ぶらり街歩き
この話について読みづらい点や理解できない点につきましては教えてくだされば説明いたします。
ゲーム空間に降り立った俺はある重大なことに気づいた。
「よくよく考えたら俺の名前なくないか?メニュー一覧にも見当たらんしどうなってんだ?」
「ごめーん。その設定するの忘れていたわ~。今から付ける?」
先程の妖精さんがいつの間にか頭に座っていた。
「あれ?妖精さん、なんでいるの?」
「説明書も読んでないの~?バカだね~。仕方ないから教えてあげよう!私は全員に配布されるプレイヤー補助のAIなのです!!」
ドヤ顔で話す妖精さんに少しイラッとしたけれど、それよりも一人につき一体もいることに驚いた。
「それはさて置き、俺の名前設定忘れているのはどうかと思うな~妖精さん?」
「いやいや、マスターも忘れていたじゃないですかー。それに私は妖精さんじゃなくてアンジーっていう名前があるんですー!!」
痛いところをついてくる妖精さんだな。
てゆーか、アンジーって、見た目と合ってないんだよ。
「ま、別にいいけどね。それよりも俺の名前決めさせてよ。」
「何がいいのかそこはかとなく気になるんだけど、まぁ~いっか。どんな名前にするの?」
「うーん・・・ジローでいいかな」
「見た目も名前も平凡ですね~眠くなります!」
「眠そうには見えないけどな」
「そんなの冗談に決まってますよ?何本気にしてるんです?」
この妖精さん。なんか腹立つ。
「てか、待ち合わせまでまだ時間あるな。そのへん散歩でもするか。あ、そだそだ所持金っと」
メニューを開きステータス欄で所持金を確認すると、そこには綺麗な形で0と書かれていた。
おかしい・・こう言うのは最初に1000Gぐらいもらえるものじゃないの?
なんで0なの?どうしよもないよね?
「なぁ妖精さん」
「ん?なぁにマスター?」
「なんで俺の所持金ないの?」
「それは、私が使ったからです!!」
「そっか、それなら仕方ないな」
なんだ、配布されなかったわけじゃないのか、妖精さんが使い果たしただけなのかそうかそうか。
「って、妖精さーん?人のお金勝手に使っているってのはどうゆうことなのかな~?言うべきことあるんじゃないのかな?」
「いや~、それはその~ほら、最初の服装ってなんかみっともないじゃん?だから少しでもいいのが欲しくてついやっちゃいました。テへっ?」
「・・・俺が聞きたいのはそんなことじゃないんですけど?」
「・・・・ごめんなさい」
「反省してる?」
「はい・・・」
シュンとうなだれて謝る姿がなんとも可愛いいな。
仕方ない、ここは俺が大人にならんくちゃな。
「わかった。許してあげる。どうせ使っちゃたものは取り戻せないんだし。」
「ですよね!!流石マスター、おっとなー!!」
さっきの様子はどこに行ったのかいい笑顔をする妖精さんに、無性に腹がたったが、許したものを掘り起こすの情けないんでグッとこらえることにしよう。
うん。俺えらい!
「てか、それじゃあ出店とか見つけても何も買えないな。街歩きでもするか」
「それがいいと思いますよマスター。」
促されて街を歩いてみたのだが、これがまた広い。妖精さんいわく広さは東京全土と同じ広さらしい。
ちなみにフィールドの広さはカルフォルニア州と同じぐらいなのだとか。
一応ほかの街はここまで大きくなく、他のゲームとかで見る街の広さと変わらないらしい。
いや、聞いててなんかね、開発者は馬鹿の類なのだなとしみじみと感じた。
「こんなに広いと乗り物いるよね。」
「そうですね~一応、素材さえあればあんなのも作れるのですけど」
そう言って彼女が指をさした先には、まるでスターウォーズみたいに空を飛び回る乗り物が飛び回っていた。いや、車だけじゃないドラゴンや機関車、馬なんかも飛んでいる。
「ええ!?なにあれ!?このゲームそんなのアリなの!?」
おかしい・・・このゲームの説明には中世をイメージした世界観となっていたはずだ。
周りの建物も中世に沿って建築されているはずって、あれ?なんか高層ビルとか見えるのですけど?
中世はどこ?剣と魔法の世界は?
おかしい、何かが絶対間違っている。
「妖精さん、なんでこうなってるの?」
「プレイヤーの自由を極端にした結果です。作者が懲りすぎてこうなっちゃたんです。」
なるほど、制作ミスというわけか。
「でも、そうなると犯罪とか多発しそうだけど」
「その点は大丈夫です。私たちAIはそういったことが無いようにするための監視役なのですから」
「犯罪を犯すとバンされるの?」
「イエス、オフコース!!」
カタコト気味なかんじでそう言われた。
これは迂闊なことはできなさそうだ。
そう思ったときのことだった。
突然サイレンが鳴り出し、足元に魔法陣が現れ、俺の意識が消えた。
とりあえず二話です。
この話、自由を極めすぎた世界ならどうなるのかな~と思って書いた話なので、
この先どうなるかは皆さんの案を含めながら書いていきたいと思います。