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偽るキスと恋心  作者: ハルカ カズラ
4/20

4.馴れ馴れしい奴等(女子含む)


 同じ社宅にいて声をかけて来た女の子、そしてそうだと思って3度目の再会時……つまり、高校入りたての最近らへんにキスをした女子。それが瀬織(せおり)ひより。同じクラスで遅刻魔で、おまけに俺とは初対面らしい。もしかして俺は誰かと間違った? 実は同じクラスの全然関係ない女子にキスしたとか!? なんにしてもそれは決して良くないことだ。


未喜貴みきたかどうしたよ? せっかく女子と仲良くなれたのに、教室戻ってきたらすぐに気配を消して、俺はいない。とか、言い出すのか? 実は面白い奴か!」


「あぁ、うぜえ……」


「お前、未喜貴樹みきたかきか? 俺のこと、覚えてる?」


「……んあ?」


 津田とは別な野郎が珍しく話しかけて来たと思ったら、誰だ? しかも俺を知ってる?


「ごめん、知らない」


「嘘だろ!? 社宅一緒! 幼馴染! 俺だよ、俺!」


 社宅……随分と懐かしいキーワードを言ってきたな。幼馴染ってのはそんなもんだったか?


「名前は?」


志倉真しくらしん。ししとききって呼び合ってた仲だろ~~? マジ、ショックだ」


「あー……悪ぃな。覚えてない。でも覚えた。よろしく、くらしん」


 誰なのか俺の記憶には無いが、津田以外の男のダチ? 登場で多少は楽しくなりそうだ。それはともかくとして、俺に近付いて来る奴は男に関係なく女でも何故か、馴れ馴れしくなるらしい。例の遅刻魔ひよりは、あまり寄ってこないがそれ以外の女子はやたらと話しかけてくるようになった。


「未喜貴くん、今日ヒマ? 明日休みだし、オールしない?」


「オール? というか、名前なんだっけ?」


「あ、昼のトキに名乗ってなかった。わたし、唯原羽多ゆいはらうた。よろしくー」


「どっちが名前?」


「下の名前なら羽多うたね。それはともかくさ、オールいこ? みんなも行くよ」


「みんな? それはあいつもか? 遅刻魔女子……」


 個人名を言うと変に勘違いされそうだったから、あだ名で聞いたみた。


「あぁ、ひより? もち。なになに、気になってんの?」


「遅刻魔が来るなら安心かもと思っただけだ」


「安心? あぁ、遅れて来るって意味のことかな? なるる~!」


 ウザい津田と覚えのない志倉、そして女子が数人とで俺はオールとやらに行くことになった。今はまだ、俺にとっても不安要素でしかない生活だが、何かが変わるきっかけになればと思った。何人かが仲良くなれば、俺も変われるのだろうか? そしてキスした女子は誰なのか、それが分かるまでは俺自身の中の心も分からないままかもしれない……

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