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ぼくの詩集

どす黒い虫(恋)

作者: 桜井あんじ

どす黒い虫が わいてくる

ぼくの からだの中心から


どす黒い虫が わいてくる

ぼくの こころのまんなかに

巣をつくるよ


どす黒い虫の巣に

ぼくをすきじゃない あのひとが

卵を産みつける


おかげでぼくは 日がないちにち

ぼくをすきじゃない あのひとのことを

かんがえている


あのひとをとおくから

ちらりとみかけただけで

いたくなる ぼくの心臓


ぼくをすきじゃないあのひとのこと

だいすきな ぼく


それもこれも すべて

あのどす黒い虫の せいなのです

あの 恋という名の 毒虫です


どす黒い虫が 住んでいる

ぼくのこころに 住んでいる


しかし どす黒い虫の吐き出す特殊な脳内麻薬の作用により

それらは 虹色の蝶々に見えているのです


ぼくのこころは どす黒い虫に占拠され

傷み 飢え 渇き 

かつてぼくだった ぼくは

どろどろと 腐って溶けてゆく

しかしそれですら

甘くここちよい痛みに 感じるのです

あの毒虫の出す 特殊ななんとか波のせいで


そうしてぼくは ヘラヘラとみっともない薄笑いを浮かべながら

どろどろと 幸福なまま

どろどろと

あのどす黒い虫のせいで

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― 新着の感想 ―
[一言] 結構好きです。 個人的には、脳内麻薬を虫から連想される他の言葉で表現して欲しかったなと。 次の作品期待してます。
2016/11/29 12:42 退会済み
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