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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

彼女のために彼女を殺す

作者: 聖士狼

タイトルにある通りになるためのプロローグ的な話を書いてます

苦手な方は他の作者のいい作品を探してみてください

ちょっと気になったといった方はどうぞご覧くださいませ。

※作者の表現力では問題とはならないと思いますが人の死に関することが書いてあるので作品と現実の区別はしっかりとつけるようにお願いいたします。

この物語はフィクションであり決して殺人を助長するようなものではございません

ご理解をお願いいたします。

「悪いな」


ボイスチェンジャーでしゃがれた声でそんなことをつぶやきながら目の前の血だまりへ倒れこむ女の子を見つめる。

手には血に濡れた包丁を持ち、返り血のついたマスクと体格のわかりづらい服装のフードをかぶった恰好の自分



たった一人の大切な人、もう何度目になるだろうか彼女を殺すのも。












そうして目が覚める

学校へ向かう支度をしてチャイムが鳴り続けている玄関へ向かう


「おはよう」


そういって笑顔を見せる彼女に促され学校への道を向かう

今日も彼女の生きている(・・・・・)日常が始まる




そしてまだ彼女の夢は続く












☆十年前






夢を見た






ーーー夢を見た






ーーーーーー夢を見た






ーーーーーーーー夢を見た






登場人物はいつも同じ

人が死ぬ夢だ


別に何があるわけでもなくただただ俺の夢に登場してくる人が死ぬ夢だ

どんな死に方でもする


交通事故にあったり

飲酒運転や居眠り運転をしている人の不注意での事故

病死だったり手術による失敗だったり、強盗、通り魔的殺人

などなどいろいろと見た


はっきり言って夢であれば全く問題ないと思っている。

夢は記憶の整理や、願望の現れであるなどの説もあるがはっきりしたことが分かっていないのが現状だろう。


人が亡くなる夢でも十分おかしな話だが、もっとおかしな点があるとすれば亡くなる人間がいつも一緒ということだ。

そこに登場する人間が様々な死に方をする。だがたった一人の同一人物。

その人が亡くなったところで自分の意識が覚醒し現実で目が覚める。


そんな夢が何度も続いた。


何度も




何度も何度も




何度も何度も何度も




いつからか夢の中でもここが夢であるという確信を持つようになった。

いわゆる明晰夢という奴だ。


そんな日が何度も起こる


ある程度の法則としては一日一回の夜の就寝中であること。

夢の中の登場人物が死ぬことで目が覚めるということ。

この時、死ぬ人間はいつも同じだが死に方に法則性はないということ、二日連続で事故なんてのもあったし一日ずつ変化していったこともあった。


そんな夢だ。


だがある日出てくる登場人物が死ぬことはなく、生きていた。


それならそれでよかった。

その後普通に目が覚めたし。


それから数日夢を見ることもなくいつも通りの日常が戻りふとテレビを見た。






ーーーーー呼吸が止まった


驚愕した。


映し出されていたのはニュースの死亡事故

表示されていた顔は俺が夢で見ていたいつも死んでいた人物だった。


死亡推定時刻は俺がその人物が生きた夢を見た夜の次の日だ。


頭には疑問符が浮かぶ


だが偶然なんてこともある

そう思いつついつも見ている夢が終わったことに喜びを感じていたためいつの間にかそのことは忘れていた。

頭の片隅に残る違和感を無視して。






それから一月後



夢を見た






ーーー夢を見た






ーーーーーー夢を見た






ーーーーーーーー夢を見た






登場人物はいつも同じ

人が死ぬ夢、死ぬ人間はいつも同じ

人が死ねば現実で目が覚める


またかと思った。

だが特に何もすることはなかった。


その夢が数日目になったとき死ぬまでの時間が暇になり夢の中でできることを確認してみた。


イメージしたものが生み出せないか確認をおこなったり、歩行や走行の速さ、夢の世界のコンビニのお菓子を食べてみたり

空を飛んでみようとしたり、親の使っている車が気になり運転できないか操作してみたり、いろいろやった。


言ってみれば、基本的には現実の世界と同じということだった。

だが、イメージしたものが生み出せないか行った時にはある程度の物であれば問題なく生み出せた。

巨大怪獣や変形ロボットのようなSFや魔法を出してみたりなどのファンタジーなこと、建築物を目の前に生み出すなどの行為は行えなかった。

だがファンタジーの中でもイメージした場所へのテレポートはできたり、小物などを生み出すことは可能だった。


そうして検証をしているうちに夢での登場人物が生きる夢を見た。

やっとこの夢ともおさらばできると思ったーーーーいつかに生まれた違和感は残ったまま。



そして次の日、特に何もなくいつも通りの日常だった。


横断歩道の赤信号、ふと近くにいる人間が気になりだした。

目を向けるとそこにいたのは夢で見ていた人物だった。


安堵した生きていると思った。

結局あの時の夢との一致のような現象は偶然だったのだと前回の夢の終わりを思い出しながら思った。


信号が青になり進む、危ないという大きな声が聞こえると父に横断歩道から引っ張り上げられた。

夢の登場人物はまだ横断歩道にいる。



まばたきをした。







目の前で人がトラックにひかれ飛んで行った。血が飛び散り頬に当たった。


けたたましい音とともに車が壁にぶつかり周囲にいた人たちが騒ぎ始める。

いくつものこえが重なり何を言っているのか聞き取ることはできなかった。


そんなことよりも頭の中で何かが合致するような気がした。











ーーーーーーーーーー夢の中で生きた人間は現実世界で死ぬ









そう結論を出すと同時に頭の隅にあった違和感がなくなった。






その後数年間は何もなかった。

夢を見ることもなくただただ数年過ぎていった小学生も高学年になり体も少しずつ成長してきた。

まだまだ成長すると信じたい。

そんな事を思いながら今日も一日を終える。

































夢を見た






ーーー夢を見た






ーーーーーー夢を見た






ーーーーーーーー夢を見てしまった






登場人物はいつも同じ

人が死ぬ夢

だが今回は少し毛色が違った。


出てきたのは見知った人物、見知ったというよりはむしろ最も近しい人()


両親だった。



何もできなかった。

死を見届けることも、自分から相手を殺して夢を終わらせることも。




何もできなかった。

何度も同じ夢を見る

朝を迎えた時に両親の顔を見て安心して夜に同じ夢を見る




そうして何を思ったのか夢の中の両親に話しかけようと思った。

現実の両親と同じように笑顔で迎えられ話をした。



何度目かにしてとうとう両親の死ぬ姿を目にした。


この日はどこか安心して次の日を迎えた。


だって今までのことから言えば夢の中で死んだ人間は現実では何も起こらないということなのだから。




次の日は珍しく両親とも家におり自分も学校が休みだったのでお出かけをしようということになり簡単に計画をたて急いで支度をして車に乗り込む。

両親共働きで夜は家にいても出かけることがあまりできないので楽しみで仕方なかった。

夢でも両親が死ぬ姿を見ていないので安心していられなかったというのもあり今日は大丈夫だと思い今日を思いっきり楽しもうと決める。



両親も車に乗り込みとりあえずあそこに行ってみようなんて話をしながら車を走らせる。


一通り楽しんだ後の帰り道ーーーーーーー
















目が覚める。

痛い。

とにかく体が痛い。

そして見知らぬ天井の蛍光灯が目に入る。

耳に聞こえるのはピッピッという規則正しい電子音。



ぼーっとしている。頭がはっきりしない。


すると


先生、目が覚めました、そういって駆け出していくナース姿の女性の声と姿を確認する


わからない。



耳にはピッピッという規則正しい電子音だけが聞こえる。


すると医者らしき妙齢の白衣を着た女性がペンライトを目に当てたり、いくつか質問をしてくる

答えようとすると目が動くようなら瞬きで反応してくれればいいといわれたのでいくつかの質問に瞬きで返事をする

名前、年齢、所属する学校、住所などなど。

自分は1週間意識が戻らなかったらしいということも知った。




そして数日がたちまだ痛いがある程度には回復してきたころ。

ふと気が付いた。


両親の姿を見ていないし聞いてもいない。


気が付いてしまえば動かずにはいられなかった。

痛む体に無理をして上体を起こし体についてる機器を面倒なのではずしてしまい履物もはかずに裸足で部屋を出る。

ピーという耳障りな音が鳴っているが無視をする。



どこに向かっているのか自分でもわからない。ただ行動をしなければならないとなんとなく思っていた。


体が痛い


一歩


痛い


一歩




ゆっくりだがあてどなく病院内を歩く。

目当ての人物たちは見つからず、ただ歩く



そして足がもつれて転び受け身も取れずに倒れこむ

痛い。


まだ見つけていない、探さなくてはいけない。

その人たちを見つけなくてはいけない。


力が入らない、痛い。


だが、まだだ。見つけてない

だから、だめだ探せ


そう思うが、もう一歩も踏み出すこともましてや動くこともできなかった。



そうしてバタバタとした足音が聞こえてきて話し声が聞こえ連れていかれる。

目が覚めたのはここ数日見続けてきた天井。


確認しに来た看護師がまたどこかに行くと初めに目の覚めた時にあった医者の女性と一緒に戻ってくる。

いくつか小言を言われた




そんなことはどうでもいい!!!


話の途中だったが白衣をつかみ声を絞り出す。



ーーーーーーー父さん、母さんは?



その一言ですべての音が亡くなったかのように静かになった。


自分ではわからなかったがこの時の顔はとても怖かったと一緒にいた看護師の人に言われた


数秒が数時間にも感じられる間があった後たった一言



ーーー亡くなった。



そう伝えられた。

その言葉は頭に入ってこずにただただ耳をすり抜ける。

つかんでいた白衣からするりと手が抜ける


わからない

わかりたくない

ただ、目元から流れ続ける涙だけが時間が進んでいることを知らせる。





それからある程度歩けるようになると両親の葬式が執り行われた。

涙も声も出なかった。ただただ両親の入った棺を眺めていた

いろいろな人がいろいろな言葉をかけてくる、中にはなにも感じないのかと怒鳴ってきたり気味が悪いといっている人もいたが全く何も感じなかった。


亡くなったのは出かけたあの日

飛び出してきた人を避けるようにハンドルを切ったところ滑って横転した

横転した場所が悪かったようでそこに別の車が突っ込んできてしまったようだった。

突っ込んできた車のドライバーなどはある程度の傷で大丈夫だったようで飛び出してきた人も無傷だったようだ。


飛び出した人間は誤りに来たがこっちから何か言うことはなかった。

ただただ、見つめていると土下座をしてきたが何も感じなかった。


考えた、なんで死んだのか、夢の世界の両親は確実に亡くなったし、法則的に言えばそれで現実の両親がなくなることはないはずだ。

そこで思いついたのが、自分が夢の人間に話抱えたこと、そして認識されてしまったことが問題なのではないかと。

仮説だがなんとなくそれで正解なのだろうと疑わなかった。



そして葬式も終わる。

そこで隣を見ると見知った女の子が一人いる。

赤くなった目でこちらを見ている彼女は近所の女の子で昔から遊んでいるいわゆる幼馴染の女の子で両親とも仲が良かった子だ。


黙ってこちらの手を握ってくる。

握られて初めて気が付いた。

自分は手を握り締めて伸ばしっぱなしになっていた爪が刺さって血が出ていた。

痛みに気が付いたときに手の温かさを知った。


思い出したともいえる。


何かが頬を伝う

涙だった。

いつぶりだろうかちゃんと涙が出るのは。

声を押し殺して震えていた。

自分を抱きしめてくれている彼女の人の温かさを感じながら、包まれた手だけは離さないように握り返して泣いていた。





それから数年後、高校生になった。

あの夢はあれから何度か見たが知り合いが出ることもなく、特に何もすることはなく検証だけを続けた。

自分の親権は叔父叔母夫妻のもととなったが放置状態で金だけは入れてくれてあったり遺産の関係などもあり困ってはいない。

高校に入ると引越しを決め、通える範囲の学生用賃貸で生活している。


学校に向かう支度を終え玄関を出ると


「おはよう」


そういって幼馴染の彼女は笑顔を向け速くいこうと手を引っ張るのでついていく。

付き合っているわけではない。

告白もする気はない、でも彼女だけは失いたくないと心に決めながら



































夢を見た






ーーー夢を見た






ーーーーーー夢を見た






ーーーーーーーー夢を見た



いつものか、そう思いながらいつも通りの検証を始める。

そろそろかなと思い今回はどんな人の夢だろうかと死ぬ姿を確認しに行く。

誰がどこにいるかは大体わかるようになってきていて、迷うことなく歩を進める。


ちょうど目の前の学生服を着た女性が刺されて死んだ。

もう慣れたことだ。だが少し気分が悪くなった

理由としては着ている学生服が自分の学校の物だったからだ。


気になったので近寄っていくと嫌な予感がした。

背格好が彼女に似ているとそう思った。

そう思った時にはもう駆け出していた、目が覚めるまでもう時間がない。

誰かだけでも確認しなければならない。


駆け寄り血だまりの中にいる女の子の顔を確認する


そして目が覚める











夢の中で見た顔を思い出しながら決意を固める











ーーーーーーーーーーーーーーー絶対に彼女は死なせない。








夢は終わらない

ここまで読んでくださっていたらありがとうございます。

思ったより数倍しょぼいと思いますがそれは申し訳ございません

これに関しては続きは考えておりません

再度お願いいたしますが

この物語はフィクションであり決して殺人を助長するようなものではございません

ご理解をお願いいたします。

またどこかでお会いできるとよいなと思います

では今回はこれまで。

失礼いたします。

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