プロローグ
プロローグ
渡広人、十九歳、新卒社畜。
高校卒業して、就職して、俺は社畜として仕事のために生きている。
休みは、日曜だけ。
土曜日は休日出勤が当たり前である。
ある土曜の夜、俺はゲームをやりながら急に意識を失った。
次に目が覚めた時に、女の子で見た目は十七か十八歳位のキレイな金髪をした天使がイスに座っていた。
「俺は、死んだんですか?」
「はい。あなたは働き過ぎて過労死してしまいました。」
仕事をやり過ぎて終わった人生。
絶望している俺に、天使が話しかけて来た。
「あなたは、この後地獄に行くか、異世界に行くかのどちらかです。どちらにしますか?」
天使は、同情した顔で聞いて来た。
「あの〜天国いけないんですか?」
俺は、さり気無く聞いてみた。
「あなたは、今までの人生で全然いい事してません。人の役にたった事がないんですよ。」
天使は、申し訳なさそうな声で言った。
「すいません。一応仕事してたんですけど。」
俺だって、仕事で少しは人の役にたってるはずだ。
「人が仕事をするのは当たり前であって、それを人の役にたつと言えないんです。他の事で人の役にたった事ありますか?」
過去を振り返ってみたけど、特に他の事で人の役にたった事は無い。
「特に人の役にたった事無いです。」
天使は、苦笑いをしてた。
「あなたは、これから選択をして貰います。地獄に行きますか?それとも異世界に行きますか?」
「異世界に行くと俺は、どうなるんですか?」
「魔王を倒して貰います。魔王を倒せば、天国に行けます。」
「本当ですか?」
「はい、それから日本でまた人生やり直す事もできます。」
「俺、異世界に行きます。地獄なんて絶対に行きたくない。」
「わかりました。これから異世界に行って貰います。後この魔剣を持って行って下さい。」
とても強そうな形をしてる剣を持たされた。
「この剣、異世界に持って行って良いんですか?」
「大丈夫です。これから行く異世界は、とても大変な世界です。魔剣があれば多少は楽になると思いますよ。」
魔剣をくれるなんて優しい天使なんだろう。
「これから異世界に転生しますね。」
天使の足元に魔方陣が出来ていた。なんか呪文を言ってる。
その何秒か後に俺はまた意識を失った。