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第2話
3日目の朝。起きた僕は異変を感じた。
周りがやけに騒がしい。絶対に部屋から出るな。と館内放送があった。不審者が入り込んだりしたのだろうか。
すこし気になったのでスマートフォンを手にとってネットで検索しようとした時、メッセージアプリから通知がきた
大丈夫か?
母親からだった。ある治験施設で治験を受けていた人が死んだらしい。
まさか。自分の体を見つめる。異変はない。
急いでテレビをつける。
スポーツのニュース中だったキャスターの顔が
厳しく変わると緊急ニュースが入ったと言った。
某治験施設で死者が出たという内容だった。
テレビ画面いっぱいに映されたその建物は
まさに3日前に僕が足を踏み入れたものそのものだ。カーテンを開くとカメラを持った記者らしき人たちの群れが門の外に見えた。
大丈夫かよ。僕は自分に言い聞かせるかのように呟いた。ギュッと心臓が締め付けられる
不安からなのか、薬の副作用なのか。
僕にはわからなかった。