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29話:オークションと予想外の遭遇

修正:


5話にて人名を間違えていたため修正。


28話にて死んだ者が、死んだ物になっていたため修正。

 次の日の朝、愁はいつものようにハクのキスで目が覚めた。


「おはよう。ハク」


 そう言ってハクを抱きしめる愁。抱きしめ終わるとハクが答える。


「おはようございます、御主人様」


 こうしてオークションの日が始まった。



―――…――…―――


 愁とハクは朝食と着替えを済ませた後にオークションの会場となる商人ギルドへと移動した。愁達の出番は1番で、その後は自由にオークションに参加しても良いとの事。


オークションが始まると早速愁達の出番がやってくる。


「本日最初の出品は冒険者シュウによる土の魔石の出品だー!」


 司会者の言葉に場内は活気に包まれた。


「値段は500万Lからスタートです」


 司会者のその言葉と共に、会場の全ての人が落札に参加する。


 オークションでは、入札開始時の10倍の金額まで現在の金額にプラスすることが出来る。今回の土の魔石の場合、最大で5000万Lを追加で出すことが出来る。そして最低でも開始時の金額の1/10は上乗せしないといけない。今回で言うと500万Lの1/10なので50万L枚は絶対に追加しないといけない。


 そしてオークションの参加のためには会場に入場の際に100万Lを払わなければいけない。これを払わないと入札にも出品にも参加できない。ちなみに奴隷に関しては主人の者が払わないと一緒に入ることが出来ない。もちろん愁はハクの分も払ってこの会場に入っている。


「600万L」


「700万L」


「800万L」


「1000万L」


 難なく土の魔石は中金貨へと値段がシフトする。


「1100万L」


「2000万L」


「3000万L」


「5000万L」


 値段は鰻上りにどんどん上がって行く。難なくギルドでの買い取り価格を超える。そんな中でもしばらくすると大金貨へと到達した。


「1億5000万L」


「2億L」


「2億5000万L」


「3億L」


 誰かが3億Lと言うと周りの声が静かになった。すると司会者が確認してくる。


「3億L。3億Lより出すお客様はいませんか?」


 司会者の問いかけに誰もが沈黙を貫く。


「この度の1品目、土の魔石は3億Lでの落札となりました」


 その声に落札した人はガッツポーズをしている。見た目的にどこぞの貴族のようだ。それが終わると愁は貴族の人の下へと行って土の魔石を渡し大金貨3枚、3億Lを受け取る。そして席へと戻りオークションに参加する。


 愁の魔石の後は迷宮の宝箱での出土品が出てくる。剣、槍、斧、杖、弓、短剣、鎧、ジャケット、ローブ等々様々である。また気になったのは、皿の出品があった。どうやら遺跡で発掘された歴史的に貴重な品らしい。またもやどこかの貴族が大金貨5枚で落札する。あの人どんだけ金持ちなんやねん・・・


 そうこうしているうちに最後の出品物となった。


「最後の出品の品は此方の召喚武器になります」


 召喚武器。それは武器に血を1滴垂らすことにより体内に消える武器であり、頭の中で念じると取り出す事の出来る武器であり、同じものは2つと存在しない超レアな武器である。最低でも大金貨7枚の値段が付くとんでもない品だ。


 さて、そんな召喚武器であるがそれを見た愁の顔が真っ青になっている。それもそのはず、その召喚武器とは愁の世界では当たり前のように存在するがこの世界には決して似つかわしくないもの。


 そう。日本刀であった。明らかに過去の転移者が作ったであろう代物だ。とりあえず愁は鑑定してみる事にした。


日本刀(紅鴉)

召喚武器。超大業物。魔剣でもある。作者は黒鉄一心。


 ・・・。完全に作ったの日本人やんけ!


「此方の武器は『にほんとー』と言う召喚武器です」


 おしい!うん。わかるよ。他国の人からすると日本語難しいよね・・・


「この武器は一つ変わった性能を持っており、主人と認められる者に対しては柄の部分にある宝石が赤く光るという性質があります。しかもこの宝石には魔力を貯めておくことが出来るので魔剣としても流用が可能です」


 魔剣。魔力を流す事の出来る剣を指す。魔剣は魔力を流して斬る事により対象に剣の持つ属性に対応した性質の効果を付与することが出来る優れものである。炎だと着火、水だと氷結、風だと切断、土だと掘削、光だと麻痺、闇だと侵蝕の効果を持つ。この日本刀は持ち主の使える魔法の属性の性質を使う事の出来る素晴らしい仕様になっているのは愁はまだ気づいていない。


「ちなみにこの召喚武器の御値段ですが、主人と言える人が今まで100年近く出てこなかったため、曰くつきの品とも呼ばれ始めています。それ故にこの度は1億Lで良いそうです」


 出品者太っ腹だな・・・


「それでは欲しいと思った方は並んでください」


 そう言われて会場にいるほぼ全員が並ぶ。そして各々指に傷をつけて日本刀に血を垂らす。しかし誰が挑んでも刀が赤く光ることはなかった。そして愁の出番になる。愁は自分の指に傷をつけて血を一滴たらす。すると刀が赤く発光しだした。


「おぉ・・・これぞまさしく主の証だ!新たな主の登場だ!」


 それを聞いた周りの人や後ろに並んでいた人皆一様にガッカリする。


 そして愁は出品者に対して1億Lを払う。とんだ偶然で故郷の武器を手に入れる愁。それを影から見つめる深々とローブをかぶった人が見ていることに愁はこの時気付かないでいた。

最後まで読んで頂きありがとうございます!


次回の話は本日中に投稿する予定です。

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