131話:遭遇?
遅くなりましたorz
愁は満足していた。先程、大量虐殺を行っていたとは思えないほどに心の中がスッキリしていた。原因は自らの邪魔をする存在がまた一つこの世界から消えたからである。
(いやー、邪魔なやつがまた減ったな!)
現在愁はそんな呑気な事を考えながらのんびりと歩いている。ワープが使えるのになぜ歩いているのか、その理由は以前使ったフェニックスリヴェンジャーが原因である。スキル使用の副作用により愁のステータスは全て1/10になっている。そのため、今いる地点から愁の行きたい地点までワープを使って飛ぶことが出来ない状況である。つまり、正確にはワープが使えるが使えないと言うなんとも矛盾した現状に愁は置かれている。そんな状況だからか、愁はどうせならという事で時間の赴くままにのんびり歩いているという現在の状況に至る。
さて、そんな歩いている愁であるが目の前にとあるものを発見する。それは、男が1人の少女を今にも連れ去ろうとしている。
(なんだこのテンプレ展開……?まぁ細かい事は良いか)
「なぁ、お前、何やってんだ?」
愁が暴れている少女を肩に担いでいる人間に問う。
「うぉ、いきなり話し掛けるなよ。ビックリしたじゃねえか。今な、ここで奴隷を見つけたから運んでたんだ」
愁はその奴隷と呼ばれた少女を見た。その少女は先程男が言った事が正しいのであれば魔族という事になる。首輪をしているにもかかわらず男に対して攻撃をしている点から愁が来る前に首輪を付けられた、つまりは違法奴隷か、別に主人を持つ奴隷と言う事が考えられる。容姿は薄汚れているが赤い髪をツインテールにしており、その顔だちも同じく薄汚れているが美少女と呼ぶには問題ない程の容姿をしている。そして極めつけは胸である。そう、この魔族の少女、ぺったんこなのである。俗にいう絶壁やまな板と言う奴だ。結論を言おう。この魔族の少女は、美幼女と呼ぶのにふさわしい。
「ねぇ……私は何か悪い事をしたのですか?何故私は連れ去られてるんですか?お父さんと一緒に薬草を採っていただけなのに」
涙ながら懇願する魔族の美幼女。そしてこの時のセリフで愁は理解した。この魔族の美幼女は違法奴隷である。
「なぁ、お前ら。その魔族の少女は違法奴隷に部類されるんじゃないか?」
「そうだよ。俺達の生活が懸かっているんだから仕方ないじゃないか?お前のような奴にはわからないだろうけどな」
「しかし、犯罪行為に手を染めているという事は覚悟があるんだよな?」
「お?お前この人数相手にやるのか?てっきり1人で武器もなしに歩いているから薬草採取をやっている冒険者だと思って見逃そうと考えていたんだが、そんな態度なら仕方ないな。お前ら準備しろ」
そう言って魔族の美幼女を抱えている男を除いて武器を構えた。1人は槍で、もう一人は斧であった。
(……構え方が雑すぎる。こりゃ素人だな……)
そんな事を考えながら愁はアイテムボックスからレークスハスタを取り出す。槍を一目見て驚きの表情を浮かべる男2人であるが、構わず突っ込んできた。その間魔族を抱えた男は杖を取り出して詠唱を開始する。
愁はレークスハスタを横薙ぎに一振りする。すると、闇属性の刃が作られ、攻撃をしてきている2人に向かって飛んで行った。案の定2人は躱す事も出来ずに胴体が2つに分断され、命を散らした。その光景に驚きを隠せない最後の1人は詠唱を止めてしまい、魔法の発動がキャンセルされた。愁はその隙にクイックチェンジのスキルを使いレークスハスタを紅鴉に持ち替えた。即座に武器が変わったことにさらなる驚きを表情に浮かべた男であったが、次の瞬間、両腕が肩の辺りから切断されている事に気が付いた。痛みもなく切られたこともわからないでいた男は突如叫び声をあげた。
「いてえええええぇぇぇええ、どうなってんだああああぁぁぁあ」
「自らが行いをあの世で悔いるんだ」
喚く男を無視して愁は紅鴉でとどめを刺す。そして、怯えていた魔族の美幼女に声を掛ける。
「大丈夫か?」
「はい、あの―……ありがとうございました」
少し照れてるのか、モジモジとしながら返答をする。
「君の名前は?どこに住んでいるの?」
「あ、私の名前はミストです。近くの村でお父さんと暮らしていましたが、お父さんが殺されちゃったので……」
そう言って俯くミスト。そして、唯一の家族を失ったミストが村に戻ったところで生活する手段がない。つまり、ミストからすると現在手詰まり状態である。
「あぁー、こうやって出会ったのも何かの縁だ。俺の所に来ないか?」
「え……本当に良いのですか?」
「うむ、1人増えた程度じゃ何も変わらないからな。これからよろしくな?」
「は、はい。よろしくお願いします」
こうして愁はミストの案内で村へと行き、ミストの荷物を持って村人に別れを告げてハク達の下へと向かった。
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