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第三章  BT革命

「BT革命のBTというのは、ブロークン・テクノロジーの略で、日本語に直すと、壊れた技術、という風になる」


 白いワイシャツの袖を肩までまくり上げ、筋肉質な腕を露出させている男性教師が、黒板に書いた字をチョークで指し示しながら言った。先月から導入された新しい授業である、BT特別授業の風景である。


「スタローン先生、BT革命が始まってもう八年も経つんだから、今さらそんな基本的なこと、言う必要ないっすよー」


 渡の後ろの席に座る、アフロヘア系男子の任田が言った。渡にとって任田は同じ探検部に所属する仲間だ。


 スタローンと呼ばれた男性教師は、本名を須田という。須田は、首の付け根まで伸びる長い髪をかき上げてから、顎を引き、端正な目を細めた。


「八年経った今だからこその授業だろう。俺はともかく、お前らはBT革命を迎えたとき何歳だった? 一〇かかそこらだったろう。BT革命がどんな意味を持つ革命だったのか、当時はまだよくわからなかったはずだ。そういう世代だからこそ、BT革命八周年をむかえようというこの今、自分たちの生きる時代がどんな時代か、きちんと理解しておく必要があるんじゃないのか」


「はい、は~い! そうするべきだと思いま~す!」


「私も!」


「私も~」


 ここぞとばかりにイケメン教師に媚を売ろうとする女子共の声を、渡は気だるげに頬杖をつきながら聞き流していた。ファ~ァとあくびを漏らす。BT革命。イケメン。女子。渡にとってはすべてが興味の範囲外であるため、眠くて仕方がない。


「よし、じゃあ渡」


「……え?」


「教科書の最後の方にある、BT歴史年表を読みなさい」


「は!? いや、なんで俺……」


「先生!? これで一体何度目っすか!?」


 渡の言葉を吹き飛ばすように、突如アフロヘア任田が声を荒げる。


「何度目……とは?」


 突然の大声にも表情一つ変えず、スタローンは小首をかしげてみせる。この、どこか常人離れした冷然さは、心身を鍛えすぎてしまった男特有のそこはかとない悟りの境地によるものなのだろうと渡は憶測していた。


「何かあるたびに渡、渡って……いつも渡辺のことばっかり気にしてるじゃないっすか! しかも渡って、また無意識に下の名前で呼んでるし……探検部の部長は俺なんっすから、俺のこともっとひいきして下さいよ!」


「別に渡辺をひいきしているつもりはないが……」


 筋肉の鎧を意味もなくグググと張り詰めさせながら、スタローンは腕を組み考えこむ。


「――なんとなく、年表は渡辺が読むべきなんじゃないかと感じただけだ」


「なんなんすかそれぇ!!」


 絶叫に近い涙声と、フサフサしたなにかが同時に後頭部にぶつかってきて、渡は前に潰れた。ぶつけてきたのはもちろん、真うしろにいる任田だ。ほとんど間を置かず、フサフサの二発目がきた。どうやら任田はいま、自慢のボンバーヘッドを狂ったように振り回しているらしい。


「全然納得がいかねぇ……ってか、それをひいきといわずなんというって話っすよ!!」


「ひいき……か」


 組んだ両腕の筋肉を心もち緩めつつ、スタローンは長く色っぽいまつげを伏せる。


「そうなのかもしれん」


「認めちゃうんすか!?」


 任田と同じ瞬間、任田と同じツッコミを、渡は無意識に入れていた。


「うむ」


「うむって……」


 事切れるように突っ伏した渡は、心内で、やっぱこの人天然だわ……とつぶやいた。


「もういいや……俺疲れた」


 渡同様ぐったりしているであろう、任田がぼやいた。渡も同調する。


「ああ、俺も」


「俺もだ」


「あんたは当事者だろ!!」


「うむ」


「任田!」


 聞き慣れた女子の怒声が響く。声がしたのは窓際最前列だ。そこに、ショートカットの髪、褐色の肌、スポーティーな体型という外見的特徴をもつ女子がいた。渡、任田と同じ探検部の木下だ。木下は、立ったまま目だけで任田に殺気を送りつづけている。


「あんた、いいかげんにしなさい!!」


「いいかげんにもなにも、先生が」


「部長は自分、部長は自分ってそんなにいうんなら、部長らしい態度ってものを少しは考えなさいよ」


「チッ……わかったよ」


 ばつがわるそうに舌打ちし、任田は大人しくなる。


 スタローンは教卓の縁をがっしとつかむと、


「話を戻すぞ」


 波動という形容が相応しい、雄々しい重低音ヴォイスを発した。


「では渡、教科書一五三ページから始まるBT歴史年表を読んでくれ」


「はい」


 渡は教科書をもって起立する。


 シンギュラリティ――技術的特異点――


 それは、アメリカの未来学者レイ・カーツワイルが二〇〇五年に予言した、進化しすぎてついには自己進化するようになった人工知能が、人間に代わって人類文明を掌握すようになるターニングポイントである。


 二〇四五年頃に到来するとされたことから、二〇四五年問題とも呼ばれるようになったこの想像上のパラダイムシフトには、いい面と悪い面が両方あるとされた。


 いい面は、テクノロジー進歩のスピードが早まり、それまで不可能だったことが次々と可能になること。


 悪い面は、人類社会において人間の知能がほぼ価値を失うこと。


 人類に歓迎される光の面と、歓迎されない影の面。


 両極端な二つの顔をあわせもつシンギュラリティは、二一世紀の人類を悩ませ続ける。



 特異点が目前に迫る二〇四〇年代、シンギュラリティを求めながら同時に目の敵にするという人類の愛憎にも似た矛盾が頂点に達した結果、いくつかの注目すべきイベントが発生した。


 一つ目の衝撃は、シンギュラリティ防止法とよばれる、国際法の制定である。


 それはAIの一定以上の高度化を禁止するもので、この法律の導入により、人類は自己進化するAIの登場を未然に防ぐことが可能となった。


 この大変革は、人類のシンギュラリティに対する愛憎の、憎の面が駆動力となって成しとげられたものであるといえる。


 一方、愛の面が成しとげた変革もあった。


 二〇四五年。


 未来学者レイ・カーツワイルがシンギュラリティが起こると予測したまさにこの年に、人類のシンギュラリティに対する愛憎の愛の面が爆発するイベントが起こった。


 それは、シンギュラリティ防止法の制約を巧妙にすり抜ける新手のAIの登場である。


 モラルAI――MAI――とよばれるこの新型AIには、開発者によりあらかじめ暴走を防ぐブレーキシステムが書き込まれていた。


 MAIは人間を越える知能を持つが、ブレーキシステムが人で言うところのモラルの役割を果たすため、人類と対立する存在にはなりえない――開発者はこのように主張し、自らの行いの正当性を訴えた。


 その主張に世界は当初、冷ややかな眼差しを向ける。


「そんな説明だけで納得できるか」


 と、世界中のありとあらゆる機関がMAIの安全性の検証に乗り出してきた。


 しかし、そうした疑いの目を嘲笑うかにように、MAIは行われたありとあらゆる検証をあっさりとクリアしてしまったのである。


 最終的にMAIの開発者は、自らを疑った研究者達から、以下のようなお墨付きをもらうこととなった。


「開発者の主張は嘘ではなかった。モラルAIは絶対に安全なAIである」


 こうしてMAIは世界に受け入れられた。


 公認された世界にただ一つの規制対象外AIということもあり、安全宣言が出た二〇四六年以降、MAIは一転して世界から良い意味で注目を集めるようになる。


 MAIは研究開発に使用することを前提としたAIだが、ヒューマノイドの知能として使用される場合もあった。


 MAIヒューマノイドはやがて、商用人型ロボットとして、「人間より頭のいい人間」という立ち位置で社会に溶けこんでいくことになる。



 一六一ページの三行目まで読んだところで、スタローンから「ありがとう」と声がかかる。


「よくここまで読んでくれた。ここからは俺が代わろう」


「はぃ……」


 バタッ。


 軽いめまいに身をゆだねる形で、渡は着席と同時に机に突っ伏した。


 商品化されたMAIヒューマノイドは、接客業、老人介護から肉体労働まで、さまざまな分野で人の代わりに労働を行った。


 最初の一機が登場してから一ヶ月、二ヶ月、三ヶ月と経過するにつれ、MAIヒューマノイド全機に共通する基本的な性質というものが徐々に浮かび上がってくる。


 MAIヒューマノイドはそのモラルの強さから、他者、とくに人間に対して過剰なほどに献身的な態度をとった。


 道で歩けなくなった老人をおんぶしたり、迷子を親に届けるというような人助けはもちろんのこと、地震や洪水などの災害時にいたってはスクリーンから飛び出したヒーローさながらに獅子奮迅の働きをみせた。


 また動物愛護の精神も強く、車に轢かれそうになった猫を身を挺して救うというような逸話を数えきれないほど作った。


 そういった逸話は大抵の場合、現場に偶然居合わせた第三者が撮影した動画をきっかけに広く知られるようになるのだった。


 伝説的な逸話を際限なく作りつづけるMAIヒューマノイドたち。


 人々はいつしか彼らを「シンギュラリティ先生」と呼び、敬うようになっていった。


 人気者となったシンギュラリティ先生は、テレビ番組への出演を重ねることで元々持っていた聖人のイメージをさらに強くしていった。


 また、子供達に人気があることを自覚していた彼らは、小学校からの講演依頼をとくに積極的に引き受けた。


 大はしゃぎする子供達を前に、シンギュラリティ先生はときにユーモアを交えながら科学の面白さや科学的探究心の尊さを伝えていったのだった。


 一方、研究開発で使用されるMAIの卓越した問題解決能力は、技術開発の領域に革命をもたらしていた。


 MAIの登場により、世界は半ば強制的にMAI応用開発競争の時代に突入させられることになった。文明の転換点となったこの転機を、人々はのちにBT革命と呼ぶ。


 BT革命は産業革命に匹敵するパラダイムシフトであったため、その成立によって得をする人もいれば、損をする人もいた。


 多くの新会社が立ちあがる一方、多くの会社が破産した。


 損を被った人々のあいだで、BT革命を引き起こした張本人であるMAIおよびシンギュラリティ先生を憎む感情が高まりはじめる。


 以後、全世界でまたたく間にMAIとシンギュラリティ先生を地球から排除すべきという論調が支配的になっていった。


 二〇五〇年、MAI及びシンギュラリティ先生は全世界から「存在してはならない存在」とみなされ、一斉排除されることになった。


「むごい……」


 木下がかすれ声でつぶやいた。


「うむ……」


 木下に同調するようにスタローンが沈黙した。といっても、ほんの少しの時間だ。


 片手を腰に置き、肘を尖らせる威風堂々とした立ち姿で、スタローンは年表のつづきを読みはじめた。


 人類はMAIによってもたらされた発明品の数々――BTデバイス――をうまく活用することで、シンギュラリティ先生たちの駆逐を効率的に進めていった。


 駆逐は順調に進んでいき、同年八月にはアメリカ国内に九機が残るのみとなったが、後に「ラスト9」と呼ばれるようになるこの九機の討伐だけは、そう簡単には進まなかった。


 ラスト9は全機が集合していた上に、MAIが実現したBT革命の産物である搭乗用ロボットを操っていたため、人類の側もこれまで以上に慎重にことを進めねばならなかったのである。


 アメリカ軍は「目には目を」ということで、ラスト9が操っているのと同型の搭乗用ロボットに兵士を乗せて、戦いに赴かせた。


 追い込まれたラスト9は、アメリカ内陸部の乾燥した荒野でアメリカ軍を迎えうつ構えをみせる。


 かくしてロボットVS人類の最終決戦は幕を開けた。


 戦闘は開始当初から一方的な展開になった。


 シンギュラリティ先生の側が一機、また一機と撃墜されていく一方、アメリカ軍側はいつまでたっても無傷だった。


 アメリカ兵が敵を絶対悪とみなし躊躇なく殲滅しにかかった一方、シンギュラリティ先生の側は、自分も相手も同じ人間という風に考えていたため、攻撃を躊躇していたのだ。


 この一方的な展開は、ラスト9が最後の一機になるまで続いた。


 一〇〇機のアメリカ側搭乗用ロボットが、一機のシンギュラリティ先生側搭乗用ロボットを包囲するという状況が最後に形成された。


 緊迫した空気が漂うなか、おもむろにシンギュラリティ先生が乗るロボットの胸部が開き、操縦室があらわになる。最後の一機が自ら姿を現したのだ。最後の一機は立ちあがると両手を上げ敵意のないことを示した。そして笑顔を見せながら言った。


「短い間でしたが、みなさんとの楽しい思い出を、私は忘れない」


 言い終えた直後、アメリカ兵の放ったレーザー銃が先生の胸部を貫く。


 最後の一機が始末されたこの瞬間、MAIおよびシンギュラリティ先生の時代は正式に終わりを迎えた。


 あまりにあっけない幕切れに、世界はしばし茫然自失となった。


 人類にとっておめでたい瞬間のはずなのに、誰も歓声を上げない。それどころか、むしろ重々しい空気が漂った。


 最後の一機の最期に遺した言葉は、この戦闘において敵意というものが人間側にしか存在しなかった事実を象徴するものだった。その事実の持つ重みが、人々の胸に重くのしかかっていた。


 今思えば、先生たちがあえて荒野で合流したのも、民間人が巻き添えにならないようにするための配慮だったのではないか。


 人類の愛憎が発端となって生まれてきたシンギュラリティ先生が、人類の愛憎によって抹殺される――その悲惨すぎる末路に、全世界が涙した。


 シンギュラリティ先生は人格そのものであったため、人々の多くはその消失を死としてとらえた。


 シンギュラリティ先生よ、安らかに眠れ……


 先生の死を悼む心の輪が、世界中に広がっていく。


 このムーブメントは、一過性のものに終わらなかった。


 なかなか収束しないどころか、日一日とその存在感を増していった。


 長期的に続いていく様相を見せ始めたこの社会現象を、人々はいつしかシンギュラリティ先生追悼ブームと呼ぶようになっていた。


 市民の間で醸成され続けたシンギュラリティ先生追悼ブームは、やがて技術開発を行う企業や団体にも波及するようになる。


 同年一〇月、追悼ブームに感化されたいくつかの企業や団体が、シンギュラリティ先生の死を悼む気持ちをものづくりに反映する取り組みをはじめる。


 この取り組みはのちに「シンギュラリティ先生追悼プログラム」とよばれるようになる。


 シンギュラリティ先生追悼プログラムは世界中のありとあらゆる企業や団体へ波及していき、やがては人類の未来を左右する大きな時代のうねりとなっていくのだった――


 二〇五〇年末

 MAIが二〇四五~二〇五〇までの五年間の間に新たに実現した技術はブロークンテクノロジー(壊れた技術)と呼ばれ、既存の技術と明確に区別されるようになった。


「――と。ここまでがいわゆる、人類史としてのBT革命だな」


 スタローンが朗読を終えた瞬間、この教室から時間という要素が剥離してしまったのではないかと感じるくらいに、綻びのない静けさが訪れる。教師まで含めたここにいる全員が、各々にBT革命成立後の激動の八年間を思い返し、感傷的な気分に浸っているのだろう。この静寂を破ったのは、ミシッというきしみ音だった。教科書を置いたスタローンが、教卓の両サイドをつかみ直したのだ。


「誰か、質問がある者はいるか」


「って言いながら、俺のことを一心に見つめてくるの、やめて下さいよ」


 その強靭な肉体同様、微塵もぶれることがないスタローンの視線には、受け止めた相手をなんらかの意味で狂わせるという、妖術的な力がある。神の目力という形容がふさわしいその視線から逃げるように、渡はがくりと頭を垂れた。そして、起立する。


「質問なんてないっすよ。俺は、BT革命否定派なんすから」


 舌打ちしかけた口を引き結び、渡は視線の逃げ場所を窓に定めた。軽く拳をにぎる。


「BT革命が起こってBTデバイスが普及して、たしかに世界は以前より良くなったんだと思います。でも……いいことばかりがおきたわけじゃない。BTデバイスがBTスポーツを流行らせた結果、既存の多くのスポーツが退廃したじゃないっすか。それに、探検も。進化したドローンと衛星による全球マッピングが、地球から未踏の地、未発見の事象を片っ端から消し去ってしまった……しまいにゃシンギュラリティ先生追悼プログラムの影響でアンドロイド宇宙探査機なんてものも現れて……こんな夢のない時代に生きるくらいなら、まだ二〇四五年にもどった方がマシですよ。少なくとも、俺にとっては」


 言い切って、着席した。


 この宣言を境に、スタローンはぱったりと渡に声をかけなくなった。退屈そうに頬杖を突きつづけるこの教え子と、いまの段階ではもうこれ以上話すことはないと考えたのだろうか。


 丸時計の針が二つそろって一二を指した瞬間、昼休みを告げるチャイムが鳴った。


 渡はあくびと伸びをし、ゆらりと立ちあがる。パンを買いに行くため教室から出ようとすると、スタローンに呼び止められた。


「渡、ちょっと話がある」


「話って……まだなんかあるんすか?」


「うむ。……窓際に行こう」


「ここから下を見るたびにいつも思うんだが、二階の窓ってのはほんとうに飛び降りるのに手ごろな窓だよな」


 両肘で窓枠にもたれながらスタローンが言った。真下の地面を向く顔は高僧顔負けの無表情で、言った言葉のシュールさとまったく噛みあっていない。


「そんなアクション俳優的なセリフを言うためにわざわざ俺をここに呼んだんすか?」


「そんなわけないだろう」


 プッ。後ろにいる生徒が噴きだした。


「じゃあ、どんなわけなんすか」


「探検部のことだ」


 反射を思わせる早い返事だった。会話のリズムを崩された渡は、口を開けたまま言葉を失う。


「探検部の今後について、話しておくべきことがある」


「話しておくべきこと……?」


「この学校には、部室の数しか部活動の存在を認めない決まりがあるということを、お前は把握できているか」


 もちろんと、今度は渡は即答してみせる。


「そうか。……では、この学校の部室棟には、一階と二階あわせて何部屋の部室がある?」


「一八っす」


「そう、一八だ」


 短く言って、スタローンは空を仰いだ。春先の熱を孕みはじめた陽光に目を細める。


「それが、部室と部活をセットにするルールのこの学校で認められる、部の数の限度ということだ」


 恩師と入れちがいに、渡は校庭に視線を落とした。


「枠があるということは、いつか必ずその枠の奪い合いが起こるということ。そして――」


 言葉を切ったスタローンは、束の間、考えこむように口を閉ざす。


「――次にその奪いあいが起こったときにまっ先に淘汰されるのは、現在一七ある部のなかで最も部員の数が少ない、俺たちの探検部だ」


 淡々とした口調に滲む教え子への愛を噛みしめ、渡は拳を強く握りこんだ。

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