2-3 ヤベーヨ
久しぶりによろしくお願いします。
ナマケは、あれから何体かの魔物との戦闘をしてヤベーヨ村に到着した。村の中に入るとそこでは、村人が頭を抱えて膝を付いている姿が広がっていた。
「「やべーよぉ、やべーよぉ、やべったらやべぇよ〜」」
村人は口々にそう言っていた。ナマケはとりあえず近くにいた村人Aに何しているのか聞いてみた。
すると、
「おお、旅の人ですか。こんな村に来てしまうとはやべー方ですねぇ。今この村は、夜になるととても恐ろしい獣の魔物がやってきて若い娘をさらって行くことことで頭を抱えているんです。その魔物、姿は虎が二足で立ち、腰に剣を下げ、頭にはシルクハットをしているようなへんてこなものなんですが、その強さと言ったら凄まじかったのです。
この村一番の強者が挑みましたが、あっという間に殺されておりました。もうどうして良いのやら……」
ということだった。酒場で言っていた毛だるまの魔物とはおそらくそいつのことであろう。当初の予定通りナマケはその魔物の討伐に名乗りでた。すると、村長が出てきて、「今晩また来ると思うので、女装してアジトまでいって、他の女たちを助けてはくれませんか」と言ってきたので、それに関しても承諾した。
そして、夜になった。ナマケは女装して魔物の登場を待っていた。村人たち家の中に隠れている。すると、なにかの足音が聞こえてきた。そちらに目をやると、村人が言っていた魔物の姿があった。
「今宵の女はそなたでございますか。では、遠慮無く連れてくザマス。」
なんか、クソキモい感じのやつだった。ナマケはもうやめようかあぁと思ったが、思いとどまって役目を果たすことにした。
「なにか言ったらどうざます?夜道を黙々と歩くなんて寂しいざましょ?」
知らん!っと言ってやりたいがしゃべると男とばれるので、我慢するしかなく歯痒いナマケである。
しばらく歩くと、洞窟のようなところについた。どうやら、ここがねぐらのようだ。中に入ると連れ去られたのであろう女がおりの中に入れられていた。しかし、その格好は着飾られていた。ど言うことだとナマケが考えていると、魔物がいきなりナマケの服を引っ剥がした。
この瞬間魔物はナマケが男ということに気づいてしまったというか、見てしまった。すると、
「てめぇ、おとこじゃねぇかぁぁぁぁぁああああ!!!!
この、着せ替え人形大好き虎魔獣 イガチャン なめとんか?!
てめぇも騙した村人も残らず食ってやるからな!!」
イガチャンは全身の毛を逆立ててそう言ってきた。ナマケはすぐさま自分の剣を抜いて構えた。格好は言うまでもない。そんなナマケにイガチャンは容赦なく襲いかかる。さすが虎というべきかすさまじい迫力である。ナマケは、それを斜め横に避けてイガチャンの背後をとって、剣を振り下ろした。しかし、その剣はイガチャンがいつの間にか抜いていた剣によって受け止められている。
「なかなか、やるじゃないの。
でもね、私には勝てないのよ。だって、相手が私なんですから!! 」
まったくいみわからん理由である。大体、ナマケは実力の1割もまだ出してはいない。というか、さすがに現状では力を出しきれないのも仕方ないといえよう。しかし、ナマケは気づいてしまったのである。今この空間には女の子がいると、そして今時分の格好がどうであるのかを、この状況がかなりかっこ悪いということを!!
ナマケは、もはやイガチャンを斬り殺すことだけを考える。この状況を終わらせるために!!
イガチャンはそんなナマケに襲い掛かってくる。ナマケは、剣を上段に構えそれを迎え撃つ。イガチャンがナマケの間合いに入った瞬間、ナマケの剣は上段から目にも止まらぬ速さで振り下ろされる。そして、次の瞬間にナマケは剣を鞘に収めていた。
「なんだよぉ、もう負けを認めちまうのか……
あれ、なんか視界がずれてる?って、ぷぎゃあああぁぁぁぁぁぁああ!!!!!」
イガチャンは、断末魔を上げてちょうど真っ二つになって絶命した。ナマケは、持てる渾身の速さで剣を振り下ろしただけである。しかし、それは音を置き去りにするほどの速さを誇る一撃。敵は攻撃されたと認識することもなく真っ二つにしてしまうほどの荒業である。ナマケは、その後何もなかったかのように服を来て、おりの鍵を開けるやいなやすぐさまイガチャンの巣穴を飛び出していったという。
そのあと、ナマケはヤベーヨ村の村長に事の顛末を伝え、エーメンに逃げるように旅立っていったという。
がんばれナマケ!!(笑)
ありがとうございました。
今後はこんな感じでポンポン勧めます。