表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

2

学校に行かなくなってもう何日、何週間経ったのだろう?

窓の外から見える桜の木はあの美しい花を散らし、今は濃い色の葉を茂らせ風にそよそよ靡いていた。

歩道をカラフルなランドセルを背負った子供達が駆けていく。その後ろから見知った制服の学生が2.3人のグループを作り笑いながら歩いている。チクリ、と胸に何か刺さったような痛みを感じる。


少し前までああして歩いていたはずなのに。グループの1人と目が合いそうになり慌ててカーテンを閉めた。


きっかけ……最初は小さなボタンの掛け違いだったはずなんだ。

たまたまあの子とのすれ違いがあっただけなんだ……


頭に過ぎる泣いていたあの子。私を睨みつけてくる周りの子。息苦しくなる喉。肺が空気を吸い込んでも吸い込んでも受け付けない。

原因はなんだっけ……

あぁ、思い出すだけで喉をギュッと締め付けられる。


カーテンを閉め頭を机に埋めた。

このままこうしているのは……よくない。

分かってはいるのだけど……

__ふと、視線を感じたような気がして顔を上げる。

そこにはいつもと変わらない表情の陽が佇んでいる。


「陽……私、どうしたらいいんだろうね……」


いつものようにぎゅっと抱きしめながら呟く。返事など返ってこないとはわかっているが。それでも私は誰かに縋りたかった。

毎日毎日この時間には私はこうやって陽に縋りつき悪夢のような時間を乗り切る。

あの、楽しそうな笑い声が孤独だった教室のあの時間を思い起こさせ、こうして何かに怯えて情けなく縮こまることしかできない自分自身に苛立ちを覚えるのだ。


いつか、またあの子たちと同じように笑いながら学校へ行けるのだろうか? 勉強が遅れる。リビングにあるテレビから漏れ聞こえたワイドショー。

行き場のない私たちを救う術は……ない。ドロップアウトしたらそこでおしまい。

誰も、悪く無いはずなのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ