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20話:恋~Sight of HAKU~Ⅰ

今回はハク視点の話です。

私はハク・アルフィン。迷宮区を主な活動の地域としていたDランクのエルフの冒険者。ある日、私の唯一の家族である兄で冒険者のクロード・アルフィンが怪我をしたの。しかも私の兄はその時、新しい武器を手に入れてウキウキしていたのか、単純なミスを犯したの。しかも怪我の具合がひどく、治療には多大なお金がかかりそうなの。私はどうなっても良いから、兄だけは助けたい。だから私は奴隷になることを覚悟したの。兄にはもちろん反対された。でも兄だけは・・・だから私は兄には内緒で奴隷になったの。そのことを報告した時はとても怒られたわ。でも後悔はしていない。


 そんな兄だけど「待ってろ。すぐに俺が買い戻してあげるからな」って言ってくれた時は嬉しかった。


 しかし、そんな私に辛い現実が突き刺さった。兄の死である。兄は私を買い戻そうと少々難しい依頼を受けたのだった。その時に殉職したらしい。御世話になっている奴隷商の話だからまず間違いない。私は悲しかった。せっかく兄は寿命を延ばすことが出来たのに、すぐ死んじゃうなんて・・・


 私は奴隷になったのは無駄だったの?そもそも兄は死ぬ運命にあったの?


 わからない。いくら考えてもわからない。


 そんな兄の死の次の日、16~20歳の戦闘用の奴隷を探しているという冒険者のお客さんが来た。私からしたらどうでも良い。そう考えていた。もう私に家族はいない。


 そんな私を気にせずその冒険者の人を連れたカインさんが扉をノックした。扉が開くまで冒険者さんはオロオロワタワタしていた。


 何あれ・・・本当に冒険者?非力でそうには見えないな・・・でもなんだか反応が可愛いな。守ってあげたくなっちゃうな。こういう事が母性本能がくすぐられるって言うのかな?


 それにめずらしい髪の色と瞳の色・・・悪くない。


「いk「面談お願いします!」・・・左様ですか。では一旦最初の御部屋へと行っていてください。私は面談の準備をしますので」


 さっきまでとは大違いではっきりと言う冒険者。


 ドクン。確かにそう聞こえた。なよなよしたのも悪くないけどさっきみたいにはっきりしたのも良い!今まで会ってきた人とは何かが違う。なんだろうこの気持ち?もやもやする。



―――…――…―――


 私は案の定さっきの冒険者に面談に呼ばれた。面談をするのは全部で3人。犬の獣人のミセルさんと人族のルゥさん。そして私。


 ルゥさんが終わってついに私の番が来た。あの人に買われたい。無意識のうちに何故かそう思っていた自分がいた。


「失礼します」


 そう言ってはいるとあの人がソファーに座っていた。


 ドクン。また聞こえた。姿を見ただけなのに・・・なんだろうこの気持ち・・・。


「まずは自己紹介しようか。俺はシュウって言うんだ。君の名前は?」


 優しくあの人がそう言ってくれた。シュウ。彼はそう言った。シュウ様・・・


「ハクと申します。御主人様、いくつか質問してもよろしいですか?」


 しまった!買ってもらえるかわからないと言うのに間違って御主人様と呼んでしまった・・・はぅぅ。


「うん?大丈夫だよ?なんだい?」


 そんな私の懸念など気にしないで優しくそう言ってくるシュウ様。とりあえず・・・


「失礼ですが御主人様の冒険者ランクは?」


「Eだね。でもCランクまでの試験を受ける権利は持ってるよ」


 しまった・・・また御主人様と・・・そしてEなのにCランクの受験資格!?どういう事なの?


 でも、一緒に冒険する分に関しては何の問題もなさそうだわ。良かった。


「心配する必要はなさそうですね。今後どういった事をしようと思っているのですか?」


「迷宮に入ろうと思う。俺は田舎から冒険者になって迷宮に入って稼ごうと思って来た人だからさ。少しでも迷宮の事を知っている人とパーティーを組みたいんだけど、周りに信頼できる冒険者がいないから奴隷を買おうと決めていたの。ハクは迷宮について知ってる?」


 また迷宮が探検できそうだわ。私本気でこの方に買って欲しいわ。それにシュウ様はすんごく優しそう。


 あれ?シュウ様の事を考えると胸の辺りが熱を持ってしまうわ。特に痛くはないのだけど・・・なんだろうこの気持ち?・・・とりあえずシュウ様の質問に答えなくちゃ!


「私は迷宮を主な拠点として活動をしていたので問題ありません。次に最後の質問です。拠点等はどうされるおつもりなんですか?」


「今は宿屋に住んでいるけどハクを買っちゃうと宿屋で住むには効率が悪いと思う。だから借家を借りて生活をするつもりだよ。でもハクの希望も聞くつもりでいる」


 ・・・買われたい。私は本気でそう思った。そして気付いた。昔友達のエルフの子が言ってた。


『恋をするとこの辺が熱くなるんだってー。私も恋が出来るのかなー?』


 そう言いながらその子は胸の辺りを触っていた。


 これが恋。これが一目惚れ。


 ってシュウ様を待たせちゃダメだ!でももう質問はないや・・・どうなっちゃうんだろう?


「左様ですか。私からの質問は以上になります。ごs・・・シュウ様から何か質問は御座いませんか?」


 また御主人様って呼びそうになっちゃった。でもなんとか訂正出来た!


「そうだねー・・・料理とか掃除とかを借家を借りたらすることになると思うけど大丈夫かな?」


 何?そんな事大丈夫に決まってるでしょ?むしろ奴隷からしたらあたりまえじゃないのかしら・・・?


「えぇ、お任せください。こう見えて料理のスキルもしっかりと所持しております。シュウ様のお役にたてるかと思いますよ?」


 はぅぅ・・・私ったら何を言っちゃってるの・・・恥ずかしい!


「他には今のところはないかなー」


 あれ?終わっちゃうの・・・もっと話したい、もっと一緒にいたい、もっと、もっと・・・あぁ、ダメだわ。落ち着かないと・・・


「かしこまりました。この度は面談に呼んで頂きありがとうございました」


 そう言って私は左奥への扉へと入って行った。その後しばらくしてシュウ様が私を買ってくれることが決まった。その時ほど嬉しい事はなかった。私の一目惚れから始まった初恋・・・まだ続きそう!

最後まで読んで頂きありがとうございます!


なんか書いていてスッキリしません。うーん、やっぱりこういう描写は苦手な気がする。でも何とか形に出来た!


今後少しづつ直して良い感じにしていこうと思う!


それ以前に賛否両論の意見(多分否定的な意見が多そう・・・)が来そうで非常にびくびくしています。


豆腐メンタルな作者ですのでもし良ければお手柔らかにお願いします・・・。

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