129話:選民思想とメルトダウン
えっとー・・・そのー・・・はい。
とりあえず、読者の皆様方に一言。
此度は更新がとんでもなく遅れてしまい申し訳ないです。
原因としては、就活や卒論で忙しかったと言えれば仕方ないと思われるんですが・・・実際はゴロゴログダグダしすぎました。申し訳ないです。
※パソコンに向けて土下座をするという傍から見れば非常に怪しい光景がこの話を投稿する前に作者の部屋の中で広がっていました。
愁は手に枷をした状態で1人の男の前にいた。
「君が冒険者のシュウ クホウインだね。初めまして、私はパーマナリアの伯爵のウダだ。さて何故君がこうなっているのかと言うと、君に尋ねたい事があるのだよ」
「……なんだ?」
「君が殺したヘモンズと言う貴族について問いたい」
目の前の男が言ったヘモンズと言う名前の貴族に愁は一瞬誰の事だかわからなくなった。しかししばらく考えていると、過去にリムの事を囮にした1人の貴族の事を思い出し、それがヘモンズであることを思い出した。
「殺したも何もすべては公表されていることが事実だが?ある冒険者を策略に陥れて、失敗して殺された。これ以外に何が知りたい?」
「私が知りたいのは何故君がヘモンズを殺したかだ」
「殺しに掛かってきた相手を逆に殺した。これじゃ不満なのか?」
「あぁ、何故君たち平民どもが我々貴族を殺さなくてはいけない?君は冒険者であって平民だ。何故そんな奴らが我々貴族を殺せるんだい?おかしくないか?我々貴族は選ばれた人間なのだよ?」
それからと言う物ウダは貴族とはどうとか平民とはどうとか所謂選民思想について語りだした。愁は話の内容をほとんど聞いていなかった。何故なのか、それは愁の中で1つの事柄が成立してしまったからである。
愁は今まで何度かこのアイリスにおいて貴族と言う人間に関わりを持ってきた。しかしながらほぼ全ての人間がダメ人間、所謂クズと言う奴である。ウダしかり、ヘモンズしかり、フレッドしかり、デュランしかりである。ほぼ全員が愁に対して邪魔、もとい理不尽な妨害を行ってきている。さて、そんな事を幾度となく経験したら人間はどう考えるだろうか?答えの数としては非常に少ないのが現実である。そして愁の中にも1つの答えが出来上がってしまった。
――邪魔者は排除する。
単純明快な答えで、最も考える人が多い答えである。きっかけは悲惨ではあるがせっかくの第二の人生と言えるこのアイリスでの生活を邪魔する輩は排除して自らの人生を楽しむ。自己中心的な考え方ではあるが、この考えに辿り着く人間は非常に多いと思う。
「であるからして我わr「いい加減うるさい、黙れ」……今何と言った?せっかく貴族である私が平民如き貴様に有難い御言葉を聞かせてあげてると言うのに邪魔をするという行為は非常に無粋な行為だよ?これだk「だから貴様は話が長い。もう良い、邪魔だ。消えてくれ」……一度ならず二度までも私の話を邪魔すr……」
ウダは途中で言葉を止めてしまっていた。それは何故か、理由としては突如愁が炎に包まれたからである。傍から見れば自殺行為であるが、ウダは周囲の兵士に向けて1つの命令を下した。
「油断するな、心して掛かれ」
ウダの命令に対して従う兵士もいたが、半分近くの兵士は何を言っているんだ?と言ったまぬけな反応を行っている。その時その場にいたほぼ全員が聞き取れない声で愁はぼそりと呟いた。
「メルトダウン」
そして愁の周りの炎の色が赤色から青色へと変化した途端それは起きた。
まず最初に青い炎の中からこれまた青い炎を纏った愁で、その背中には青い炎で出来た羽が生えている。その姿にまぬけな反応をしていた兵士たちは口をポカーンと開けて唖然としている。従った兵士たちはと言うと何かが起きると直感的に察して愁から距離をとる。
さてそんな兵士たちを見ていた愁は混沌魔法のスキルを使い掌に青い炎の玉を作り出す。その炎の玉を見た全ての兵士とウダは口をポカーンと開けて唖然とした後に腹を抱えて笑い始めた。それもそのはず、愁が作り出した炎の玉の大きさは直径で3センチ程しかないからである。大きさ的にはちょうどミニトマトサイズである。突如炎を纏った愁が手を掲げて何をするのかと思えばミニトマトサイズの火の玉を作り出しただけである。兵士やウダからすれば拍子抜けと言う状態であったが、愁がそのミニトマトサイズの火の玉を地面に放った瞬間ウダや兵士たちの顔から笑みが消えた。それは何故なのか、距離をとった兵士達とウダは熱風を受ける程度の被害で済んだが、距離を取り損ねたまぬけな反応を行った兵士たちはと言うと目の前から消失していた。大地と共に。
今回愁が使用したメルトダウンは言わば自爆魔法である。自らの周りに炎を発生させてメルトダウンと言う呪文を唱えた途端に炎の温度が上昇して自らを焼き殺すという普通に考えれば自殺以外に使い道の存在しない魔法である。しかしながら愁は炎や火に関係して死んだ際にはフェニックスリヴェンジャーのスキルが発動する。結果としてフェニックスリヴェンジャーが発動した愁は死ぬことなく、尚且つスキルによってステータスが全て2倍になった状態になった。そしてその状態で愁は身に纏っていた炎を圧縮してそれを掌に具現化させた。それがウダや兵士たちが笑っていたミニトマトサイズの青い炎の玉の正体である。地面に炎の玉が触れた瞬間圧縮されていた膨大な炎が膨れ上がり爆発を起こして大地と共にまぬけな兵士たちの消失に繋がったというわけである。そして大きく距離をとっていた真面目な兵士と直感で危険を感じたウダだけがこの圧縮された炎の爆発の被害に遭わなかった要因である。
「まだ半分も生きていたのか……スキルが切れる前に終わらせるか」
それから始まったのは虐殺と言う言葉が生易しく感じる一方的な殺戮であった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次回の更新はこの日!と言える日が不明のため不定期になります。申し訳ないです。
※作者に第2回卒論中間発表が近づいているためです。すいません。




