表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

Prologue

 月面都市ニール。


 人類で最初に月へ降り立った男の名を冠した都市。宇宙に出た人類がはじめに建設した都市である。


 ニールは月の()()、即ち月の地球側にある。


 かつて人々は郷愁に囚われ、この街から自分たちが捨てた故郷を見上げていた。


 崩壊した環境が、いつか蘇ると信じて月に地球を観測するための基地を置いた。


 しかし、彼らの子や孫、地球の重力を知らない若者たちは、引力の束縛から逃れさらなる外宇宙フロンティアへと飛び立っていった。


 ニールには老人たちと観測基地だけが残された。老人たちは地球の観測を続け、熱にうなされたように観測結果を外宇宙へ発信し続けた。


 子どもたちがいつか母なる星へ還れるように。


 しかし親の心を知らない若者たちの情熱は外の星へ向けられた。


 人類が、火星を開拓テラフォーミングし、小惑星帯アステロイドベルトを越え、太陽系の端から端を自由に航海できるようになるまで、100年とかからなかった。


 重力から解き放たれた文明の進歩は加速し、最早地球と月は忘れ去られていくかに思われた。


 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ