21話:実験と迷宮
試験勉強したくない・・・でもしないと・・・
あぁ、小説を書くという現実逃避を・・・
告白をした次の朝、愁はハクと抱き合っていた。お互い裸で。愁の目が覚めた事に気が付いたのか、ハクがキスをしてくる。もちろん舌を絡ませてくる。
「おはようございます。御主人様!」
「おはよう、ハク」
そう言って起きた愁はハクと共に朝食を食べる準備をする。
朝食を食べ終えた2人はラミアに今まで世話になったこと等の謝辞を述べ満腹食い倒れ亭を後にした。
―――…――…―――
「御主人様、本日はどのように過ごされるのですか?」
「今日は色々と実験をしようと思う!」
実験。愁はスキルフュージョンを使い新たなスキルを生み出す実験をするつもりでいた。
「それでは本日は新居にて過ごす予定ですか?」
「うむ。それで明日には迷宮に行こうと思うのでな。と言っても探索スキルや罠解除スキルが必要のない5階層までを探索するつもりだ」
「5階層まででしたら様々なゴブリンだけですので私と御主人様なら大丈夫そうですね!」
「様々なゴブリン?」
「えぇ、ゴブリンだけではなくゴブリンメイジ、ゴブリンヒーラー、ゴブリンシーフなどが出てきますよ。しかもゴブリンメイジは個体によって使う魔法が違うので最初の方は苦労するんですよ」
(なんだと・・・と言う事は迷宮5層までで魔法コンプリート出来るんじゃね?これは今後の実験にも使えそうだな!)
「そうか。確かにそれならなんとかなりそうだな」
そんな感じに2人で話していると新居へと到着した。そして空き部屋にてスキルフュージョンの実験を行った。
―――…――…―――
「とりあえずスキルフュージョンを使って新しい魔法を作ってみようと思う。炎魔法Ⅱと風魔法Ⅰを混ぜてみようと思う」
そう言って愁はスキルフュージョンで2つのスキルを融合した。すると新たなスキルが誕生した。
ヘルフレア。炎が風によって巨大化し、まるで地獄の業火の様な見た目から名付けられたギフトスキル。風魔法と炎魔法を持つ者が極々稀に取得できる大規模破壊魔法。
「・・・なんかいきなりとんでもないスキルが出来た」
「どのようなスキルが出来たのですか?」
「ヘルフレアって言って大規模破壊魔法だって」
「ヘルフレアは確か1300年ほど前のエルフの祖先の方が使うことが出来た魔法だとエルフの英雄伝にあったような気がします」
「明日迷宮で威力の実験だな!」
「明日が少し楽しみです。他には何か新しいスキルは作れそうですか?」
「今は多分厳しいかなー。それとついでにハクに『魔物鑑定』のスキルを渡そうと思う。スキルトランスファー。どうだ?」
「なんとなくですがスキルが増えたような気がします」
「よし、これで武具やスキルの準備は万端だな。あとは必要な物を買い出しに行くか」
「かしこまりました。御主人様」
そう言って2人は明日の迷宮のための買い出しを行った。
―――…――…―――
次の日の朝。いつものようにハクのキスで目覚めた俺はハクが用意してくれた朝食を食べて身支度をしてギルドへと向かった。
うん。ハクの料理おいしい。満腹食い倒れ亭と良い勝負だ。あれだね・・・一家に一台ならぬ一家に一人だね!渡すつもりはさらさらないけど!
そんなこんなでギルドに着くと毎度恒例、リムのいる受付へと並ぶ。
しばらくすると順番が来た。依頼書を持ってないせいかリムさんに睨まれる。
あぁ・・・この視線、心地いいわー。このままずtt・・・ゲフゲフ。少し暴走しちゃいました。
「迷宮に行きたいので許可証をお願いできますか?」
「かしこまりました。迷宮は危険ですので御気をつけて」
そう言ってリムは木の札を渡してきた。そして愁とハクは迷宮に向けて歩いて移動した。
―――…――…―――
歩く事30分。迷宮へとたどり着いた。
この世界における迷宮は冒険者からすると宝の山である。規模は迷宮によって違い最大な大きさでも100層であり、最小だと10層程度しかない。何故迷宮が出来るのか?それは永遠の謎であった。
そんな迷宮であるが、中は洞窟のようになっており、5の倍数の階にボスが存在する。例えば今から行こうとしているパーマナリアの迷宮では1~4階層はゴブリンがおり、5階層にはゴブリンメイジ、ゴブリンヒーラー、ゴブリン×3がいる。
また迷宮にしか出現しない特殊な魔物がいる。ワーピングドラゴンと言って、非常に逃げ足が速く、尚且つスキルのワープを使うため討伐が非常に困難な魔物である。しかし過去に3度ほど討伐され、その際には確実に属性魔石を落とす。この属性魔石はドラゴン等を討伐した際に極稀にドロップするもので非常に高価な代物である。使い勝手は非常によく、生活に使えば便利グッズへと、武器の素材に使えば属性武器の作成、防具に使えば属性耐性を持つ防具を作る事が出来る。また属性は倒したドラゴンによって違う。ワーピングファイアードラゴンや、火竜を倒した場合は炎の魔石と言った具合だ。この魔石欲しさに迷宮へとやってくる冒険者や貴族の数は底知れず多い。
さて話がそれたが愁とハクはついに迷宮の中へと入った。中は洞窟になっているが何故か程よい明るさだ。ハク曰く「洞窟にはヒカリイシと言う石が壁に使われているせいで明るい」との事。ダンジョンに入ってしばらくすると目的のゴブリンが現れた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!




