2つは1つ
◇◆◇◆登場人物紹介◇◆―〈主人公〉れの。
明るく、明朗とした髪がウェーブがかった双子の姉。よくいたずらする。
―〈ツインソウルメイト〉ウーニャ。
雑貨屋で働き、ハーブ栽培を趣味とする25歳の女性。ほんわりしているが、頑固者。
―〈れのの双子の妹〉のあ。
真面目であるが、甘えん坊でれのに甘えている。
―〈ウーニャの恋人〉ルーブル。
雑貨屋の店主。ウーニャとは幼い頃からの仲。生真面目で不器用な所がある。
止まった時間。
私は、体から抜けてしまい、水晶玉となり引き寄せられるのを感じた。
――水晶玉は飛んでいく、もう1つの元へ。
(ここは、どこ…?)
見た事の無い世界に戸惑う麗乃。記憶にはない記憶が混じり合い始めた。
きっかけは、ツインソウルの傍らが壊れ欠け魂は1つになろうと時計が2つの魂を引き寄せたのだ。
ハーブの葉に、太陽の陽射しが降り注ぐ。朝露が零れ、その雫を手のひらで受け止めた女性。―ごく…。
雫を口へはこび、味を噛み締めるように目を閉じた。「甘い…。」
口元が上がり、笑みを浮かべて花壇の下に置いていた籠を左腕に提げて、ハーブを摘み始めた。
陽射しが、柔らかくも女性を包み始めた。
――その瞬間を雑貨屋の窓辺から、ルーブルは見ていた。丁度、昼夜の日の太陽が女性を照らして光の中に包まれたと思うと、光はウーニャを放した。地面へと崩れ落ちてゆき、倒れた。
「ウーニャ、…ウーニャ、ウーニャ!」
雑貨屋の扉を響かせ、ルーブルはウーニャの元に駆けた。力の抜けたウーニャを起こし、体を揺らし
「ウーニャ、ウーニャ」
ルーブルは必死に呼んだ。「………。」
目を開けて、口をパクパクと動かして何かを伝えようとしてウーニャは、眠りについた。
ルーブルは、ウーニャが(「ルーブル」)と言ったのが分かっていた。