ディープインパクトの選択
面接会場で渡を殴った女、氏尾崇女は、
「最低でも一機のアンドロイド探査機とチームを組み、オペレーターになること」
という最終試験の試験内容を前にあがいていた。
崇女はさっちゃんの盟友であるディープインパクトを契約探査機の本命と位置づけた。
真面目で正義感が強い崇女は、人類を将来の天体衝突から救うための実験をした探査機ディープインパクトの歴史にいたく共感していたのだ。
ディープに自分の探査機になってくれないかと頼む。
崇女と対面するこの瞬間まで、ディープは渡辺渡を自身のオペレーターとし、さっちゃんと同じチームで活動することを検討していた。
ディープからその意向を聞かされた崇女は、
「あのような奴に宇宙に行く資格はない」
と吐き捨てる。
「渡辺渡はたしかに、アンタとは正反対の人間だ……だけど正反対っていうのは、いい意味でいえば、互いが互いに無いものをもってるってことなんじゃねェのか」
「互いが互いに無いもの……」
「アンタは渡辺渡に足りないものを全てもってる。そういう意味じゃアンタは、誰よりもアイツの支えになれる可能性を秘めてる人間なんだよ。ま、自分が望めばの話だけどな」
「馬鹿な、なぜ私があんな奴のことを!?」
「契約しても構わねェ。だが、ひとつだけ条件がある」
「なんだ」
「渡辺渡から決して目を離すな。いつも奴を叩き潰すことだけを考えろ」
「フン、いいだろう」




