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【コミック&書籍発売中!!】奴隷に鍛えられる異世界生活【2800万pv突破!】  作者: 路地裏の茶屋
第六章:砂漠の歓楽街編【竜の影と砂漠の首魁】

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第百三十一話:転移者の【ジョブ】と狩り場の謎

 二人と一緒にテントに戻る。結構時間も経っているので、その辺を気にしながら狩り場について聞こうか。

 遅れるとファスに怒られそうだし。

 テントでは椅子に案内され、コップを前に置かれる。


「どうぞ、これあたしが入れたお茶なんだよ」


「ナナは料理の腕はあれだけど、お茶に関しては結構いけるぞ」


()()って何よ!? まぁいいけどさぁ。クッキーもだすねー」


 おおぅ、何か目の前でいちゃつかれているのを見るのは新鮮だ。

 僕等も他からはこんな感じに見られているんだろうか。

 ちなみに、お茶はハーブティーでした。錬金術だっけか? 魔法陣が描かれている水筒に入ったものをコップに注いで出していた。

 あれ、便利だなぁ。トアに言って今度買いに行こうか。


「ズズッ。結構なお点前で、ところで『狩り場』についてなんだけど?」


「それか、ぶっちゃけ俺もよくわからないんだよな。ただ効率的にレベル上げができる場所があるって、俺を召喚した貴族に言われて来ただけで……」


「あたしは、マー君と一緒にいるってだけ。レベル上げして元の世界に戻るダンジョントレジャーを探したいってのもあるけどね」


 二人とも、レベル上げが目的でこの街に来たみたいだ。

 そういや、忘れていたけど。元の世界に戻るアイテムってあるんだっけか。

 

「話では、『狩り場』のせいで冒険者の仕事が管理されてるらしい。なんであの場所に魔物が集まってるのかわからないかな?」


「それは、一応説明されたよ。ねっ? マー君」


「そうそう、なんか、【スキル】を使って魔物を集めているとか。張本、吉田、鹿島、この三人のスキルは昔の転移者でも重宝されたっていう、魔物を操ることに長けた【ジョブ】って聞いたぞ」


 過去に実績のある【ジョブ】だったのか。闘技場で見た三人だよな?


「具体的にはどんな、【ジョブ】なんだ?」


「ええと、どうだっけ?」


 将司が首を傾げる。


「【扇動者】【幻魔術師】【魔獣使い】だよ」


「それだっ!」


「普通にここ来るときに、あたしらのパトロンに説明されたじゃん。マー君馬鹿なの?」


 小さな口で、クッキーを食べながら七瀬が突っ込みを入れる。

 

「うっせ。とにかく、その【ジョブ】で魔物を集めて、弱らせて一方的に殺すわけだ。さっき俺達が壁の上で攻撃していたみたいにな」


「三人はここにはいないみたいだけど、【狩り場】が機能しているのは、何かあるのかな?」


「わからない。今思えば、意図的に俺達にはそういうの見せないようにしてんのかもな、ナナは何かわかるか?」


「私もわかんない。ただ【直感】ではあの壁そのものになにかあるのかも?」


 やっぱ、あの壁が怪しいのか。途中のスタッフが言っていた『撒き餌』ってのも気になるしなぁ。


「わかった。この後用事もあるし、僕はもう行くよ。色々教えてくれてありがとう。さっきも説明したけど、この街は結構ヤバイ状況だから、できれば早く逃げた方がいい」


 お茶を飲み干し立ち上がる。ナルミとヒットさんに合流しないといけないな。


「まさか上の闘技場では殺し合いがおこなわれているなんてな、物騒な話だ。あっ、そうだ。葉月とは結構会う機会多いんだけどなんか伝えることあるか?」


「あー、そうだな……。交易の町ってのがあると思うんだけど。そこのギルドマスターを通せば僕と連絡とれるかもって伝えてくれ」


 心配させているようだし、一回会いたいけど今はこの街のことの方が先だ。


「わかった、伝えとくぞ。じゃあとっととずらかるか。大変そうだが、真也は『スキル無効』のチート【ジョブ】みたいだし大丈夫だろ」


「いや、そんなんできないけど……」


「なんだよぉ、お前友達にも秘密なのか?」


 全然信じてくれないなぁ。

 まぁ説明するのも時間がないし、今度あった時にでもゆっくり話せばいいか。


「マー君、今【直感】したんだけど。街を出るなら早い方がいい気がするから、さっさと出ようよ」


「そうなのか? わかった。一応他の転移者にも声かけとくか、じゃあな真也」


 二人に挨拶して、警戒しながらテントを出る。

 さて、ナルミ達に合流したいけどどうするかな? あの砦のような『壁』にも興味あるけど……。

 というか、今地下にきてからどれだけ時間が経っているのだろう?

 周囲は砂ばかりだし、ここに居ると時間の感覚がおかしくなるな。

 ナルミを探しながら、壁の方へ戻って行くと上から気配が、見上げるとヒットさんが壁を蹴りながら【ステップ】で跳んで来ていた。


「見つけたわよっ。大丈夫だったようね」


「はい、大した情報は得られませんでしたけど……というか【ステップ】ってそんな使い方もできるんですね。ほとんど空を飛んでるじゃないですか」


「慣れが必要だけどね。フゥ、人目に付かないように移動するのは疲れるわね。索敵の罠も結構あるようだし、地図が無いと厳しかったわ」


 なんかそんなこと言っているけど、今恐ろしい速度だったぞ。

 僕の【ふんばり】でも同じようなことができないもんかな?


「ナルミはどうしたんですか?」


「闘士達の様子を調べているわ。どう見ても様子がおかしいもの」


「……ヒットさんは、あの闘士達から出る黒いオーラは見えましたか?」


「ギルドで説明してくれていたオーラのことね。先程『壁』で見た闘士達からそんなオーラが出ている様子はわからなかったけれど、そういうからにはヨシイちゃんには見えていたのね」


 やっぱり、ヒットさんには見えてなかったのか。将司達に気を取られていたとはいえ、あの時確認すればよかったな。


「てっきり見えているのかと思っていました。さっき見た闘士からはオーラが出ていました。地下で子供達が苦しんでいた呪いによく似たものです」


「なるほど……もしそのオーラが呪いによるものなら、聖職系の【ジョブ】でないと見えないのかもしれないわ。なんでヨシイちゃんに見えるのかわからないけど」


 もしかして【愚道者】の【ジョブ】が聖職系のジョブだったりするのだろうか?

 到底そうは感じないけどな。

 

「それなら、叶さん……【聖女】ならもっとわかることがあるかもしれません」


「そうね、じゃあナルミと合流して。一旦戻りましょう、そろそろ夜会の準備もしなきゃいけないしね」


 バチコンッとヒットさんがウインクをする。鳥肌が立ちそうだ。


「準備ですか? 僕は闘士としてなんで、適当にマスクを被ればいいかなぁと」


「馬鹿ね。せっかく、敵の懐にいくのよ。相応しい恰好があるでしょう」


 ヒットさんは不敵に笑みを浮かべていた。

 ちなみに、その後すぐに合流したナルミは……。


「まったく、あんな風に行かれると困るだろうがっ!」


 と開口一番に怒られました。どうやらちょっとは心配してくれていたみたいです。

 まだ『壁』のことだったり、三馬鹿達の【ジョブ】だったりで色々気になるけど、今日の所は引き上げるか。 

更新遅れてすみません。長くなってしまい途中で一旦分けて投稿します。

なので次はわりとすぐ投稿できると思います。


ブックマーク&評価ありがとうございます。モチベーションが上がります。

感想&ご指摘いつも助かっています。感想が本当に嬉しいのです。頑張ります。

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― 新着の感想 ―
[一言] 将司くん人の話聞かないな……。まあ、いつかほんとに素手でスキルを潰されたと知って落ち込めばいいさw
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