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「___ちゃん……りちゃん……」


なんだか耳元で声がする……と私は目を開ける。

いつのまにか寝てしまっていたようだ。


今何時だろう? 部屋の時計に目をやろうとした時何か違和感を感じた。


「こんにちは、あかりちゃん」


目の前に可愛い女の子。それも柔らかい兎の耳の生えた目がクリクリとし、ふわふわの柔らかそうな髪のそれはそれはとびきり可愛い女の子が居た。


「!!??」


寝ぼけていた頭が一気に覚醒する。

誰この子!?

心臓が早金を打つ。頬を引っ張る。痛い。夢じゃ……ないの?


「どうしたの……? そんなびっくりして。驚かなくてもいいよ? 私、陽だよ」 


目の前でにっこりと笑って見せるその姿。見覚えなどあるはずがない。

だけど私が抱いていたはずの陽は……ない。

そもそも陽という名前は私が心の中でつけた名前。知るはずなど……知ってるはずなどないはずなのだ。


「な……えっ……ぬ、ぬいぐるみ……?」


柔らかそうなウサミミ。右耳の端に少し色の違う縫った様な跡。

それは、昔、私が元々ついていたタグを引っ張り裂けた場所。

母が慌てて縫った証拠。


「あ……これ? そうだよ。あかりちゃんが私と遊んでる時に取れたとこだね」


となんでもないように縫った場所を触る目の前の女の子。

陽……なの?


「私ね、ずーっとあかりちゃんともお話ししてみたかったの! ミツコちゃんとは夢の中で何度かお話ししてたんだよ!」


ニコニコあどけなく笑う。

ミツコは……母の名だ。


得体の知れない恐怖が胸に広がる。現状が理解できない……

一体、私どうなってるの!?


「……? 大丈夫大丈夫。ごめんね。一気に喋ったらわかんなくなるよね」


私の表情を見た陽は何かを感じ取ったようで優しく私を抱きしめる。

……暖かい。柔らかいお日様の匂いと甘いような匂いがする。


___あ……知ってる。これは……陽だ。



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