115話:神殺しの方法
今回はキリをよくするために少し短めです!
ランクアップ試験から3ヶ月の月日が経過した。その間愁は毎日の如く迷宮へと入りスキル集めと魔石集めを行った。スキルを集める事に関しては愁以外のハク、ルナ、フィア、華奈、プリシラのためと言っても過言ではない。魔石集めに関しては近い内に完成する街にて使う予定である。
そんな3ヶ月を過ごした愁達であるが、この日は少し様子がおかしかった。それもそのはず、この日は前回神に会ってからちょうど半年である。つまりこの日、愁と華奈はロキ達に会う日であった。
「ハク、ルナ、フィア、プリシラ。今日俺と華奈は会う人物がいるから宿屋に泊る。そして俺達が帰って来るまでは何があっても家から出ないでくれ、良いな?」
「畏まりました。御主人様、カナさん、気をつけて下さいね?」
「あぁ、行ってくる」
ハクに見送られた愁と華奈は愁が最初に御世話になった宿屋、満腹食い倒れ亭へと向かった。そして2人部屋をとった後に愁達は早めに眠りについた。
―――…――…―――
愁と華奈が目を覚ますと真っ白な空間、つまりは天界にいた。
「天界・・・懐かしいわ」
「俺は半年ぶりかな・・・」
愁と華奈が感傷に浸っていると今回お目当ての2人がやって来た。ロキとイズンである。
「あ~、華奈ちゃんだ~!お久しぶり~」
「久しいな、そしてお前も久方ぶりだな」
「さてと、挨拶はこの辺で済ませて・・・ロキ、イズン、2人に頼みたい事がある」
「奇遇だな、俺達もお前らに頼みたい事がある。この頼みを聞いてくれるのであればお前らの頼みとやらも聞いてやろう」
「わかった。まずはそっちの頼みとやらを聞かせてくれ」
そう言って愁はロキ達の頼みの内容を聞くことにした。
「俺達の頼みというのはだな、約1ヶ月後に戦争が起きる。その戦争を犠牲を最小限にして止めて欲しい」
「犠牲を出すなとは言わないんだな」
「見せしめはいかなる時においても大事だ。頼めるか?」
「わかった。場所はどこだ?」
「パーマナリア大国とメルカリア公国との国境だ。そして多分この戦争には智也と晴香も参戦させられている。捕まって奴隷契約を無理やりやらされている。出来れば救ってやってくれないか?」
「善処する。こっちの頼みも聞いてくれるか?」
「約束だからな。協力させて貰おう」
「ラクシュミーを殺したい。やつの天界に行く方法を教えて欲しい」
「やはりそれで来たか、なんとなくだが予想は出来てたんだ・・・」
愁のラクシュミーを殺す宣言を聞いたロキは少し表情が暗くなった。
「奴が行った行為は決して許される行為ではない。だから今回はお前らに協力しようと思う。まず行き方だが一つだけ存在する。その方法は大国3国に存在する大迷宮だ。その迷宮の100層には亜空間が広がっている。そしてその亜空間にて行きたい場所を念じるとそこに行くことが出来る。例え行きたい場所が天界であってもだ。しかしながら元の世界へと帰ることは出来ない。この亜空間はその世界に関連する場所にしか飛ぶことが出来ない。つまり、天界は行けても別の異世界に行くことは出来ないんだ。そしてその亜空間を使用した後は、もう同じ人間はその場所を2度と利用できない。つまりは1人につき、天界に行けるのはパーマナリア、メルカリア、アスタリアのそれぞれの迷宮の100層をクリアした3回と言うわけだ。何か質問はあるか?」
「いーや、十分だ。そして戦争の件は任せてくれ。なんとかする。」
「すまんな」
そう言ってロキと愁は握手を交わした。
「さてと、此方としてはもうすでに用事が済んだかな。イズンは何かあるか?」
「え~?私~?とくにないわよ~、しいて言うならば~、愁君や華奈ちゃんに会いたかったくらいかな~?」
「それでは目的は達したな。次に会うのはまた半年後だ。じゃあ、またな」
その言葉と共に愁と華奈の意識は覚醒して、上を見れば見慣れた木の天井があった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次回は5月31日に投稿する予定です。そして活動報告にお知らせを書くので読んで頂けると有難いです。




