臭います。
最近面白いゲームにであってなくてちょとテンションが低いです。
そんなテンションで書いた五話どうぞ。
「---きろ。--いたぞ。ーロー・・・」
誰だよ。起こそうとしないでくれ、俺は眠いんだ・・・
「・・セイっ!!」
「ぐドバッ!!」
腹にいきなり強烈な鈍痛が走りこの世のものとは思えないような声が出た。
痛い、てゆーかすごい気持ち悪い。吐きそうだ・・・
「ようやく目を覚ましたか。全く、人が何度も呼びかけてるのに反応しない君が悪いんだぞ。」
やはり顔色を変えずに淡々と話すその姿は、とても人を殴った人の顔とは思えなかった。
しっかしこの人、表情設定「無表情」にでもしているのだろうか?
現実世界でもこれなら生活が大変そうだ。
主に人付き合いで。
あれ?そう思うとなんだか、かわいそうに思えてきたぞ?
「・・・苦労してるんですね」
「待て、君は一体何を思ったの?」
そうかきっと幼少の頃から何かしらの問題を抱えて生きてきたのだろう。
さぞ大変だったんだな。
「もはや失礼なことを考えているのは明白だが。面倒だしほっておこう・・・」
ありゃ?エイミーさんがシュンとしたぞ!
でも相変わらず無表情だ!!
「マスター、馬鹿なこと言ってないで外見て外っ!!」
頭の上で足をばたつかせる妖精さん。
地味に痛い。
「なになに?」
妖精さんの言った通りに外を見てみるって、ちょ、窓ちっさ!!見ずれーー!!
あ、でもぎりぎり見える。どれどれお外はどんな感じ~?
小さな窓から覗いたそこにはどこまでも続く草原だった。
虫が花に集まり、鳥が木の上で寄り添いながらさえずり、人が寄ってたかって一匹のモンスターをなぶり殺しにする光景は俺がこのゲームで見たかったものを表していた。
「これこれ、これだよ俺が見たかったのは!!く~っ!たっまんねーぜっ!!」
「すごいですよね!マスター!!私も見たかったんです!!」
これについては妖精さんも同意見だったようでさらに足をバタつかせる。
あれ?HPゲージが減って言ってるぞ?
てゆーか既にレッドゾーン突入しているや。
「妖精さん。足やめて。HPなくなる。」
「え?なんで?マスター一度も戦闘してないのにHPが減るわけないって、うそっ!ちょと一体何したの!?」
「多分エイミーさんが殴ったせい」
それか妖精さん蹴りかな?
「おや、それはすまない。いま回復させる。“ヒール”」
エイミーさんが魔法ワードを発すると、謎の緑色の光が俺を包みHPを全回復してくれた。
「ありがとうございます。初めて魔法見ましたけど結構簡単なんですね!もっと詠唱とかしないといけないと思っていました。」
「まぁ確かに詠唱しなくてもいいが、した方が発動時の効果が変化したりはするわ。」
「え?そうなんですか?」
「ええ。でもま、その話はあとで行く洞窟の中で話すわ。」
「「はーい」」
「大草原~大草原。終点です。お降りの際はーー」
車窓の声のあとガシンガシンと大きな音立てながら開く鉄塊から降り、
草原にいざ立ってみると、先程とは違う草原の草の臭いや風のせせらぎが聞こえてきて更になんともかぐわしい血の匂いが・・・
「「「おぼろろろげ~~」」」
三人一緒に吐いた。
「いかん。久しぶりに外に出たせいでこの匂いのこと忘れていた。うぇ、きもちわるい~」
真っ青な顔をしながらそう呟くエイミーさん。
珍しく表情が出ている。
「何なのよ~こんなの聞いてないわよ~」
俺の頭の上で吐いた妖精さん。
量は少ないとは言え吐かれたことに違いはない。
今すぐ風呂に入りたい。服が臭いです。
「俺もまさかこんな生臭いものが待ち受けてるとは思わなかった・・また吐きそう」
そして俺も彼らと同じように吐いていた。
やはり初めての旅の始まりは最悪のものとなった。
今回の話で薬草を取る場所まで行こうと思いましたが、そうするとちょくちょく投稿することができなくなったのでやめましたヽ(*´∀`)ノ