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55話:薬とじゃんけんと名前

54話にてゴブリンキングとゴブリンロードがごっちゃになってまちがっていた箇所があったため修正しました。指摘して下さった方、ありがとうございます!

 ゴブリンキングの秘薬。それはゴブリンキングを倒すことによって手に入れる事の出来る秘薬でⅠ、Ⅱ、Ⅲの3種類が存在する。Ⅰはありとあらゆる病気を治す薬。ドロップ率で言えばこのⅠが5割を占めているため、ゴブリンキングを倒せば大概はこの薬が残ることになる。Ⅱはレベルアップの薬。ドロップ率は4.9割を占めているため、ⅠとⅡがドロップアイテムとして一般的に市場に出回っている。そして0.1割の確率で落ちて最も稀少なⅢはあらゆる種族の間柄でも愛の営みを行えば子を絶対授かる事の出来る子宝の秘薬である。


 長いアイリスの歴史でこのゴブリンキングの秘薬Ⅲは2度しかドロップしたことのない超稀少ドロップ品である。効果が効果であるため値段もとんでもない。過去2つの薬はそれぞれ王族が買い取った。その時の金額は1つ目が大金貨7枚、2つ目の時は閃貨1枚と言う値がついた。何故ここまで高いのか、アイリスは一夫多妻制である。だからと言って子供が生まれるとは限らない。国王ともなると妻が10人いるというのは普通である。そんな中でも子供に恵まれない国王は歴代でも数多く存在するのだ。しかしこのゴブリンキングの秘薬Ⅲは確実に子供を授かる事の出来る品であるため、後継ぎのいない国王からすると何としても欲しい1品である。ちなみに参考程度に今アイリスにある3つの大国のうち、後継ぎのいない国はアスタリア帝国とパーマナリア大国の2国である。アスタリア帝国は子供自体に恵まれていないのが現状で、パーマナリア大国は子供自体は2人いるが、両方女であるため男の跡継ぎが存在しない状況である。


 そんなとんでもない超稀少ドロップを手に入れた愁はとりあえずドロップ品を回収した後にワープを使ってパーマナリアの都市にある自宅へと戻った。そう、ゴブリンキングの秘薬Ⅲの使い道を考えるためである。



―――…――…―――


「さて、このゴブリンキングの秘薬Ⅲをどうする?俺的には売りたいんだが・・・」


「特にお金も入用ではないのでアイテムボックスに入れておくというのはどうでしょうか??」


「私、使ってみたい!」


 愁とハクとルナの意見は対立していた。使ってみたい方がルナで取り置きがハクである。


「うーん・・・対立したかー・・・んじゃ、じゃんけんで決めるか!」


「「じゃんけん?なんですそれ?」」


「じゃんけんってのはねー」


 そう言って愁はじゃんけんの説明を始めた。グー、チョキ、パーが出せてそれぞれの相互関係も説明した。


「と言うわけだ。何か質問はあるか?」


「「大丈夫です」」


「それじゃ始めるか」


「「「最初はグー、じゃんけんポン!」」」


 愁とハクとルナは見事に違う手を出した。そう、あいこである。


「「「あいこで・・・」」」


 今度は愁とハクがグー、ルナがチョキを出した。ルナはこの時点で負けが確定したので部屋の隅っこで体育座りをして地面に「の」の字を書いている。あれ?ここ異世界だよね?


 そんな事を考えていたが勝負は待ってはくれなかった。


「「最初はグー、じゃんけんポン!」」


 愁はチョキ、ハクはパーを出した。


「決まりだな。この薬はオークションで売却だな」


 愁の言葉にルナとハクが地面に項垂れる。


「なんであの時グーを・・・ブツブツ」


 ハクが地面に項垂れながらそんな事を言っている。そんな光景を見た愁は


(この光景懐かしいな!)


 そんな事を考えながら愁とハクとルナはギルドへと向かった。



―――…――…―――


 ギルドに入ると受付にリムがいる事を確認した愁はリムの下へと行った。


「リムさん、ちゃんと大人しくここにいましたか?」


 皮肉交じりでリムに聞く愁。


「はい、それよりこんなに早くどうされたんですか?まさかとは思いますが依頼を終わらせたんですか?」


 それもそのはず。愁とリムが分かれて未だ1時間程度しか経っていなかったのだ。


「そのまさかですよ~、それとゴブリンロードではなくてゴブリンキングでしたよ?」


「へ?」


 ギルド内がシーンとする。10人程度の冒険者とリムとカレンの全員が愁の発言を聞いて黙ってしまった。


「あれ?リムさーん?」


 愁がそう言ってリムの目の前で手をフリフリする。するとリムは再起動した。


「はっ!?すいません、もう一度言って頂けますか?」


「だからゴブリンの巣の主はゴブリンキングでした」


「・・・シュウさん、貴方はどこまで規格外な存在なんですか?」


「俺、人間だよ?」


「シュウさんは人の皮をかぶった何かでしかないです。それよりゴブリンキングがいた事を証明できるものはありませんか?」


「これで大丈夫ですか?」


 そう言って愁はアイテムボックスからゴブリンキングの秘薬Ⅲを取り出す。


「こ、こ、こ、こ・・・・」


 リムがプルプル震えている。


「これゴブリンキングの秘薬Ⅲじゃないですか!?」


 リムが今日一番の叫び声をあげる。


「そうだよ~、それで証明になった?」


「え、えぇもちろんです。それでは報酬も変えないといけませんね。報酬は大金貨3枚になります」


 そう言って報酬の大金貨3枚をカウンターの上に置いた。


「ち、ちなみにそのゴブリンキングの秘薬Ⅲはどうされるのですか?」


「オークションに出すつもりだよ?確か4日後にこのパーマナリアの都市でオークションがあったよね?」


「えぇ・・・わかりました。カレン、各国のギルドに連絡を急いでください」


 リムのその発言にカレンはようやく再起動してリムに言われたとおりに各国のギルドに連絡をする。それほどゴブリンキングの秘薬Ⅲは稀少な物で需要の多い物らしい。


「あ、それとシュウさん、ユニークモンスターを倒したのであなたのパーティー名が決まりました」


 あ、そう言えばそんなのあったな!愁は最近の忙しさから完全に忘れていた。


「シュウさん達のパーティーはこれから『漆黒の天使』を名乗って貰えますか?」


 何故だ・・・愁はパーティー名を聞いてそう感じた。そして無意識のうちにこう言っていた。


「無理!」

最後まで読んで頂きありがとうございます!


ゴブリンキングの秘薬Ⅲはオークションで販売と言う形にしました。

不服かもしれませんが今回は(意味深)見逃して頂けると有難いです。


次回は本日中、遅くても明日には投稿する予定です。楽しみにしていただけると有難いです。

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