2-2 ヤベーヨ村への道中で
レポートで死んでました。すいません。
短いですがよろしくお願いします。
ナマケは、現在ヤベーヨ村に向け草原を走っている。当初は旅の景色を楽しんでいたナマケだが流石に飽きが来たらしく、さっさとヤベーヨ村につきたいと思ったようである。ナマケの性格上、仕事はさっさとやって後はだらだらがもっとうであるので、当然の思考であるといえよう。さらに、イッシンという同行者も消え、自身の能力を自重する必要もないためナマケは本気で動くことができる。さすが勇者というべきか、その身体能力は、走れば鷹、守れば城、攻めれば鬼、というようにその能力は測り知れない。そんなでたらめな存在を人の世に収まるように出来たのは、ナマケ自身の面倒くさがりな性分と、彼を取り巻くまわりの大人たちのおかげであろう。
ナマケは急に走る足を止めた。と言うのも魔獣の気配を感じ取ったからである。イッシンとの旅路の際に平地の魔獣の気配を学習したことにより半径100m圏内の敵であれば目をつぶっていてでも動向がわかるようになっていた。そんなナマケの感覚に魔獣の気配がもたらされた。しかし、周囲に魔獣らしきものは見当たらない。ナマケは、自分の感覚を頼りに周囲の警戒を行っていたその時に、ナマケの足に周囲の雑草と思っていたものが絡みついてきたのである。ナマケはそれを抜剣した剣により切り裂いて逃れた。するとナマケが先ほどまで立っていた地面が盛り上がり、植物系魔獣「ウィードン」通称「肥満雑草」が姿を表した。その全長は1m程で根は玉ねぎのような形状で色は緑色、普段は地面の中にいて頭の上の雑草のような部分だけを外に出して近くを通った虫や動物を捉えて吸収する。しかし、それが失敗すると今回のように本体が姿を現し力づくで殺して吸収しようとしてくる。
このような行動からもわかる通り、かなりアホな魔獣であり討伐難易度はかなり低い。駆け出しでも連携すればすぐに殺せる。ベタな討伐方法だと、近接系の人員が怒らせたものを、離れているもう一人が魔法または物理的に火を放って燃やすか、刃物で斬り殺すかである。ただ、刃物で切る際には一刀両断できるほどでないとすぐに再生してしまうので駆け出しにはお勧めできない。
そんなウィードンとナマケははじめて相対した。なぜなら山にはこんな弱い魔物はいなかったからだ。しかし、ナマケはこいつのことを知らないので慎重に剣を構えて相手を観察した。しばらくウィードんが繰り出す攻撃を見ていたが、雑魚であるとすぐに判断したナマケは剣を上段に構えて圧倒的な速さで持ってウィードンを圧し斬りにした。
ナマケは動かなくなったウィードンをそのままに村への旅路に戻っていった。
お読みいただきありがとうございました。
次回は村に到着します。