表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミック&書籍発売中!!】奴隷に鍛えられる異世界生活【2800万pv突破!】  作者: 路地裏の茶屋
第六章:砂漠の歓楽街編【竜の影と砂漠の首魁】
127/516

第百十九話:忘れてた。

 トアが作ってくれた朝食は、砂海産の魚(のような虫らしい)を使ったもので、朝からガッツリ食べる僕等でも満足できる量だった。

 

 フクちゃんは、少女の姿でご飯を食べた後、すぐに蜘蛛の姿に戻って地下の職人達の元へ向かった。

 作りたいものがたくさんあるようだ。

 

 僕とファスは服装を整えて……まぁマスクに砂漠仕様のマントなんだけど。

 端からみたら、フェイスカーテンを付けたファスにメキシカンなマスクマンなわけで、かなり怪しいだろうな。

 着替えて部屋からでると、目の下に隈を作ったアナさんがいた。

 

「ふわぁ、おはよう……」


「おはようございます。眠そうですね。疲れを引き受けましょうか?」


「ご主人様は、これから闘技場へ行くのですから、止めてください」


 ファスに釘を刺される。


「大丈夫。ふわぁ、……昨日の聖女さんのお話を聞いて策を考えてね。うーん眠い。ファスさんは今日も私と特訓だから、このままヒットの……ギルマスの部屋へ行くわ。それでヨシイはこれから闘技場? なのよね。こっちでも動きを把握はしているけど、一応この手紙をあなたのオーナーになっている小人族に渡してちょうだい。それとこれも」


 そう言って蝋印がしてある封筒となんの印もしていない折りたたまれたメモを渡してきた。

 メモにはなにか食料品が書かれているようだ。


「印があるほうは、小人族に。もう一つは、聖女さん達に渡してね。【紋章士】なら()()()と読めるようにしてるから」


 どうやら、暗号のようだ。中森さんのジョブなら読めるようにしているのか。


「わかりました。じゃあファス、行ってくるよ」


「はい、行ってらっしゃいませ。ご主人様」


 姿勢を正してファスが礼をする。これまでも礼儀正しかったけど、今日は一段と……なんていうか綺麗な姿勢だ。ちょっと見とれてしまう。


「どうかしましたか?」


 小首を傾げられる。


「いや、姿勢がいいと思って。」


「ふふーん、ファスさんは筋がいいのよね。基本は一日でバッチリだったわ」


「嬉しいです!」


 ウンウンとアナさんが頷く。これも特訓の成果なのだろうか?

 姿勢が良くなるということは、やはり武術の特訓かな? アナさんとヒットさんに直々に指導してもらっているに違いない。魔術師もやっぱり体が資本だもんな。体を鍛えて損はない。ビバ筋肉。

 一人納得していると。


「うん、なんか勘違いしている気がするわ」


 アナさんに呆れられた目で見られ。


「ご主人様ですから」


 ファスはなぜか嬉しそうにそう言った。

 おっと、そろそろ行かないと不味いな。


「じゃあ、行ってきます」


 そう言って、窓から外へ飛び出す。


「あっ、ご主人様」


「ヨシイっ!」


 ん? 今呼ばれた? まぁ、飛び出したものは仕方ない。人目に付くのは不味いのでマスクの上から布を巻いて。ギルドの前をつっきる。周囲の冒険者達もおかしな恰好をしている者もいたためか、あまり目立たたずギルドを出ることができた。まぁ、ギルマスからしてモヒカンだしな。


 そのまま走ってホテルに行き、【ふんばり】壁を登って上の階へ。

 窓に鍵がかかっていたが、薄い窓なら【掴む】で窓の反対にある取っ手を捻ることで鍵を開けられる。

 【掴む】の範囲も大分増えたな。限界まで伸ばせば指先から30㎝ほどは魔力で掴む範囲を広げることができる。考えてみれば、手よりも大きいオーガの頭とか握りつぶしてたもんな。


 ……なんだろう。自分がどんどん犯罪者としてのスキルを完成させてしまっている気がする。

 窓から、入るとボルテスさんとナルミが机で何か作業をしていた。


「お前なぁ、ここ5階だぞ」


「ど、どうやって……」


 ボルテスさんに呆れられ、ナルミにはドン引きされていた。


「すみません。入り口まで来て、どうすれば部屋に戻れるかわからなくて」


 受付にこの格好で上の階に行きたいと言っても悪目立ちしそうだし、叶さんの護衛に目を付けられるのも良くない。


「……あぁ? 昨日『転移の魔法陣』をギルドと、嬢ちゃん達の部屋に敷いたんじゃないのか?」


「……あっ」


――――


 一方そのころ。アナスタシアとファスは。


「なんで昨日わざわざ転移の陣を、敷いたのかわかってるのかねぇ。ヨシイは……」


「ご主人様のことですから、きっと鍛錬の為に走って行ったのだと思います」


「……忘れてただけだと思うけど」


 そんな会話をして。


 そして、聖女一行は。


「こ、ここから真也君がでてくるんだよね。紬、髪の毛跳ねてないよね」


「大丈夫のように見えるよ。それにしても遅いね」


「あの変態。また事故を装って、スケベなことをするつもりかもしれないわ」


「だ、大丈夫だよ千早ちゃん。というか私の時も故意じゃないから……」


「こ、今度は私がされるからねっ!」


「フム、ここは、女子としてサービスするかね」


「紬、なんで上着を脱いでるの!?」


「大丈夫よ、叶。見る前に切るから」


「切っちゃダメだよ千早ちゃん」


 などと姦しく魔法陣の前で待機していたのだった。

逆に考えるんだ。話の進みが遅いなら、進まなくてもいいさってね。

……すみません。進行の遅さは投稿間隔を狭めることで対応したいです(願望


ブックマーク&評価ありがとうございます。励みになります。

感想&ご指摘いつも助かっています。嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 千早がただの自分勝手なウザキャラでしかなくなってる・・・
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ