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俺様、ぼっちじゃなくて良かった  作者: ワルパルゴ
プロローグ的な何か
3/34

プロローグ

書きたくなったから書いた。後悔はない。

 グループ・ウォーズ・オンライン


世界で初めて持ち運びができるヴァーチャルMMORPGとして、世界中で話題となった作品である。

しかし、タイトルから連想できる通りある程度の交友関係をきずける人でないとダンジョンの攻略ができないようになっているのだ。


このことが発表された時、ソロプレイを生業とするプレイヤーからは様々な苦情が舞い込んだという話もあったが、携帯ゲームにも関わらずグラフィクの出来が据え置きのよりも良かったり、ラグが起こらない事、ゲームバランスが優れていたことから爆発的な人気を博し、総勢3200万人がプレイするゲームとなった。


そんなゲームの中に一人、日常でもゲーム世界でも平均的な男がいた。


 独り身の方募集中


まるで結婚的年齢を過ぎてしまった女性の願望を掲げ、広間に座り込む男こそ、本作の主人公、


「ロージェノムと言いま~す。役職は剣士で~す誰か一緒にパーティー組みませんかー!!」


大声を張り上げ仲間を求め軽く二日。相変わらず仲間が出来無い。

こうなったのもアイツのせいなのだ。


時はさかのぼり一週間前のことである。


「グループ・ウォーズ?」


「そう!略してGW!世界初の携帯できるMMORPG!どうよ!一緒にやらないか?」


そう熱弁を振るう彼の名前は佐久場海斗サクバカイト

そこはかとなくミーハーなヤツで、事あるごとに俺を誘う迷惑野郎である。


「いや、あんま興味ないから遠慮するわ」


そもそもとしてコイツと一緒なのが嫌だ。


「まぁまぁ、そう言わんとホレ、お前の分だからさ。受け取っとけって。」


「いやいらんってば、やらんから~」


強引に受け取らせようとする佐久場に抵抗するも、そこは帰宅部と運動部。無理やり握らされてしまった。


「それじゃ、今夜の七時に始まりの街の東門の前に集合ってことで。じゃな!」


俺が返却する前に走り去って行った。


「おい!ちょ、は~あ~・・また巻き込まれた。もういいや、一旦家に帰ろう。」


諦めた俺は、ゆらゆらと揺られながら家に帰った。


「ただいま~って誰もいないわな。」


現在俺は、というより家族そのものがバラバラに過ごしておりここ、4、5年はお互いの顔を見てすらいない。いや、姉貴とか妹とか母さんとかはちょくちょくあってるみたいだけど。


「ど~でもいいや、それよりせっかく貰ったんだ。キャラづくりでもしよう。」


ソフトと一緒に貰ったフルダイブ用の機械を頭に装着し、ベットに横になる。


「それじゃ、とりあえず、起動!」


目蓋をつぶり、そう叫ぶと機械が作動し、ゲームの中にダイブしていく。


~WELCOME TO GROUP・WARS~


いくつかの同意書に同意し終えると、目の前にそんな文字が広がり、何もない空間に落ちた。


「痛った!!うお~ケツが~」


思い切りケツから着地したその空間は見渡す限り真っ白で何もない空間だった。


「何だここ?ここがゲーム世界?」


「いやいや、そんなわけないですよ~」


「のうわっ!!びっくりした、だれですか!!」


背後から声をかけられ振り向いたそこには、羽の生えた手のひらサイズの妖精がいた。


「驚かせてごめ~ん。君のGW内での補佐を担当することとなりました。エイミーといいま~す。よろしくね!」


「あ、いえ、こちらこそ。よろしくお願いします。」


「うんうん。素直でよろしい。それじゃあ早速だけどキャラのメイキングとジョブを選んでほしいんだけど、どっちからする?」


「ん~とりあえずキャラづくりから。」


「おっけ~。あ、初めに聞くけど、現実の顔でもプレイ可能なんだけど、どうする?」


「あ、それできるの?なら現実のまんまでいいや。」


「めずらし~。ほとんどの人が現実の顔を使わないのにね~。まぁーいっか!それじゃあスキャン開始!!」


顔に温かいのを感じると、さっきまでのっぺらぼうだった顔が見慣れたものへと変わった。


「ええ~なんかふつう~の顔~。それでいいの~?」


「良いの。それよりもジョブは何があるの?」


「どうせならイケメンと旅がしたかったのに~。まぁいいか。ジョブねジョブ。とりあえず選べるのは

僧侶、魔法使い、ガンナー、格闘家、剣士、山賊の6職があるよ~」


「へ~どれがオススメ?」


「どれって言われても、どれも短所と長所の差が激しいからね~。あ、でもでも~一番落差が少ないのは剣士かな~?魔法も使えるようになるし、一番人気のジョブでもあるし」


「それじゃあ、それでいいや。」


「りょうかいしましたっ!!ようこそグループ・オンラインへ!!楽しんでねッ!!」


そう言い終わると、辺りの白い空間が崩れ始め、騒がしく、人で溢れた世界が広がった


「すげ~!!マジで携帯ゲームかよ!はんぱね~。」


空には鳥が飛び、家の壁には猫が寝転び、人と人が笑い合っている。

とても楽しそうな空間がそこにあり、生まれて初めてアイツのミーハーに付き合って良かったと思った

のであった。 

誤字、脱字等ございましたら、何なりとお教えください。



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