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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

大丈夫

作者: あ行

私は「大丈夫」と言う言葉が嫌いでした。

他力本願で何も考えてない言葉だと思っているのです。体調が悪くて元気がない時「大丈夫?」と聞いてくるのです。大丈夫じゃないからこうなっているのだ、少し考えれば分かることをいちいち聞いてくる。転んだ時も「大丈夫?」てっ、先に体を起こす素振りぐらい見せろよ。そう思っていました。


しかし、1人だけ違う人がいました。

その子は、クラス1、イケメンで運動が出来る子でした。この子は、転んでも体を起こしてくれながら「何やってんだよ笑」と言ってて、体調が悪い時も「先生読んできたからな」と言ってくれました。そしてそのうち、だんだん心がその子だけ許せるようになってきたのです。他の子にはしたことが無い話や対応など私の中で彼が特別になっていきました。


そして、ある時でした。

彼が不意に「大丈夫か?」と聞いてきたのです。何もしていないのに、体調も体も悪くないのに聞いてきたのです。私はまた、彼がそっち側に言ったのだと思いました。他力本願で何も考え無しに自分は優しい子と善人ぶるには、ちょうどいい言葉で、私は泣いていたのです。止めようにも溢れ出てくる涙と鼻水。真っ赤な目をして、彼にこう聞いたのです。


「私も、スポーツできるかな?」


彼は両足のない私の前で、膝をつき、目線を合わせてこう言いました。


「大丈夫、できるよ」

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