探娘辞典 彗星探査機スターダストちゃん
探娘辞典 彗星探査機スターダストちゃん
一人称は「私」
二人称は相手の名前。基本さん付けはしない。マイペースキャラ。
語尾が「~だねぇ」「~なのぉ?」といった風に、常に小文字になる。
ニアの相棒的存在で、常に行動を共にしている。
天性のマイペースさで、ニアの傍若無人な態度を軽く受け流すことができる。
彗星探査機スターダストは、史上初めて彗星サンプルリターンを成し遂げた輝かしい経歴をもつ探査機である。二○○六年一月十五日、彗星塵とよばれる微小粒子を数百万個、地球に持ち帰った。彗星塵の採取には、エアロゲルという特殊なスポンジ状物質が使われた。シリコン素材からなる、極めて低密度の多孔性物質である。この物質のクッション性が、時速数百キロメートルでぶつかってくる塵を蒸発させないで受け止めることを可能にした。そういった経緯もあって、スターダストちゃんは、クッションの質に並々ならぬこだわりをもつ。また、自分自身もクッションのように掴み所のない性格をしている。
趣味は枕収集。
好きなことは寝ること。 嫌いなことは寝るのを邪魔されること。
前世の彗星探査機スターダストは、一度だけ他の探査機に安眠を妨害された経験がある。
二○○六年にサンプルを届けたあと、探査機スターダストは太陽周回軌道上で休眠モードに置かれた。当初想定していた任務を完璧にやり遂げたのだから、当然の措置といえる。
休眠期間は一年、二年、三年と更新されていった。結果的に、異例の長期休眠となった。
二○一○年、スターダストはNASAから送られてきた四年ぶりのコマンドによって、目を覚ますことになった。コマンドの内容は、同期の彗星探査機ディープインパクトが探査したテンペル第一彗星に翌二○一一年に到着することを目指した軌道修正だった。翌二○一一年、探査機スターダストは実際にテンペル第一彗星に到着し、ディープインパクトのインパクターが残したクレーターの撮影に成功した。
探査機スターダストの来世として蘇ったスターダストちゃんは、ディープのことを、長きにわたる心地よい安眠を妨害した相手という風に位置づけていた。
「自分独自のミッションを新たに与えられるのなら、呼び起こされることに納得できたけど……他人のミッションの補完役を押し付けられるなんてねぇ……」
「マジディープ殺したい」
2035年現在、スターダストちゃんは毎日の枕投げを欠かさない。それは、自身の奥義である「秘技・枕投げ」を磨くためのトレーニングだった。秘技・枕投げでディープを狩る。それこそが、スターダストちゃんの夢なのであった。
彗星探査機スターダストの産みの親であるアメリカNASAと、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究者の間には、昔から交流関係があった。研究者同士の間で、各々の国の探査計画が頻繁にやり取りされていた。また、共同の探査計画が企画されることもあった。探査機スターダストが成し遂げた彗星塵サンプルリターンは、元をたどれば一九九○年代初頭に日米共同探査計画として練られていたものだった。それをある日突然、アメリカが自国単独で行うと発表したのである。その発表に、日米共同探査計画を進めていた日本側の研究者たちは衝撃を受ける。彗星塵サンプルリターン計画を失った日本側の
研究者たちは、「世界初のサンプルリターンをやるなら、もう小惑星を目指すしかない」と腹を決めることになる。そうして生み出されたのが、はやぶさだった。
そういうわけでスターダストは、はやぶさに対して負い目を感じている。
スターダストは、はやぶさに、彼女が大好きな小豆を詰めて作った枕をプレゼントしてあげようと、内緒で考えているのだった。




