……人の……絆の強さ……」
バタン。
「や、やったぁ!!! 俺達の勝利だ!!!」
「やりましたね! デスノ様!」
「やったじゃん、みんな!」「これで世界は……」
「ああ、平和になる」
国に戻って。
「魔王を打ち破りし勇者よ! 御主のおかげで一度は闇に堕ちかけたこの世界に平和が戻ってきた! 国を、いや世界を代表してお礼を言わせてくれ。ありがとう!」
「いやいやそんな」
「そうそう、御主には褒美をやらんとな。ほれ、入ってまいれ」
「失礼します」
「ワシの息子じゃ。凛々しいじゃろう? 今日から御主の妻じゃ。良くしてやってくれ」
「よろしくお願いします。勇者様……いや旦那様……!」
「えっ、あのちょっ」
「仲間の方にも勿論褒美を取らせよう。望みはあるか?」
「では王様。デスノ様の正妻の座は私に」
「いいよ」
「いいんだ! じゃなくて王様話を」
「御主もそれで良いか? 我が息子よ」
「僕は旦那様の側に居られればそれで」
「くぅう! 幸せ者じゃのう!」
「ねぇ王様、話聞いて?」
「では其方はどうじゃ」
「私はいいわ。孤児院にでも贅沢させてあげて」
「えっ、いきなり何。怖いんだけど。人の金でギャンブルに行ってた人間の台詞?」
「なんと見上げた心意気じゃ! 素晴らしい! 良い仲間に恵まれたのう、勇者よ!」
「いや仲間じゃ……あっ、今、この人にやってしました!」
「では其方はどうじゃ?」
「私も同じく報酬は入りません。ですがこれからの者のため、図書館に本を増やし、入場料を減らしていただきたいのです」
「ねぇ、怖いよ。近所の子供餌付けしてた奴の台詞じゃないよ……」
「なんとこれまた見上げた心意気! 勿論じゃ! むしろ入場料は無料にしよう! 素晴らしいお仲間じゃな! 勇者よ!」
「あのだから仲間じゃ……あっ、こっちもにやってしました!」
「デスノ様。少しうるさいですよ」
「ごめん」
「ふむ。御主ら仲間がもう一人いなかったか?」
「彼は星になりました」
「そうか。それは何よりじゃ」
「はい」
「では改めて勇者とその仲間に感謝を。世界を救ってくれてありがとう!!!」
五時間後。
「なんか実感沸かねぇな」
「そうですね」
「そうねぇ」「不思議ですね」
「まぁ世界は平和になったんだ。俺はシロコと王子とのんびりするかね」
「それはいい案ですね」
「いいわねぇ」「いいですねぇ」
「……お前らは付いてくんなよ」
「畑仕事でも始めようかしら」「私もバードウォッチングでも」
「……はぁ」
「これからも騒がしくなりそうですね、デスノ様」
「最悪だよ」
「ふふ」
「今笑わなかったか?」
「照れているデスノ様も可愛いと思って」
「照れてねぇっての」
「ねぇ見て! あの星光ってるわ!」「キラキラですね」
「まぁでも、こんな生活も悪くないかな。なんてな」
そうして皆仲良く幸せに暮らしましたとさ。
なぜ書いたのか。一番分かってない。