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史実通りだと絶対に負けるので島津義弘と夜襲してみた。

島津義弘、鬼島津と言われた戦国有数の武将。

朝鮮では明の大軍を撃破し、このまま放っておくと明日の関ヶ原で敵中突破を成し遂げる予定だ。

できれば敵中突破する状況になってもらいたくないけど。

「義弘殿、ご用件を伺いましょう。」

と言ってしまって俺はヤバい!命の危険が!!と震えた。

つい現代で普通に呼ばれる名前で呼んでしまったが、それは諱という。

この時代本人を前に諱で呼ぶなんで侮辱の最たるものでその場で切り捨てられても文句は言えない。

「夜分にすまない。実はだな…」

ビクビクして子鹿のように震えている俺に対して島津殿は普通に話し始めた。

どうやらこちらが諱で呼んでも言葉の時代が変換されるのと同様、向こうには「惟新斎どの」とか

適切な名称で聞こえているようだ。

 

 なんもスキルなしか、と思っていたがこれは助かる。すごく助かる。

とりあえず怖い人達に無礼討ちされるリスクが減るだけでも助かる。

「内府に対して夜戦を仕掛けてはどうかと思うのだ。」

出た!関ヶ原前日の夜戦提案だ!!

 史実では石田三成が却下して実現しなかったと言われているやつ。

どうせ却下しても明日負けるんだからやってみようぜ。うまく行けば河越夜戦みたいに

相手の大将打ち取れたりして。

「殿!なにをニヤニヤしているので?」

はっと気づいて島津義弘に声をかける。

「それは名案だと思います。ぜひ貴殿の部隊と一緒に当家の軍勢も連れて行ってください。」

え?と言う顔をして島津殿がこちらを見た。そんなにあっさり乗り気とは思っていなかったようだ。


 早速島津家の部隊1500に石田隊から500を選抜した部隊を編成し、夜襲に出撃した。

チート能力はないが関ケ原の布陣大体のところは覚えているな。

意味なく黒田とか藤堂に突っ込ませず、目指すは家康の首である。

福島正則の隊の脇をすり抜けて松平忠吉の隊にから家康の本陣を狙うことにした。


 ふふふ。これで東軍は大混乱だろう。家康の首を獲れなくても面白いことにはなるだろう

…井伊直政蹴散らせば後は古狸に一直線だぜ。これで俺は北条氏康かそれとも劉秀になれるか。

明日の朝には関ケ原から綺麗サッパリ東軍が撤退しているかもしれない。

とウッキウキ気分で小躍りしながら寝ることもできずに待っていた。


 …数刻後、俺の前にはボロボロになった夜襲部隊の姿があった。

「もうしわけない。」

島津義弘が話し始めた。あれ?どうしたの?でも薩摩弁がこんなにはっきりわかるんだから

多分俺天からもらった能力あって結末の違う新しい並行世界作れるんだよね?

なんでこんなにボロボロな島津隊が目の前にいるの?

「予定通り松平忠吉隊を襲撃したのだ…しかし松平隊は明日の朝に抜け駆けするために

すでに軍装を整えて出撃寸前だったのだ。」

 つまり完全武装で用意の整った松平隊にそのまま、突撃。しかも立ちはだかったのは井伊直政?


「井伊の赤鬼にいいようにやられまして・・・」


赤備えの井伊隊はまさに赤鬼のようだったそうだ。井伊直政が「かかれぇ!かかれぇ!」と叫びつつ

突撃してきてトラウマに、ってそれうちの左近の明日の役割やん。

「次々と井伊隊に打たれましてどうにか逃げてまいりました…」

涙ぐむうちの隊の生き残り。井伊にいいように、ってなにそれ洒落?

襲撃することはバレてなかったものの、相手は用意万端。しかも松平隊と井伊隊合わせて6600。

こちらは2000。兵力差でも散々にやられた上に、逃げるときに通る途中で気づかれた福島正則にも

襲われて、目を覆うばかりの惨状に。

まさに泣きっ面に蜂。島津隊は500人、うちの出した部隊なんて30人しか帰ってこなかった。

むしろ島津隊はそれだけ帰ってきてすごいっちゃすごいのだが。

 しかしどうするのよこれ。もしかして夜戦止めた史実の三成さんって正解だった?

 「作戦認めてくれた三成殿には感謝いたす!

この島津義弘、豊臣家と石田三成様のために死ぬ気で戦うのを誓う!」

 戦国最強の一人から心強いお言葉をいただきました。が、事態は全く改善してませぬ。

 こうなっては明日の会戦は避けられない…。

 自陣に帰る島津義弘を見送って俺は思案して、次の手を打つことにした。


「左近!俺は松尾山にいくぞ!」

俺は明日の会戦のキーマン、小早川金吾秀秋殿に会いに行くことにしたのだ。

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[気になる点] ウッキウキ気分で小躍りしながら根付くこともできずに待っていた。 寝付くでは?
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