親友が召喚されました。
ごめんなさい
ちょっと
書いてみただけなんでカンベンしてください
親友が消えた。
ある朝、突然。
俺はいつものように迎えに行ったんだ。
「おーい、光輝。」
でも、返事がなくて、光輝の親父さんがでてきて言った。
「あいつ、勇者なんだって。魔王倒してくれって言われていっちゃったよ。」
光輝の両親は3年前に離婚。
次男と長女を連れて光輝のお母さんは家を出て行った。
理由は聞いてないけど、きっと親父さんの浮気だと思う、
光輝の親父さんはすげーイケメンなんだけど、天然で常識に欠けるところがあった。
お母さんも美女だったんで、美男美女のお似合いの夫婦だったけど、オトナっていろいろあるんだな。
「え?魔王を倒すって危なくないんですか?」
「大丈夫だから、迎えがきてアイツもいったんだろ?それよりさ~安恵さん、何回謝っても帰ってきてくれないんだけど、慎はどうしたらいいと思う?」
「知りませんよ。おじさんが何をして安恵さん怒らせたのかもわかんないのに俺になんのアドバイスができるっていうんです?それより、光輝ですよ。心配じゃないんですか?」
在宅で翻訳家をしている親父さんは今でも、出て行った奥さん=安恵さんに未練タラタラで週に1回くらい押しかけて、告白しては振られている。
雑貨屋を営む安恵さんは、バツイチになって尚もモテモテで女性向けなお店なのに男性客も多く、親父さんはじっとしていられないのだろう。
光輝がいなくなって3ヶ月くらい経ったときに、今度は安恵さんもいなくなった。
安恵さんの家に若い女性がやってきて安恵さんのかわりにお店や子供たちの面倒をみているという。
「安恵さまにはご面倒をお願いしてしまっていまして、私にできることならば・・・」
やばい。
ちょーかわいい。
リアルメイド。はじめてみた。
「ボクでできることがあれば何でも手伝いますからね。」
俺は毎日、雑貨屋に通った。
お店の掃除も何もかも彼女がかんっぺきにしていたけど、重いものをもつとか、買い物の手伝いとか献身的に尽くした。
親父さんは安恵さんの行方をメイドさん=セシルさんにしつこく、聞いていたけど教えてもらえなかったらしい。
「セシル。」
「慎。」
俺たちは恋人になった。
やった~
「慎、私は帰らないといけないようです。」
「え?なんで?」
「光輝さまが魔王を倒しました。これで安恵さまも光輝さまの面倒をみなくてすみます。私も向こうに帰らなければ・・・」
光輝が勇者として呼ばれた世界からセシルは来ていた。
光輝がばかみたいにもてて、ハーレム状態でちっとも魔王を討伐しないので世話係りとして安恵さんも向こうにヨバレタ。その安恵さんのフォローにセシルがこちらに派遣されていたんだって。
「いやだ。だって俺はセシルが好きなんだ。離れたくないよ。」
「私だって・・・」
くそーなんで光輝は魔王を倒しちゃったんだ。
もっとのんびり俺がジジイになって死に逝く床でセシルにお礼をいうまで待ってろよ。
二人でわんわん泣いて別れを惜しんでいると親父さんがやってきた。
「なあ、セシルさん、安恵さんと光輝がいるのって『****』ってとこ?」
「そうです。なんでご存知なんですか?」
「魔王にスカウトされた。」
「は?」
「だから、勇者に魔王が倒されちゃったんで、魔王になってくれって魔族ってのにスカウトされた。なんでも勇者と勇者のお世話係りに対抗できるのは俺だけなんだって。」
「おじさん、がんばって!ず~っと勇者と戦っているといいと思う。」
親友が召喚されて。
その母親が召喚されて。
今度は父親が召喚。
その後、
ちっとも魔王らしくない父親をフォローしろと次男が召喚された。
母親が怒りっぽくてしょうがないからと長女が召喚された。
それから
一人もいなくなった親友の母親のお店を
俺とセシルが守っている。