1話:プロローグⅠ
お久しぶりです?
新しい作品の方が早くできてしまいました。
楽しんで頂けると有難いです。
20XX年の日本のとある場所。そこには一人の若者がいた。彼の名前は久鳳院 愁。見た目は黒髪に黒い瞳。体型も良く、顔も中の上か上の下ぐらいのどちらかと言うとイケメン寄りである。年齢は18歳の高校3年生、運動神経も才能なのか全てのスポーツをある程度こなせる程良い。それなのに学年でTOP5に入るほどの頭の良さを持つ。『天は二物を与えず』と言う諺があるが、彼には当てはまらなかった。
そんな彼であるが年齢=彼女いない歴である。何故彼がモテないのか、それには1つの理由がある。愁は昔人を殺したからである。
愁は両親と共に暮らしていたが、愁が中学1年の時に愁の家に強盗が入ったのである。愁が学校から帰ってきて家に入ると見知らぬ人が玄関に立っていた。突然愁が帰ってきたことに強盗が驚き出刃包丁を取り出し愁に向かって行った。しかし愁は近くにあった木刀で剣道で言う『小手』で犯人の手から包丁が落ちた。それを好機と見た愁は強盗の喉元に向けて『突き』を放った。その際に当たり所が悪かったのか強盗はこの世に帰らぬ人となっていた。
強盗が気を失っていると思い込んでいる愁は玄関にある電話で110番をして警察を呼んだ。そしてそれが終わると両親の安否確認を怠っていた事に気が付き家の中へと入って行った。するとそこには残酷な景色が広がっていた。バラバラにされた父親と母親と思わしき肉の塊が無造作に床に山積みになっていた。辺りは嫌な臭いが漂っていた。それを見た愁はあまりのショックに自分の意識を失った。
愁が目を覚ましたのは強盗に遭遇した次の日であった。愁はその日に警察に事情聴取を受けた。そしてある程度事情を話したら釈放された。家に帰るとそこには一人にしては広すぎる空間があった。もうすでにいない両親。両親の保険金や貯金である程度の暮らしが可能だと考える。まだ両親の死を受け入れられない彼であるが一人でなんとかすると死んだ両親に誓った。
しかし周りの対応は変わってしまった。ほぼ全ての人が愁を怖がった。人殺しや殺人野郎等の滅茶苦茶な言われようだ。そんな中でも近所の家で幼馴染であった東 翔だけが変わらなかった。翔がいたからこそ愁は生きてこられたと言っても過言ではない。数少ない愁の理解者であった。
そんな愁と翔だが高校1年になった時に愁と翔は突如として決別する事になった。原因はトラックの飲酒運転による事故死だ。翔はその日、部活が遅くなっていつもより遅めに帰っていた。そこに酒に酔ったまま運転したトラックが歩道を歩いていた翔に激突した。それ以来愁は独りぼっちであった。
独りぼっち。両親もいない。そんな愁にはこの世に未練と言う物が存在しない。いつの日かライトノベルのように異世界に行って第2の人生を歩んでみたいと思うようになった。
そしてその願いが今日叶った。
愁はその日学校から帰っていた。そんな愁の頭の上に突如包丁が突き刺さった。周りには誰もいない。なのに包丁が愁のはるか空の上から降って来たのだ。
愁は突如死んでしまった。ちなみに彼が最後に考えていたことは・・・
『今日の食後のデザートはやっぱり森〇のぷっちん〇りんだな!』
であった。限りなく情けない愁の最後であった。
―――…――…―――
「ここはどこだ?」
愁が目覚めるとそこは真っ白な空間であった。そして周りを見渡すと愁の他にも2人の男性と2人の女性がいた。年齢は愁が一番若い18歳、次は男性の22歳、女性の23歳、男性の25歳、女性の27歳であった。皆一様に言えるのは、気が付けばこの場所にいたらしい。
22歳の男性は海道 智也。智也はこの場に最初にやって来たらしい。それと同じタイミングでやって来たのは23歳の女性の南 晴香。晴香は智也と付き合っておりデートをしている最中に気が付けばこの場にいたらしい。
次にやって来たのは残りの2人である。男性の村田 聡と女性の村田 美香。名前でわかる通り彼らは夫婦であり、新居を探して2人で歩いていたところ突如この場所にやって来たらしい。
お互いの自己紹介が終わったところで目の前に突如女性と男性が現れた。しかも超が付くほどの美男美女だ。この世の者とは思えないほどの美しさだ。すると美女が5人に声を掛けた。
「初めまして~。私は女神です~」
それに続くように男性が声を出した。
「俺は神だ」
するとその場にいた皆が明らかに焦りだした。しかしその中で智也が一番に声をあげた。
「何故神様と女神さまがこの場にいるんですか?そもそもここはどこなんですか?」
「ここは天上界だよ~!」
女神の発言にまたもやざわめきが辺りを包む。そして今度は聡が声を出した。
「何故俺たちは天上界にいるんですか?」
「この場にいる理由だが、俺達の夫婦喧嘩に君たちを誤って巻き込んでしまったからだよ。申し訳ない」
そう言って頭を下げる神と女神。それを聞いた5人は怒りをあらわにした。しかしそうなるのがわかっていたかのごとく神が続けた。
「君たちを巻き込んでしまったことは非常に申し訳ないと思う。しかしこうなった原因が俺達にあるから今回は君たちを別の世界、つまりは異世界に転移させようと思うんだ。もちろん特典付きで転移させる」
それを聞いた5人は、様々な反応を見せた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
何と言うか、ほぼ説明で終わっちゃいました。
おおよそ1話=2000字程度を目途に書いていきます。