表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/42

1.UWO

 あるオンラインゲームを目の前に悩んでいた。


「んー。どうするかなぁ」


 悩んでいるのは狩野かの かける30歳独身である。


 何を悩んでいるか……昨日に遡る。


◇◆◇


「せんぱーい! 聞いてくださいよ! UWOで、酷い目にあったんですよぉ!」


「あぁ? なんだって? 何で酷い目にあったって?」


「U・W・Oですよ! 通称、ウォーです! アンノウンワールドオンラインですよ!」


「あー。ゲームの話?」


「VRMMOですよ! 二年前から主流になって、衰えることはないんです! なんてったってフルダイブですよ!? もう、ゲームの中に飛び込んじゃうんですよ! わかります!?」


「おぉ? わ、わかるぞ。一応な」


 初期の時にやったゲームはログインしたらポリゴンがすごい世界で、動きもカクカク。思ったように動けないストレスで二度とやらないと決めたんだ。


「本当に分かってますか!?」


 下から覗き込むように見つめてくる後輩。

 ことある事にVRMMOを勧めてくる河野こうの 愛琉あいる

 この後輩女性社員の教育係を任されているんだが、いつも距離が近いのだ。


「わ、分かってるぞ? やったこと……あるからな……」


「本当ですか!? UWOやりましょうよ!」


 また顔を近づけて訴えてくる。

 小さめの身長で茶髪のボブの愛琉は愛らしさがあって……強くは言えない。


「うーむ。考えておく」


「やったら教えてくださいよ!? わかりました!?」


「わ、わかった……」


「なら、いいです。絶対教えてくださいね!」


◇◆◇


「やってもいいが、教えると一緒にプレイしなきゃならないだろうしなぁ。まぁ、黙ってればいいか」


 そう思い、UWOのソフトを買う事にしたのであった。

 家に戻ると、VRMMOのヘッドセットにソフトを入れる。


キィィィン


 読み込んでいる音がしてくる。

 ヘッドセットを頭に装着する。

 目の前にはNow Loadingと表示されている。


 プレイヤー名の設定が表示される。


「名前は決めてんだよな。ソアラっと」


 しばらく待つとプレイヤー容姿設定が表示される。


「んー。見た目はあんまり変えてもなぁ。髪の色をシルバーにするかな。それと、身長を少し高く……」


 自分の願望がかなり入っていたが、問題なく設定が終わる。

 次は種族設定であった。


「種族?」


 選べる種族にはヒューマン、獣人、魔族、エルフ族、ドワーフ族が選択できた。


「よく分かんねぇからヒューマンにしよう」


 次には職業選択画面になる。


 選択肢はかなりの数があり、剣士、魔導師、狩人、騎士……等色々あるのだ。

 帰ってきてから調べたんだが、ランダムを選ぶと剣聖、大賢者、竜騎士等、レア職になる場合があるのだ。


「これは……賭けだが、ランダムだな」


 迷わずランダムを選択することにした。

 ランダムを選択し、OKを押す。


 職業名が色々な名前に変わる。


ドゥルルルルルルルルルドゥンッ


 表示された職業は。


「何なんだよ!? なんだよ! 罠師って!」


 そのまま職業が確定されてしまう。

 膝から崩れ落ちる。


「おおっふ……」


 ダメージを多くくらってしまった。

 何故かと言うと。

 昨日、一応リサーチしたのだ。


 有利な職業、使えない職業。


 有利な職業はレア職がやはりランキングを席巻していた。

 使えない職業ランキング、見なきゃ良かった。


 使えないランキング一位!

 罠師


 おぉい!

 ヤバいじゃねぇか。

 たしか、使えない理由が。


 1.罠を作成するのに素材が必要。

 2.罠を作成する時はDEXの値による。

 3.作成に失敗すると素材が無くなる。 


 これ、金ばっかりかかるのと、初期投資が半端ない。


 ちなみにメリットもあった。

 罠を設置するのはMP5を消費するだけ。


 うん。いいよ。

 どんな罠だってそれで設置できるんだから凄いじゃんか。

 罠を作るのにお金は掛かるし、DEX依存だろ?

 失敗したら素材パァ?


 先が思いやられるな。


――――――――――――――――――――

 ようこそ! UnknownWorldOnlineへ!

――――――――――――――――――――


 オープニングが流れる。


 未知の領域が広がる世界を探索者が探索していこうというストーリーである。

 そして、モンスターもいる世界、好きな事をなんでもしていい世界。

 自由な世界を楽しもうというコンセプト。


 視界が開ける。

 最初の街のようだ。


 驚いた。

 現実と何も変わらない。


 こんなになってたんだな、フルダイブVR。

 凄いじゃん。

 これは、愛琉が勧めるだけはあるな。


 最初は初期に持ってるゴールドを使って装備を整えるのが一般的だとネットに載っていた。


 しかしなぁ、罠師だろ?

 スキルメニューを見る。


 罠作成と罠設置しかない。

 そうだよなぁ。


 罠の種類もあるな。

 罠のレシピのようなものに一通り目を通す。

 やはり、買うだけで揃うものとモンスターを狩らないと作れない物とがあるようだ。


「とりあえず、罠に必要な物を買おう」


 雑貨屋さんを探す。

 一番簡単に作れるのが、ロープで足を吊る罠だったのだが、ここで疑問が生まれた。


 ロープで足を吊って罠に掛けたあと、どうやってトドメ刺すんだ?

 ステータス見たが、DEXは少し高いが他は低かった。


 ステータスについてもゲームを始める前にリサーチしてたんだ。


今のステータス

――――――

HP 30

MP 70

STR 5

VIT 10

DEX 30

AGI 10

――――――


 HP、MPは理解出来た。

 STRは力なので攻撃力みたいなもんらしい。

 VITはタフさ、防御力みたいなもん。

 DEXは器用さ、これが罠師には必須のステータスである。

 この器用さで罠を作成する際の成功率が変わってくるのだ。

 

 AGIは素早さである。

 罠を設置して移動することを考えると、これも上げておいて損は無い気がする。


 本当に罠の設置のみで勝負するならSTR、VITいらなくないかな?

 罠でのダメージはSTR、VIT依存ではないようだし……ここでも器用さ依存っぽい。


 街を見て回っていたが、何処に雑貨屋さんがあるかわからん。

 マップとかないのかな?


 メニューを開いてみる。


 えーっと……あっ、あるじゃん。

 マップを開く。


 街の地図がでてきてそれぞれの店のマークのようなものが付いている。

 一つ一つタッチして表示していく。


 あっ、あった雑貨屋さん。

 えーっと……ここからまっすぐ二ブロック行って左に曲がって四件目。


 メニューを閉じて歩いていく。

 目的の雑貨屋にようやく着いた。


 店の中に入る。


 雑貨屋さんいうだけあって、使えそうなものが沢山置いてある。

 野営用品もあるな。

 テント、ランタン、モンスター避けの香?


 ファンタジーだな。

 初期で持ってるゴールドは10万ゴールドだ。

 全身の装備品を揃えると無くなるくらいの金額だ。それを、俺は罠に使おうと言う訳だが……。


 迷う。

 ロープはとりあえず、5セットは欲しい。

 あとは……スコップを罠作成に使うと落とし穴の罠が作れるみたいだから、不思議なもんだけど。

 スコップも5個買うかな。


 普通にリアルの罠みたいに挟む系の罠も売ってる。これ、一応買っておこうかな。

 後は、使えそうなのを適当に買って。


 とりあえず、雑貨屋さんで買うのはこれで終わり。


 次は、武器屋と、魔石屋。


 武器も罠に使う。

 張り切って買いに行こう!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ