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10話:ゴブリンロード

本日2話目。楽しんで頂けると有難いです。


「クリス、俺が少し時間を稼ぐから出来るだけ遠くに走って逃げるんだ。ギルドにゴブリンロードの存在の報告を早くしてくれ」


「そんな、シュウが時間を稼ぐって・・・」


「良いから早く。犠牲を最小限にするためにもクリス」


「・・・はい。わかりました。必ず戻ってきてくださいね」


「必ずとは言い切れないが善処はする」


 それを聞いたクリスは少し不満を覚えながらもパーマナリアの方向へと走って行く。


(カッコつけてみたものの・・・この状況どうするかなー・・・)


 そんな事を考えていると、新しいスキルの魔物鑑定の存在を思い出す。愁は魔物鑑定と念じてみた。


ゴブリンロード ♂

レベル:35

HP:350

MP:0

STR:350

INT:10

SPD:200

LUC:100

スキル>

・テイムⅢ

・調教Ⅱ

・威圧Ⅱ

・剣術Ⅱ

・身体強化Ⅲ


 どうやら魔物鑑定は鑑定スキルに比べて魔物の情報を詳細に知ることが出来るスキルのようだ。そしてステータスが判明して全てのステータスにおいて自分が上回っている事を確認した愁はアイテムボックスに斧をしまいながら剣を取り出す。


 ゴブリンロードと愁が睨み合ってしばらくするとゴブリンロードが動き出した。力任せに剣を振り下ろしてくるのを上手く受け流す。しかし剣が当たっただけでゴブリンロードのあまりの力の強さに剣が刃こぼれする。


(STRと身体強化のせいか・・・)


 そう結論づけた愁はスキルアブソープションを使い身体強化Ⅲ、テイムⅢ、調教Ⅱ、威圧Ⅱ、剣術Ⅱをゴブリンロードから奪い取る。


 剣を持つ事や体の調子に違和感を持ったゴブリンロードは少しの間あたふたする。その隙に愁は剣で袈裟斬りにするも、ゴブリンロードの肉体の堅さであまり大きな傷を与えることが出来なかった。


 剣がそこまで有効でないと悟った愁はファイアーボールを放つが、大打撃と言えるほどのダメージを与えることが出来ない。


 剣術とは全く関係なく滅茶苦茶に剣を振り回すゴブリンロードの剣を身体強化と剣術を併用して全て問題なく受け流す愁であったが、状況が変わる出来事が起きた。


 何もいないと思われた洞窟の中からゴブリンが3体現れたのだった。しかも、その中の1体が杖を装備している。とりあえずゴブリンロードの剣を受け流しながら全てのゴブリンを鑑定する。


ゴブリン ♂

レベル:17

スキル:調教Ⅰ・剣術Ⅰ


ゴブリン ♂

レベル:18

スキル:調教Ⅰ・剣術Ⅱ


ゴブリンメイジ ♂

レベル:20

スキル:炎魔法Ⅰ・杖術Ⅰ


 やばい。とっさに愁はそう感じた。難なくゴブリンロードの攻撃を受け流している愁であるが、そこにゴブリン2体と遠距離攻撃が出来るゴブリンが増えただけで戦況が好ましくない。どうしようか考えていても仕方ない。そう考えた愁はまずアイテムボックスから左手に槍を出した。そしてその槍でゴブリンロードの右足を貫く。ゴブリンロードは死なないものの、動きが鈍くなった。その隙に洞窟入口に現れたゴブリン達に肉薄し2体を剣で横薙ぎに切り裂く。そして、呪文を唱えているであろうゴブリンメイジからはスキルアブソープションを使い炎魔法を奪い取る。突如呪文がわからなくなったゴブリンメイジは、何が起きた?と言わんばかりに辺りを見回す。そんな隙を愁が逃すはずがない。剣を振ってゴブリンメイジの首と胴体を切り離した。そしてゴブリンを片付け終わると槍を抜いて動けるようになったゴブリンロードがこちらに向かってくる。ただし、最初のようにスピードや勢いや威圧感がない。そんなゴブリンロードの懐に瞬時に入った愁は槍が刺さっていた場所と同じ場所に剣を突き刺す。あまりの痛みにゴブリンロードが膝をつく。それを好機と見た愁はアイテムボックスから斧を取り出し、首を切断しようと全力で斧を振り下ろした。難なくゴブリンロードの首は胴体と別離し、死体が光に包まれて消えた。


 ピロン♪ピロン♪ピロン♪ピロン♪ピロン♪


 頭の中でレベルアップを告げる少しうるさい音が響き渡る。辺りを見回すと、ミニゴブリン、ゴブリン、ゴブリンロードのドロップアイテムが散らばっていた。それをすべて回収し終えると、ゴブリンロードに使った槍と剣を見る。剣は何度もゴブリンロードの剣を受け流していたせいで刃こぼれが目立つ。槍に至っては先が曲がっている。どうやら武器を買い換える必要性が出て来た。そんな事を考えながら帰路につくことにした。



―――…――…―――


 愁はパーマナリアの近くでクリスが先頭にいるギルド職員と冒険者の集団と遭遇した。


「シュウ!ゴブリンロードから無事に逃げてこれたのか?」


「あー、そのー・・・ゴブリンロードは自分が殺しちゃいました」


 愁のその発言にクリスとギルド職員と冒険者達が沈黙する。Fランクの愁がCランクのモンスターのゴブリンロードを倒せるとは誰も思っていなかったからである。そんな沈黙が気まずくなった愁はアイテムボックスからゴブリンロードのドロップアイテムである『ゴブリンロードの耳』を取り出した。それを確認したクリスたちは今度は唖然とする。


(さっきから表情の変化が激しい集団だなー)


 そんな呑気な事を考えつつも、ゴブリンロードがいなくなったことに対して安堵するクリス達。そしてクリス達と一緒にギルドへと引き返した。

最後まで読んで頂きありがとうございます!


今日は後1話投稿しようと思います。

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