7話:宿屋と初めての依頼とテンプレと・・・
本日7話目(笑)
ここ最近ですんごく頑張ったと思う。今年の頑張った大賞期待できるかな・・・。
満腹食い倒れ亭はすぐに見つかった。中に入るとカウンターに女性が立っていた。
「あんた冒険者かい?宿泊かい?それともごはんかい?」
「はい。今日冒険者になったシュウと言います。宿泊したいんですがおいくらでしょうか?」
「冒険者なのに丁寧だね~!1泊小銀貨3枚だよ。ただしこれには朝食と夕食の値段が入っているからね、食事なしだったら小銀貨2枚で良いよ。」
「食事込みでお願いします。お風呂はないんですか?」
「風呂なんて王侯貴族にしか入れない贅沢品だよ。こんなしがない宿屋にあるわけないでしょ。代わりと言っちゃ何だが体を拭くためのタオルとお湯の入ったタライを中銅貨1枚で持って行くよ」
「では、夕食の後にお願いします。夕食は何時頃ですか?」
「夕食は、6時から9時までだよ。朝食も同じさ。何か他に質問はあるかい?」
「いえ、大丈夫です。1週間分の中銀貨2枚と小銀貨1枚でお願いします」
「1週間だったら中銀貨2枚で良いよ。これが鍵だよ。303号室がシュウの部屋だよ」
「ありがとうございます!では夕食の頃に伺います」
「あぁ。私は女将のラミアだよ。料理を作るのは旦那のセイルの仕事だ。見た目はあれだけど、旦那の料理は期待してていいよ」
「わかりました。期待して夕食を待ってます。ラミアさんまた後で」
「あいよ」
こうして愁は303号室に行って部屋でしばらく寝た後夕食を食べて体を拭いて寝た。
うん。セイルさんの料理、マジ神でした。すんごくおいしいです。病み付きになります。依存しそうです。と言うか依存しました。中毒性があります。別の意味で危険。しばらく食事の心配はいらなそうだ・・・
―――…――…―――
朝食を食べ終えた後愁はギルドへと向かった。そしてGランクの依頼を見ていると後ろから話しかけられた。
「こんな乳臭い餓鬼が冒険者かよ。冒険者の質も落ちたなー」
(あー、テンプレだな。新人いびりか・・・)
そう思いながら鑑定で相手のステータスを確認した。
名前:ゴンザレス
年齢:27歳
種族:人族 男
レベル:12
HP:200
MP:60
STR:120
INT:60
SPD:100
LUC:70
ギフトスキル>
生活魔法Ⅲ
スキル>
身体強化Ⅱ
体術Ⅱ
斧術Ⅲ
(これが俗にいう脳筋と言うやつか・・・しかも、ステータス低い・・・)
「おい、てめぇ聞いてるのか?」
「一応聞いてますよー」
「てめぇ舐めた態度取りやがって、そんなてめぇに冒険者の心得ってやつを教えてやるよ。表に出な」
(あー、かったるーい)
そう思いながらも渋々表に出る愁。ギルドの中は「またか」や「おいおい、あいつ大丈夫か?」と言った具合に騒がしくなってた。
「よし、今回は武器は無しで行く。お前は何でも好きな得物を使ってくれて構わない」
「負けたときにどうこう言わないで下さいよー?」
「ぶはっ!なんで冒険者ランクDの俺がてめぇみたいな初心者に負けなくちゃいけないんだよ!俺が負けたらこの後武器を買うときの予算の大銀貨5枚をてめぇにくれてやるよ!」
(予算すくねぇなー・・・)
「わかったー。んで開始の合図は?」
「このコインが地面に着いた時だ」
そう言いながらゴンザレスはコインを親指ではじいて上空に飛ばした。そしてコインが落ちるとともにゴンザレスは愁に殴り掛かってきた。ちなみにこの時の愁からするとゴンザレスの動きは亀のようにゆっくりに見えた。愁は難なく拳を避けると足払いでゴンザレスを地面とキスさせた。それを見ていた周りは唖然としていた。
ゴンザレス自身も何が起きたのかさっぱりわからないとばかりに呆けていた。そこに愁がナイフをゴンザレスの首元に当てて言った。
「これで俺の勝ちだよな?」
「い、今のは油断していたからな。ノーカウントだ」
それを聞いた周りの見物人は「せこいぞー」等のブーイングが出ていた。それを「うるせぇ」の一言で黙らせたゴンザレス。再びコイントスをした。今度は先ほどと違い不用心に突っ込んでは来なかった。愁はゴンザレスの動きを観察している。愁が動かない事にしびれを切らしたゴンザレスは愁に向かってまたもや殴り掛かってきた。先ほどとは格が違うスピードであったが、愁からすると亀が小走りをするような物で何ら変わりがなかった。もちろん先ほどと同じように足払いをして地面にキスさせて首元にナイフを当てて終了宣言をした。
「こ、今回も油断しただけだ。ノー「あー、もうめんどくさいですわ。んじゃ戦利品の大銀貨5枚は貰って行きますね。早く依頼を受けたいので」・・・てめぇ人の金を勝手に「自分で勝ったらくれるって言ったんでしょ?約束は守ろうや」・・・チッ」
地面に倒れたままのゴンザレスを放置して愁はギルドの掲示板に行って依頼を探した。Gランクの依頼は雑用であった。とにかくさっさと終わらせたかった愁は運搬の仕事と届け先の付近にある空家の取り壊し作業の2つを同時に受けた。カリンのところにはたくさんの人が行列を作り、昨日はいなかった美人の受付嬢のところにも人がたくさんいた。リムのところには何故か少なかったのでリムのところで並んでいて依頼書を出した。
「今日だけで終わるの?」
疑わしげな視線を掛けてくるリム。あぁこの視線癖になりそう・・・っと変態的な思考はどうでも良いとして、
「はい。多分1時間程度で終わるかと」
「!?」
愁の発言にビックリするリム。そんなリムを傍目に手続きを終えた愁は目的の商人の所まで向かった。
「君が荷運びの依頼を受けてくれた冒険者かい?」
「はい。シュウと言います。以後お見知りおきを」
「僕はテオドールだよ。そこにある3つの箱が依頼の品で、これを武器屋のグレイブさんのとこまで持って行くのが依頼だよ」
そう聞いた愁はアイテムボックスに箱をしまった。
「君アイテムボックス持ちなんだね。羨ましいよ」
「便利なスキルです。では行ってきますね」
そう言って小走りで目的地に向かった愁。愁は身体能力が高いため本気で走ると旋風が起きる程早いので、普段は小走り程度に抑えないといけない。ちなみにこの小走りでも自転車をこぐのと同じぐらいのスピードである。目的地には5分で到着した。
「すいませーん。テオドールさんに荷物の運搬を頼まれた冒険者のシュウです。グレイブさんはいますか?」
「おぅ坊主。俺がグレイブだ。依頼の荷物はどこだ?」
「これです」
そう言って愁は荷物をカウンターの上にアイテムボックスから取り出しておいた。
「坊主、お前アイテムボックス持ちか」
「えぇ、それとこの辺に取り壊し予定の空家があると思うんですけど、それってどこですか?」
「隣に2軒行ったところだよ。それとこいつを持って行きな」
そう言ってグレイブが鞘に納められたナイフを投げて来た。
「これは?」
「ダガーだ。丸腰じゃ心許ないだろ?そいつを持って行きな」
「ありがとうございます。では次の依頼があるので失礼します。今後武器が入用になったら伺いますね」
「おぅ、楽しみに待ってるからな」
こうして愁はグレイブの武器屋から空家を目指した。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
流石に次回は明日になります。