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DevilSleyer  作者: ゼロセフ
2/6

0班

全世界に広まったとされている悪魔病(Devil Ill)。


感染した動物を凶暴化、巨大化させるという。


しかし、人間に感染すれば違った結論になる。


ただ死に至るのみだ。


人間はもともと悪魔のようだからだろうか。


理由は定かではないが、悪魔病に感染された動物は非常に危険だ。


その対策として、人々は悪魔殲滅組織(DevilSleyer)を立ち上げるに至った。


≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒


悪魔殲滅組織(デビルスレイヤー)


猪ノ(いのくに)支部


第四ゲート前会議室にて




――――「お前たちは落ちこぼれだ」




一人の男の声が会議室に響く。

男の名はシアンという。


「最低成績でデビルスレイヤー資格試験をクリアしたお前ら0班は、正直何の期待もできない」


シアンはどうでも良さそうに言葉を連ねる。


「知識試験ランクF、


体力試験ランクG、


実地試験ランクF


のフェリー・F・ルーカス」


シアンはルーカスという紺色の髪をした太った男を指さしながら、資格試験の内容を公表した。


ルーカスは自分の成績が恥ずかしいのか、顔を赤らめて下を向く。


「次に、


知識試験ランクG、


体力試験ランクF、


実地試験ランクE


のキャリー・G・アンナ」


金色の髪をした、少女が不思議そうにシアンを見つめる。


すべてを吸い込まれそうな、深い瞳をしている。


「そして、最後に…

正直言って前代未聞だが、資格試験を受けずに


そして、奴隷の身分でデビルスレイヤーとなった


奴隷番号MQ‐404」


黒い髪と瞳、そして頬の傷が印象的な青年が真っ直ぐシアンを見つめる。


「以上3人がこの猪ノ国支部最低のデビルスレイヤー0班となる。


そして、その顧問を担当することになった


ダイアログ・K・シアンだ」


シアンは面倒くさそうに後頭部をかぎはじめた。


「最初にいった通りお前達には全く期待していないし、これからも誰からも期待される事はない。


デビルスレイヤーであって、デビルスレイヤーではない。


それがお前たち0班だ。


いわば、使い捨て要員。


平たく言えば噛ませ犬だ」


その言葉に反応して、ルーカスが悔しそうに目に涙を浮かべながら下を向く。




「あのぉ…」


嫌な雰囲気をさえぎるようにアンナの声がその場に鳴り響いた。


「なんだ」


「噛ませ犬ってぇ、どんな犬種なのかなぁ~?」


アンナの質問でその場の空気は凍てついた。


「はぁ?

質問の意図が読めないんだが?」


シアンがアンナの質問に怒り半分、あきれ半分で聞き返した。




「だってぇ、噛ませ犬っていってもぉ、やっぱりぃ、ホットドッグとかだったらぁ、嫌なんだもん」



「…………」


シアンはどうやらあきれ以外の感情を失っているようだ。



「もう質問はないな。

あっても、もう答える気はない。


取り合えずお前たちにこれからのことを報告する」


「えぇ!?あたしの質問は無視ぃ?」


アンナはオーバーリアクションで自分が相手にされない驚きを表した。


しかし、悲しくもそれも無視されるだけだった。


「本来新人であるお前たちには、訓練というものが存在するわけだが


しかし、当然0班は例外だ。


訓練費というものが惜しくてな。


お前たちはいきなり実戦を行ってもらう。


そして、お前たちの主な仕事内容としては、デビルの討伐となる。


さっそくこの後、討伐の任務が任されているからすぐに出発することとなる。


以上についての質問は?」


受け入れがたい現実に戸惑っているのか、誰も手を上げる余裕などなかった。


「無いようだな。


それならば、支給された武器を手に入れ、そして、任務指定地に集合だ。


作戦開始時刻は今から15分後の1200時だ。


遅れるなよ?」


シアンはそういうと一切振り向かずに、さっさと会議室から出ていってしまった。


気まずい空気の3人をその場に残して。


「あ、あのぉ…、あたしぃ頭悪いから、色々ご迷惑かけちゃうと思うけどぉ、よろしくお願いしまぁーす!」


そして、またもやその空気を壊したのがアンナであった。


にっこりと笑顔を見せ、ルーカスたちに挨拶を交わす。


「あ、は、はい。

お、お願いしますぅ」


ルーカスが聞き取れるか聞き取れないか、分からないぐらいの小さな声で挨拶を返した。


「うん!よろしくねぇ~」


そして、最後に黒髪の青年が挨拶を交わすこととなった。


「オレの名前はゼンだよ。


陽ノ(ひのくに)出身で、つまり奴隷にあたる身分かな。


ここでは皆オレのことをMQ‐404って呼んでるけど、好きな方で呼んでくれてかまわないよ」


「ひ、陽ノ国ぃ…」


ルーカスは陽ノ国というフレーズを聞いた瞬間卒倒しそうになってしまった。


どうやら、陽ノ国の出身者は嫌われているようだ。


「うん!よろしくねぇ。

Mなんとかは覚えづらいからゼンちゃんってよぶねぇ。

みんなよろしくぅ~」


しかし、アンナは何も気にしていないようだ。


もしかしたら、気にするほどの知識を持っていないだけかも知れない。


「取り合えずもう行かないと間に合いそうにないよ?」


ゼンが時計を確認しながら、二人に忠告をする。


「えぇ!?今からどこかにいくのぉ?



もしかして、ピクニックぅ!?」


アンナが満面の笑みで喜んでいる。


「ピクニックってなんだ?」


ゼンは奴隷時代が長かったせいか、知識がかなり薄いらしい。


「も、もう僕は終わりだぁ~」


ルーカスはそんな様子の二人にただ絶望することしかできずにいる。











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