59話:王宮のその後とニーナ
前書きが長い!と言う指摘があっため今後感想の御返事をあとがきに回そうと思います。
それでは本編をお楽しみください。
「すまぬ。我が部下が迷惑をかけた」
「いえ、気にしないで下さい。それよりも私達をこの謁見の間へ呼んだ要件とはなんですか?もしかして先ほどのやり取りが目的ですか?」
威圧交じりに愁が国王へと疑問を投げかける。
「いや、ゴブリンキングの秘薬Ⅲの交渉を目的としておったのじゃ。しかし先程の事の始末じゃ、交渉はやめにする。正式にオークションで落とそうと思う。この度は迷惑をかけた」
「気にしないで下さい。それでは家に戻っても良いですか?」
「うむ、構わぬぞ。衛兵、この者を家へと送るのじゃ」
「はっ」
そう言われて愁はワープで帰ろうと思っていた意見を取り消して衛兵に連れられてハクと共に家へと歩いて帰宅した。
―――…――…―――
「ただいま。ルナ、何か変わったことはないか?」
「シュウさん、お帰りなさいです。来客がありました。今は居間にいます」
「わかった、すぐ行く」
そう言ってルナ、ハクと共に居間へと向かった。
そこには椅子に座る1人の見慣れないエルフがいた。
「シュウ クホウイン殿、お初にお目にかk・・・ってハク!?」
ニーナが突如表情を変えてハクの名前を呼ぶ。どうやら知り合いのようだ。
「うそ、貴女ニーナなの?」
「ハク、知り合いか?」
「はい、御主人様。ニーナは幼少の頃のお友達、つまり幼馴染です。サーシャさんは元気にしているの?」
ハクはニーナと友達であった。そのせいでサーシャとも面識があり、彼女たちがサンティアスに行く際にハクは冒険者としての道を歩むために別かれたのであった。そして今偶然にも再会を果たした。
「サーシャ様は元気にしています。そしてもし良ければ皆様にはサンティアスにお越し願いたいのです」
そう言ってニーナは今現在国がどうなっているのか、国王が秘薬Ⅲを求めている事、サーシャの依頼等の事情を説明した。
「つまりはわざと襲われてその場で反撃して相手側を全滅させてほしいと?」
「簡単に言うとそうなりますね。可能でしょうか?」
「可能か不可能かで言ったら、問題なく出来るね。でも断らせて貰うよ。サンティアスには行かない」
愁の決定に驚くニーナ。ハクの表情は完全に呆れていた。
「ちなみに理由をお聞きしても構いませんか?」
「まず第一にそれって俺に対して『国をどうにかしてくれ』って言ってるようなものだよね?パーマナリアにいる俺からするとメリットもないのに襲われると分かっている場所にのこのこ現れる意味がない。そして2つ目にニーナさんではなく別の人が使者だったとして、サンティアスに来て欲しいと言われても行くつもりはない。別に売る相手に関してはこっちとしては困ってないからね。わざわざ行く必要ある?そして最後に今から向かったとしてもオークションの出品に間に合わないから来いと言われても行けない」
愁の指摘は正しかった。サーシャの発言では確かに愁に対して投げやりなので無責任この上ない。さらに急いでいたため詳細を決めることは出来なかったが、依頼だけを言って報酬に関して言わない。これは超が付くほどの失礼な行為である。わかりやすく言い換えるとタクシーを止めてどこどこまで行って欲しいが今はお金を持っていないので後払いで頼む。と言っているようなものだ。
それに今から行って帰って来たとしてもオークションには間に合わないし、売る相手に関しても秘薬Ⅲは超稀少アイテムのため、誰もがのどから手が出るほど欲しいアイテムである。そのため売る相手にも100%困っていないだろう。むしろサンティアスのような小国との直接交渉よりもオークションで販売したほうが利益が出るのは当たり前である。
「・・・確かにそうですね。少し焦り過ぎて思慮が足りませんでした。申し訳ございません」
ニーナは愁の話を聞いて心の底から謝った。自分の愚かさを実感した。自らの行いがどれ程ガサツで失礼な行為かを改めて考えさせられた。言われてみれば愁の言う通りであった。
(あぁ、シュウ殿の仰る通りだわ。私もサーシャ様も国の上層部に影響されてきているのかしら・・・)
「シュウ殿、2つ質問構わないですか?」
「うん?何?」
「しっかりとした報酬さえあれば先程申した依頼は受けて頂けるのですか?」
「しっかりとした相応の見返りがあればちゃんと受けるつもりだよ。でもしばらくはサンティアスに関する依頼は受けないつもりかなー。何されるか分かんないからね」
「畏まりました。もう1つはサーシャ様としっかりと話し合うために時間はかかりますが文でのやりとりを希望するのですが無理でしょうか?」
「文ぐらいなら構わないよー。ギルドに通してくれれば受け取るよ」
「ありがとうございます。それでは私は報告へと向かわなくてはいけないのでこれにて失礼します」
そう言ってニーナは愁の家を後にした。
―――…――…―――
「ハク、あの子助けたい?」
「私は昔馴染みなので出来れば助けたいです。しかし御主人様に危険の及ぶような行動はしてほしくありません」
「そっか。サンティアスか・・・。ハク、夕飯になったら起こして」
「畏まりました」
愁はぼやいたのちに自分の部屋へと戻り眠りについた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次回は早ければ今日中、遅くても明後日の夜には投稿する予定です。




