第一章 平穏な日々()2
「おや、そこそこで騒いでいるのは誰だい?」
……とかいってた先からヤなやつ登場です。
「兄上…」
たしか一応異母兄に当たる……
……だめだ、名前がでてこない。
僕は兄弟と顔を合わせる事は滅多にありませんからねぇ。
現在、王国には王族直系(=僕の兄弟)だけでも20人以上います。
顔と名前が一致しない人もちらほら。
傾向として、イヤミな奴ほど一致しません。
イヤミ筆頭が今目の前にいる人物ですが。
ニヤニヤと嫌らしい微笑を浮かべて近づいて来ないで下さい。
テメエのイヤミなんぞ聴きたくないんじゃボケェ。
とかいう本音は面に出さず、こっちも爽やかスマイルで返します。
ちなみにこの爽やかスマイル、イールとレイドからは謎の暗黒オーラが出てるっていわれます。
僕自身、そんなつもりは無いんですけどね。
とにかく、出ている(らしい)暗黒オーラをものともせず、異母兄は取り巻きの貴族を従えて近づいてきます。
「ああ、ノイリかい。相変わらず下賤の者と仲がよいようだね」
「殿下、自身に卑しい血が流れている者にその様なことを仰っても、理解できないと思われます」
「おお、それもそうだった。お前は高貴な王族の恥であったな」
「そのとおりてございます、殿下」
「そもそもお前は……ウンタラカンタラ」
「身分の低い身の上では……ドウタラコウタラ」
………………………………zzZ……ハッ!
いやぁ、あんまりにも長いイヤミって眠気を誘うんですね、初めて知りました。
あなたのイヤミが108式まであるのは解りましたから、いい加減どっか行けばいいのに。
ちなみにイヤミ開始からずっと静かなイールとレイドは、イヤミ筆頭と愉快な取り巻き達を無言で睨んでます。
二人とも代々軍人というより騎士の家柄ですから、こういう面倒くさい輩は嫌いなんでしょうね…。
「……殿下、そろそろお茶会の時間でございます」
「おお、そうであった!
それに今日は大切な話があるのだったな。
愚弟に無駄な時間を掛けてしまったよ」
……やっと終わったみたいですね、無駄な時間なら掛けなきゃいいのに。
何しに来たんでしょうか。
まぁとにかく。
そろそろ僕も勉学の時間で、イールとレイドも休憩時間が終わるため、今日のところは解散となりました。
…一章終了後の舞台裏…
ノイリ(以下ノ)「……おかしい」
レイド(以下レ)「何が?」
ノ「初期案だと僕はこんなに黒い性格してなかった」
イール(以下イ)「どんな性格だったんだよ……」
ノ「天然でちょっと泣き虫な真っ白のピュアボーイ☆……のはずだった」
レ「お前のどこが真っ白なんだ…」
イ「真っ黒の間違いじゃねーの?」
ノ「だから謎なんだよねぇ。イヤミ言われたら(´・ω・`)ぐらいの勢いでうなだれるような性格のはずだったのに」
ドウシテコウナッタ