春2話
「クラスが分かった生徒は自分の教室へ移動してください!」
何処からか先生の声が聞こえたけど、私は泣きたい気分だった。
あの後私達は見ず知らずの先生にクラス表をもらい、自分の名前を探した。ゆっくり、少しずつ私は探した。でも、自分の名前が見つかる前に私は春と葵の名前を見つけた。二人は同じクラスだった。
(私は?)
そう思い、そのクラス―2組の名前を順に見ていった。けど、そこに私の名前はなくて・・・。私は二人とは違う5組になった。
「・・・・・行こっか。」
春が言った。きっと春は私の気持ちが分かったんだと思う。
「そうだね。」
私達は昇降口から中に入った。まぁ、幸いなのは下駄箱が近いっていうことと、教室が階段上がってすぐっていうこと。2組は昇降口の隣だったから、休み時間でも遊びに行けばいいや。
私は一人で階段を登り、教室に入った。私は自分の席を探し座った。確か同じクラスの女子は一人しかいなかった。え〜っと・・・・誰だっけ?
「夏絵子!」
私がそんなことを考えていると私を呼ぶ声が聞こえた。見てみるとそこには河内山 沙羅がいた。沙羅は眼鏡をかけていて、いろいろなことをはっきり言って、喧嘩をよくする女の子だった。沙羅と同じかぁ・・・・。私と沙羅は喧嘩したこともあった。でも、そこそこ仲がよくってふざけあったりしていた。
「夏絵子と一緒のクラスかぁ・・・。めんどくさっ!」
沙羅はそんな風に私をよくからかうんだ。私もそれにのるんだけどね。
「それはこっちの台詞だって。また沙羅と一緒か・・。この1年大変だな〜!」
「まぁ、よろしく!」
沙羅がにかっと笑って言った。きっと今の話は周りが聞いたらこの二人は仲が悪いと感じるのかもしれないけど、私達にとっては普通の会話だった。
「よろしくしたくないけど、よろしく。」
「ひどっ!」
なんだかんだ言って、結局私達は凄い仲がいいのかもね。