第三十四幕『引き継ぎの朝』—役職任命と旅立ち
第三十四幕『引き継ぎの朝』—役職任命と旅立ち
清洲本部の一室。冬の光が窓から差し込み、空気は静かだった。 信長は一同の前に立ち、ゆっくりと口を開いた。
「これより、勝幡派の新体制を正式に任命する。」
まず、信行の前に歩み寄る。
「信行。副代表として、俺の代わりを務めよ。 自分の意思で動き、自分の言葉で尾張を導いていけ。」
信行は深く頷いた。その目には、迷いはなかった。
次に、柴田勝家へ。
「権六。幹事長として、派閥の統制を任せる。 再びチームが割れることがないよう、しっかりまとめてくれ。」
「心得ております。」勝家は力強く頭を下げた。
信長は林秀貞に視線を向ける。
「林。政務調整局長として、議会内の政策調整を担ってくれ。 信行を支え、委員会との連携を頼む。」
林は静かに微笑み、頷いた。「承知しました。」
佐久間信盛へと歩みを進める。
「佐久間。組織戦略局長として、地元との連携、支援者との橋渡しを頼む。 現場の声を、議会に届けてくれ。」
「お任せください。」佐久間は胸に手を当てた。
丹羽長秀の前に立つ。
「五郎左。政策企画室長として、法案の設計と政策立案を統括してくれ。 勝幡派の理念を、形にするのは君の役目だ。」
丹羽は静かに一礼した。「責任を持って遂行します。」
村井貞勝に目を向ける。
「貞勝。政策秘書室長として、代表・副代表の補佐、資料整理、答弁準備を任せる。 陰で支える力が、表の言葉を強くする。」
「承りました。」村井は手帳を胸元にしまった。
帰蝶が一歩前に出る。
「帰蝶。広報・報道担当として、勝幡派の顔を整えてくれ。 尾張の民に、我々の言葉を届けるのは君だ。」
帰蝶は静かに頷いた。「あんたの意志、正しく伝えます。」
前田利家が姿勢を正す。
「又左。警護・情報分析室長として、議会内外の安全と情報収集を担ってくれ。 動きの兆しを見逃さず、必要なときに備えてくれ。」
「任せてください。」利家の声には熱があった。
最後に、その他のスタッフたちに向けて。
「財務管理、地域調査、記録管理、総務――それぞれの役割はこの後幹事長より任命してもらう。 君たちの働きが勝幡派の土台となることを忘れるな。」
信長は一同を見渡し、短く言った。
「頼んだぞ。」
一瞬の沈黙のあと、信長は言葉を継いだ。
「早速だが、俺は帰蝶を連れて美濃へ向かう。 義父・道三が動いている。美濃では政変の兆しがある。 尾張の安定を守るには、隣国の火種を見過ごすわけにはいかない。」
帰蝶が静かに歩み寄り、信長の隣に立つ。
「義父が何を考えているか。確かめる必要がありますね。」
信行は一歩前に出て、静かに言った。
「尾張は、任せてください。」
信長は頷き、最後にもう一度一同を見渡した。
「風の向きが変わる前に、動いておくべきだ。」
その言葉に、誰もが黙って頷いた。 冬の光の中で、勝幡派は新たな体制で動き始め、 信長と帰蝶は、静かに美濃へ向けて旅立っていった。
第三十四幕では、勝幡派の新体制が正式に整えられました。 副代表に信行、幹事長に勝家、政務調整局長に林、組織戦略局長に佐久間――それぞれが役割を担い、派閥は新たな秩序のもとで動き始めます。 そして信長は帰蝶とともに、美濃へ向けて旅立ちました。隣国の政変の兆しに備えるその姿は、尾張の安定を守るための先手でもあります。
新体制の始動と、美濃への旅立ち。物語は次の局面へと進んでいきます。 もし楽しんでいただけましたら、⭐評価やブックマークで応援していただけると励みになります。




