2-1 エーメン到着
よろしくお願いします。
現在ナマケ達は、メエーンの門の前で入都のための審査の順番待ちをしている。勇者の身分使ってちゃっちゃと入ればいいじゃないかと思うかもしれないが、そんなことをすれば騒ぎが起こってしまうことは間違いがない。そんなことになれば落ち着いて行動することもできないので、面倒事は避けられるように並んでいるのだ。そのためナマケはイッシンと取り留めのない話をして暇をつぶした。しばらくするとようやくナマケたちの番がやってきたようだ。ナマケ達は門番の前へと進んだ。
「旅人か? 身分を証明できるものを提示しろ。」
ナマケ達は門番の指示に従い、ナマケは教国から与えられている国民証をイッシンはギルド発行の冒険者証を提示した。
門番はそれを確認するといくつかの質問をした後に税を徴収して通してくれた。質問は旅の目的であったり、荷物について合ったりとうもので大したものではなかった。ただ、質問が終わった際にそれまで仏頂面だった門番がニッコリとして、「ようこそ首都メエーンへ」と言ったことにナマケは少々あっけにとられていた。
まず、ナマケ達はギルドにてゴブリンの魔石を売ることにした。イッシンそれが終わればイッシンともお別れだろうからナマケは少々寂しく感じた。
__ギルド__
ギルドの建物は二階建てで広さもかなりあった。一回には受付や買い取りのためのカウンターに依頼を張り出している掲示板、ちょっとした食事と酒が飲める酒場のようなものがあった。イッシンの話しによれば二階はギルドの長の部屋や魔獣や動植物などの資料が保管されている部屋などがあるそうだ。それから、入り口からはわからないが、カウンターの裏には地下への階段が有り地下はぃん連城のようになっているということであった。
ナマケ達は、買い取り用のカウンターの前に進んだ。担当は20代前半位の女性だった。
「買い取りを頼みてえんだが?」
「買い取りですね、冒険者証を提示していただけますか。」
「おう、それと買い取ってもらいたいのはゴブリンの魔石だ。」
イッシンはそう言って、冒険者証とゴブリンの魔石をカウンターの上に出した。
「イッシンさんですね。確認いたしました。それでは魔石の確認をしますので少々お待ちください。」
そう言うと女性はカウンターの上に出されている魔石の確認を始めた。10分ほどして確認は終わった。
「個数は24個で、全てゴブリンの魔石のようですね。そうしますと買取金額は全部で銀貨2枚と銅貨4枚になります。」
「おう、ありがとうよ。」
イッシンは買い取りに問題は見当たらなかったので素直にそのまま報酬を受け取った。魔石については全てイッシンに任せているのでナマケが口を出すこともなかった。
また、魔石の報酬についてもナマケは全額イッシンのもので良いと予め言っているので、分け前に関する言い合いというのもなかった。
二人はギルドを出ると、一緒に飯を食いに行くことにした。
_メエーンのとある食堂_
「イッシンさんここまでありがとうございました。」
「こっちこそナマケがいてくれて助かったぜ!!
ここで別れることになるだろうがどっかでまたあった時は遠慮なくこえかけてくれよ?
まあ、湿っぽい話はやめてうまい飯をくおうじゃねえか!!」
「そうですね!!」
ナマケとイッシンは酒とツマミを頼んだ。ちなみにこの世界において慣習的に成人は16歳からであり、その年から法律上でも飲酒は認められている。
ナマケ達が楽しく飲み食いしているところにある酔っ払い二人の会話が聞こえてきた。
「おうおう、聞いたかよ?なんでも西のヤベーヨ村にとんでもねえ魔獣がでたって話だぜ?」
「俺もその話聞いたぜ? ヤベーヨ村の方から逃げてきた奴が言ってるの聞いたよ。」
「なんでぇ知ってんのかよ。まあ、なんでも2Mはあるような巨体で頭にはとんがり耳がついていて体中毛だるま、手には鋭い爪があって顔は獣って話だ。」
「おまけに、人間みたいに服着て人の言葉を話すっていうじゃねえか?おっかねえよなぁ」
「全くだ、最近は魔獣の数も多くなってきたし魔王でも復活しちまったのかもな?」
「そうなりゃ、勇者様がなんとかしてくれるよ」
「まったくだ!!」
ナマケは、酔っぱらいの話を聞いてヤベーヨ村に行くことにした。
ふと向かいに座っているイッシンの顔を見るとそこにはいつも明るいイッシンとは思えないような憎悪の表情があった。しかし、ナマケが見ているとわかるとイッシンはすぐさまその表情を変えた。ナマケはなにか引っかかったが何も言わなかった。
その後、ナマケとイッシンの食事は夜まで続いた。食事が終わってイッシンと別れたナマケは、適当な宿屋を見つけて一泊した後、その翌朝ヤベーヨ村に旅立っていった。
お読みいただき有りが後うございました。
次はお昼に更新しますので、よかったらお読みください。