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Toy ガンナー  作者: チョーゆんふぁ
第三章 ハンター編
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休みの過ごし方

魔道具屋をあとにした僕達は武器屋に来ていた。


「剣をとぎに出すついでだ。銀城の装備も見繕ってやる」

ダニロさんは腰に差していた剣を武器屋の親父に渡しながらいった。

「魔法使いだからって丸腰のままじゃいざというときやばいだろ」

ブロンも腰の大剣を親父に渡す。

「一応剣は使えますよ、じいちゃんに習いました」

実戦どころか立木を相手にしてただけですが

「昨日のトカゲの時も危なかったね」

確かに不意をつかれて木に登るはめになったな、このままじゃ不味いかも

「剣は欲しいかも、中古でいいですよ」

剣を使った戦闘をする勇気はないです。最後の手段ですね。ブロンやダニロさんの戦いを見てるだけで腰が引けちゃいます

「あとは防具だな、その布の胸当ては何とかしないと」

サバゲー用というよりコスプレ的な防弾ベストだからサクサク斬られちゃうよね、でも近接戦闘をする予定はないし本物は重くて体力的に無理

「こう見えて衝撃には強いんですよ」

中身は発泡スチロールだから

「魔法がかかってる様にはみえねえが」

興味深そうに三人がベストを見る。

いくら見ても分かりませんよ、ただの緩衝材です?。防御力はプチプチ以上ありますが

三人の視線に耐えきれず、僕は気をそらす何かを求めて店内を見回した。

盾が並んで置かれてるなかに毛色の違うものがある。

「親父さん、アレなんですか」

それを指差し聞いてみた。

「ああ、アレは盾と籠手の間の防具みたいなもんだ」

三人も気になったのかやっと視線から解放された。

ナイス僕

「盾よりかさばらず、籠手より防御力が高い。こいつは売れると思って造ったんだがさっぱりでな」

親父さんが困ったようにその防具をいじる

「皮の大籠手って感じだな。結局は盾より弱くて籠手よりかさばるってか」

ブロンが笑う

「こいつは見た目は皮だが中には鋼が入ってるんだ」

左手用の肘まである大籠手か、中は鉄板入り外を魔獣のなめし革で覆ってある。なかなかいいんじゃない、でも籠手だから手の指や甲まで装甲がついてるのは邪魔だな

「親父さん、こいつの手の部分て外せますか」

手は防刃グローブがあるから防具は要らない

「外せるがそれだと腕しか守れないぞ」

いやいや上出来です。アームガードで十分、ライフルを構える時に手の動きが制限されないし、盾を使い慣れない僕にはとっさの時に自然と防御できるから

「親父さん、これ気に入った。買っていきます」

「こんな中途半端なもんを買うのか」

ブロンは苦い顔でやめとけよといった感じだが、マギさんは面白そうにわらってくれた。

「武器だの防具なんてもんは相性次第だ。衝動で買ってピタッとはまるやつがあれば、悩んだあげくに捨てちまうこともある。銀城が気に入ったのなら好きにしろ」

ダニロさんてば本当に格好いい。何で初遭遇のときオーガと間違えたのかな、不思議だ

「こいつを気に入ってくれたのか、嬉しいね。ただでいいよ持っていきな」

不出来な息子を誉めてもらえたお父さんってとこかな、満面の笑顔で譲ってくれたよ

僕もホクホク

「親父さん、私は矢を20本貰いたい」

マギさんは矢を補充するようだ。そういえば僕がトカゲに襲われた時に援護で使ってくれたんだよね。トカゲの硬い皮に弾かれて落ちた矢は暴れたトカゲに踏み折られたりして回収できなかったんだよな

「その矢の代金はあとで分け前から弁償しますね」

命の恩人にはそれくらいしないと

「「「銀城」」」

はい、何故か三人が怒ってる

「バカなこというんじゃねえ、俺達はパーティーだろ。消耗品はパーティーで共有のもんだ。それを補充するときはパーティーで払う。てめえが俺らの仲間じゃないなら金を置いて出ていきやがれ」

そしたら他人だ、遠慮なく貰ってやるよと、ダニロさんに怒られた。

そうだ、命の恩人とか助ける助けられるとか仲間なら当たり前じゃないか。僕だってパーティーの一員なんだ、仲間の危機にはいつだって体をはってみせるさ

「すみません、僕が間違ってました」

頭を下げてみんなに謝る。

「バカ野郎、そんなことで頭を下げるな。他人じゃねえだろ」

ブロンはあたふたしながらそう言ってくれた。

でもこれは心得違いをしていた僕のけじめだ

「わかってる。だけどハンターの後輩としてパーティーの仲間としての僕なりのけじめなんだ」

「わかればいいんだよ。パーティーなんだ、助けられたらギルドで酒の一杯でもおごればチャラだよ」

僕は本当に素晴らしい仲間に巡り会えた

その様子を一人黙ってみていたマギさんが、

「そうゆうことで矢の代金はトカゲの売り上げで払うから」

とにこやかに話をしめた。


矢でおもいついたんだけどボウガンが欲しいな。剥ぎ取りの都合で攻撃力の高い火属性の魔法が使えないときの遠距離武器が欲しい

「親父さん、『ボウガン』は置いてる」

あれ、口に出すとなんかしっくりこないな

「はあ、今なにが置いてるって言った」

だからボウガンだよ、と言おうとして気がついた。

ボウガンて単語知らないや、弩もわからない

「あのさ、こう弓が横になって木の土台にのって下には引き金があって」

と身ぶり手振りを交えながら説明するが

「なんじゃそれは、なぜ弓を横にするんだ」

ダメでした。そもそもこの世界にボウガンは無いみたいだ。

肩をおとしてうなだれる僕にマギさんが

「そんな感じの新しい弓があるって王都で聞いたことがあるよ」

あるじゃないですか異世界グッジョブ

「威力はあるけど使い勝手が悪いとかで人気はないらしいよ」

と補足情報をくれるマギさん。

テコや巻き取り機なしで弦を退くのかな

「親父さんの店で作ってもらえないかな」

マギさんみたいな弓を一から練習してたら何年かかるかわからない

「作るのはいいが、そいつがどんなものか見たこともないしな」

親父さんは腕組みしてうなる。

「図面のひきかたも知らないけど、大まかな構造はわかるから一緒に新しい弓を造ってよ」

お願いしますと手を合わせ拝んでみる。

「いっちょうやってみるか」

やった、あの大籠手といい、この親父さんは新しいもの好きとみた。

「銀城、それ造るのに何日くらいかかる」

マギさんに聞かれる。

そうだハンターの仕事はどうしよう。ボウガンにかかりきりになってハンター出来ませんじゃ本末転倒じゃん

「完成はともかく、その若いのが構造を知っているなら3日あれば図面は出来るだろ。あとはワシが組立ながら手直しするしかないな」

「3日か、トカゲでそれなりに実入りはあるから3日くらいは休みでいいか。マギとブロンもそれでかまわねえか」

「私は構いませんよ」

とマギさん。

「どうせ剣をとぎに出したしな、しばらくは飲んで喰ってゆっくりするぜ」

サンキューみんな

「その間に僕は弓を造りながら魔玉に魔法を込めておきますね」

パーティーの勤めもやらなくっちゃ

ダニロさんはみんなを見て

「今日はこれで解散だ。分け前は今夜宿屋で渡す。じゃあな」

といって去っていった。

ブロンもじゃあなとダニロさんについて行く。

あの方向はギルドのある方だ。二人で酒でも飲むんだろう。暇なら

僕もついていって飲みニケーションしたかった。

「私は新しい弓に興味があるから見学させてもらうよ」

助かります、現役の凄腕弓使いの意見もうかがえますから

「店も客がいないし、さっそく弓造りに取り掛かりましょう親父さん」

オーダーメイドのマイウェポン。僕のハンターライフは薔薇色だね


「客がいないは余計だ」

怒ったふりしても無駄無駄、目尻が垂れ下がってますよ




こうして3日の休暇は過ぎていった。


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