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【コミック&書籍発売中!!】奴隷に鍛えられる異世界生活【2800万pv突破!】  作者: 路地裏の茶屋
第七章:恋人の街編【向き合う心と穏やかな誓い】

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第二百話:【聖女】桜木 叶のステータス

「私はこまめに、自分のスキルチェックしていたから、奴隷としての状態の方が気になるかも」


「……絶対に【転移者】には見られないようにしてね」


 【宴会芸人】に追加で、どんなあだ名がつけられることやら。


「真也君は、他の人には見せない主義と……メモメモ」


「しなくていいからっ!」


 とか馬鹿やっているうちに、頭に当てた鑑定紙に文字が浮かび上がる。


――――――――――――――――――――――――

名前:桜木 叶 (さくらぎ かなえ)

性別:女性 年齢:17 

クラス▼

【神官LV.65】

【聖女LV.59】


スキル▼

【神官】▼

 【光玉LV.50】【聖句LV.30】【防護LV.30】


【星魔法(回復・付与)】▼

 【星癒光LV.60】【星涙癒光LV.55】【星涙大癒光LV.33】

 【星涙纏光LV.39】【星解呪LV.31】【導眠星灯LV.20】

 【星女神の竜舞LV.8】【星守竜歌LV.10】【星光竜鱗LV.3】


【星魔法(浄化・結界)】▼

 【星光壁LV.40】【破邪の星壁LV.38】【星方位結界LV.30】

 【星光清祓LV.33】【星涙光の浄化域LV.22】【星光の祝福LV.15】


【星魔法(戦闘)】▼

 【星矢LV.41】【星兎LV.50】【星涙光鎖LV.20】

 【流星雫LV.38】【星竜光輪LV.1】


【聖女】▼

 【星魔法強化LV.18】【クラス経験値増加LV.40】【回復強化LV.50】

 【女神の祝福LV.65】【星女神の祈りLV.27】【回復強化LV.50】

 【自己快癒LV.56】【花竜の加護LV.不明】

――――――――――――――――――――――――


「……スキルが多い」


「感想が雑っ!? 結構見るところあると思うよっ」


 なにこれ、僕の倍位あるんじゃないか?

 これが本来の【転移者】なのか……そりゃあ【愚道者】が軽視されるわけだわ。


「意外とレベルが低いのですね」


「だべ。もっと高いのかと思っていたべ」


「そういやそうだな。他の【転移者】はもっとレベル高いのかと思ってた」


「このくらいじゃないかな。パワーレベリングでは40レベル台まではスムーズに上がるけど、そこから先は自分で戦わないと結構苦しいし。私は【聖女】だから、教会が危ない目には合わせられないからって、戦いの場所からは距離を離されていたの。安全な場所で回復をするだけだから、レベルアップが他の【転移者】よりは大分遅いと思う。千早ちゃんとかは、独自に鍛錬していたみたいだけどね。私から見ても真也君達は強敵と戦っているし、バリバリにダンジョンを攻略している【転移者】と同等のレベルだと思うよ」


 まぁ、普通に考えて教会の象徴的な存在を前線に出さないよなぁ。

 範囲回復あるなら、所定の場所で一斉に回復した方が良いだろうし、【聖女】を囲いたい教会としては、なまじレベルを上げられるのは困ると考えていたのかもしれない。

 それにしても、パワーレベリングで後れを取っていたレベルアップで他の【転移者】に追いついていたのは嬉しいな。


「なるほど。えと、僕等バリバリ危ない感じだけど大丈夫?」


「望むところだよ。むしろやっと冒険できるから楽しみ。いっつもバルさんが見張っていたから窮屈でしょうがなかったよ」


 楽しそうに杖を取り出す叶さん。むしろこれまでは我慢していたんだろうな。

 それを抑えていたバルさんの苦労が伺える。これから僕が彼女を抑える役目に……多分無理です。


「他には【星女神の竜舞】のように、竜の名が入ったスキルがありますね。これはご主人様と奴隷契約をした成果かもしれません」


「この街で、騎士達と戦っていた時もバフの効果が上がっていたと思う」


「スキルのレベルが低くなっているし、変化して上位のスキルに変わったってことで間違いないと思うよ。後は知らない戦闘系のスキルがあるかも【星竜光輪】? ちょっと中庭で撃ってみるね」


 そう言って外へ出ようとする叶さんのローブを引っ張って止める。


「いやいや、流石に魔術は不味いよ。この街を出てから周囲に人がいない所でやろう」


 広範囲な攻撃とかだったらどうするんだ。【勇者】のスキルを見たことがあるが、あのレベルの攻撃なら家が消し飛ぶぞ。


「【聖女】は攻撃が苦手なジョブらしいから大丈夫だよ……ダメ?」


 可愛く言って、唇を尖らせる叶さん。いやいや、嫌な予感しかいないぞ。


「ダメ、今度安全な場所でしよう」


「それがいいですよカナエ」


「むー、じゃあ次は状態を鑑定してもらおうかな?」


「え? なんで?」


「だって、私も真也君の【奴隷】なんでしょ? 見ておきたいじゃない」


 と言ってくるので、鑑定紙をもう一度頭に乗っける。


―――――――――――――――――――――――


名前:桜木さくらぎ かなえ

性別:女性 年齢:17

状態

【専属奴隷】▼

【経験値共有】【命令順守】【位置捕捉】

【竜王と女神の約定】


――――――――――――――――――――――――


「クッ……上級奴隷じゃない」


「いや、そこ悔しがっちゃダメでしょ」


 一応、君は学校では清楚系で通ってたんだから。


「ふふん、オラは上級だべ」


「ボクもじょうきゅうー」


 フクちゃんとトアがハイタッチをする。いや、そこで競われても僕は気まずいんだけど……。


「グヌヌ、人生でこんな悔しいことがあるなんて……」


「私も、私も早く鑑定をしてください。一番奴隷なのでっ」


 ピョンピョンとファスが跳ねながら手を上げる。


「そこで、マウント取り合うのやめなよ……」


「まぁ、冗談だべ。カナエはまだ旦那様と契約してから時間が短いってだけだかんな」


「いやいや、真也君これは結構大事なことだよ。特に私なんて、無理やり契約とか迫られることもあるから……ってあれ? 【竜王と女神の約定】、なにこれ?」


 叶さんが指さす鑑定紙の最後、そこには確かに見慣れない文字が書かれていた。


「本当だ。何か意味深だね。竜王……って多分三大竜王のことだよな」


 ファスも鑑定をねだるのを止めて、鑑定紙を眺める。


「女神と竜王には何か関係があるのでしょうか?」


「旦那様とカナエが奴隷契約を結ぶことが何かの条件になっている。とかあるだかな?」


「女神と竜の関係か、うーん、ここでまた謎が増えたけど……。一つわかったことがあるよ」


 そう言うと、叶さんが僕の腕を抱いてファス達に向き直った。


「ん、叶さん!?」


「私と真也君が特別ってことだよねっ。ふふーん」


「「「……」」」


 すっ、部屋に冷気が満ちる。

 アカンやつですこれ。


「カチーンなの」


「群れの序列をわからせるべ」


 いや、トアは絶対楽しんでいるだろ? 叶さんも悪ふざけだし。

 ここは、話を進めて……。クイっと服が引っ張られる。

 横を見ると、フードからわずかに見える瞳を濡らして……というか半泣きでファスが袖を引っ張っていた。


「グス……私、一番奴隷なのに……グス……」


「わぁああああファス。何も泣かなくても」


「ち、違うのファスさん。これは悪ふざけで――」


「泣くこたねぇべ。ファス、ほら旦那様に鑑定してもらうだ。な、群れの序列はファスが一番だべ」


「いいこ、いいこ」


 泣く子には勝てぬ、と全員でファスを宥め、鑑定をするのだった。

というわけで本編二百話でございます!!ありがとうございます。そしてもう一つ、当作品のPVが三百万を突破しましたあああああああ。パチパチパチ。

ありがとうございます(土下座)。これもひとえに、ランキングにもあがらないこの作品を掘り起こしてくださった。皆様のおかげです。本当に嬉しい、嬉しい……。

これからも真也君達の旅を見守っていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。


そして、もしよろしければブックマーク&評価をしていただけると作者が喜びます。

感想も一言でもよいので気軽に書き込んでいただければモチベーションが上がります。

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