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探娘辞典 土星探査機カッシーニ
ガリレオの妹。
一人称は「私」
いつもおどおどしている小動物系女子だが、喋り口調は敬語ではない。
二○○機の宇宙探査機が各々に各々の探査機の擬人化として生まれ変わった直後、行方をくらませてしまう。
土星探査機カッシーニには、開発期間中に予算の縮小によって大幅な設計変更がなされたという、不遇の歴史がある。予算の影響でカッシーニは、きわめて有毒なプルトニウム238二酸化物を燃料とする原子力電池を、主電源として積むはめになった。大量の中性子が宇宙探査機に搭載され、打ち上げられるのははじめてのことだったので、アメリカではカッシーニの打ち上げに際して大きな議論が巻き起こることになった。
その頃に市民から浴びせかけられた非難の声は、探査機ちゃんとして蘇ったいまのカッシーニの胸の中にも刻まれている。
カッシーニが行方をくらませたのは、「自分は有毒な存在」というコンプレックスのためであった。
ジュノーという後輩の木星探査機が背中を追ってきたガリレオとは違い、カッシーニは太陽系の片隅で最後まで一人ぼっちだった。その孤独な境遇も、内向的で自己否定的な性格に拍車をかけてしまった。




