8話:依頼の達成とランクアップ
今頃気づいたけど・・・ヒロインが出てこない(´・ω・`)
このままだと・・・タグ詐欺に・・・orz
愁は解体現場に辿り着いた。そこには屈強な男が5人はいた。
「おいおい、今回の冒険者は君かい?大丈夫?」
「えぇ、この家をバラバラにすればいいんですよね?」
「まぁ、そうだが・・・出来るのかい?」
そう言われながら愁はアイテムボックスから剣を取り出した。山賊達から盗んだ剣だ。そしてそれで構造上重要な柱を切り裂く。それを繰り返す事約10回、愁が作業を終えて家の中から出て、壁を殴った。
すると轟音と共に空家が完全崩壊した。その様子を見ていた男たちは唖然としていた。
「こんなもんで良いですかね?」
「あぁ、問題ない。あとは俺達でどうにかする。仕事が早くて助かったよ」
「いえ、ここに完了のサインをお願いします」
「あぁ、また機会があったら仕事を受けてくれ」
「はい。それでは失礼します」
そう言って愁は解体現場を立ち去った。
―――…――…―――
それから愁はテオドールの元へと行き届けた事を説明して完了のサインをもらってギルドへと向かった。そして受付にいたリムさんに声を掛けた。
「依頼が終わったから確認して欲しい」
「そんなまだ出て行って1時間すらたってないわよ?終わってるわk・・・えぇーー!?」
リムが目の前の状況を信じられないと言うように目を覆った。そこには依頼完了のサインのされた依頼書が2枚存在した。
「報酬頂けますか?」
「た、確かに依頼者による完了のサインがありますね。此方が報酬になります」
そう言って大銅貨6枚を渡してきた。
「ついでにこれも頼む」
そう言って愁はまたもや2枚の依頼書を出した。酒場の酒樽の運搬と酒場付近へと荷物を届ける仕事だった。
「・・・また受けるんですか?」
「えぇ、何か問題でもありますか?」
「いえ、では手続きをするのでギルドカードをお願いします」
そう言われて愁はギルドカードを出した。そしてしばらくして手続きを完了したリムがやって来た。
「では、頑張って下さい」
「はい。失礼します」
そう言って愁は再び依頼に出かけた。結果から言うと愁は朝から夕方まで10個のGランクの依頼を受けて終わらせた。するとリムが告げた。
「Gランクの依頼が10回終わったのでギルドランクがGからFになります」
「え?そんな事初めて聞いたんですけど」
「ほえ?私説明してなかったですっけ?」
「はい。隣にいたカリンさんに確認してみては?」
そう言われたリムはカリンに確認をした。するとカリンは言い忘れていたことに同意する。
「すいません。ランクに応じた依頼を10pt分受けるとランクアップが出来ます。同じランクだったら1pt、1個上のランクだったら2pt貰えます」
「なるほど。わかりました」
「今回は申し訳ないです」
「いえいえ御気になさらず。それでは失礼しますね」
そう言って愁はギルドを後にした。
―――…――…―――
愁はギルドにいた。そして依頼を探して2つの依頼に決めた。
「これとこれをお願いします」
毎度お世話になっている受付のリムさんの所に依頼書を提出する。
「ミニゴブリン5匹の討伐と薬草10束の納品の依頼ですね。ミニゴブリンはEランク、薬草はFランクで、それぞれ複数回依頼を達成することが出来る依頼になります」
「どういう事ですか?」
「例えばミニゴブリンを10匹狩ってきた場合ミニゴブリンの依頼を2回達成したことになります」
「なるほど。そういう事ですか。では失礼しますね」
「気をつけて下さい」
そう言われて愁はギルドを後にした。
―――…――…―――
愁は今都市の外にいた。そして槍を取り出し天に祈った。
(薬草が群生してるところに行けますように)
そう祈りながら槍を倒すと右斜め前を示した。そこから愁は20分ほど歩いた。すると小さな泉が目の前に現れた。泉の畔には手付かずの大量の薬草が群生していた。鑑定で確認できただけでも50束近く存在した。
そこから愁は30束を採取した。そして立ち去ろうとすると傍目に興味深い物が鑑定で見えた。
名前:天上薬草
説明:品質が有り得ないほど高い薬草。普通の薬草の500倍の効果を持つ。
愁はそれを丁寧に採取して薬草共々アイテムボックスへと仕舞った。そして同じようにその辺で木の棒を見つけて今度はミニゴブリンがたくさんいる方向に行きたいと願いながら棒を倒した。すると木の棒は泉の対岸の方向を示した。泉自体は3m程度の小さなものであったため愁は助走をつけて飛び越える事にした。
難なく飛び越えた愁は木の棒の指示した方向に向かってテクテクと歩いた。すると目の前に血まみれの今にも死にそうな瀕死の冒険者が現れた。
「うぅ・・・冒険者なのか?」
今にも消えそうなかすれた声で愁に問いかける。
「はい。この辺に薬草を採取しに来た愁と言います」
「この先にゴブリンに仲間が連れられてしまったんだ。まだ間に合うから助けてくれないか?」
「わかりました。善処します」
「頼んだ・・・」
それを最後に冒険者はガクリと倒れた。そしてもう助からないと悟った愁はスキルアブソープションを使って冒険者が持っていた『剣術Ⅱ』と『風魔法Ⅰ』を盗って冒険者の言った方向へと向かった。そこには、洞窟が存在した。
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