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夢の世界での異種族交流② / 邪竜(?)さんとの関係(脅威は去ったっぽい)

ありがたいことに、一日で400PV超えました。

まだまだだとは思うのですが、自分にとってはありがたいことです。

今後ともよろしくお願いします。


よかったらブックマークと⭐︎の評価お願いします。


いや!ダメだ!意識を朦朧とさせている場合じゃない!俺が原因で大戦争勃発とか洒落にならん!



「うわぁぁああぁ!ここから出せぇ!すぐさま全部金ピカピンにしてやるぅううう!世界を黄金で包むんだぁああああ!」

喚き散らす『ダークネスゴールドドラゴン』の声のおかげでなんとか我に帰れた。


『すまないね。悪いがもう少し持ち堪えてくれ。こちらでなんとかしてみせる。あれをあのまま解き放つわけにはいかない。そうか、わかってくれるか、ありがとう。正念場だ、互いに力を尽くそう』

マギアさんは手を耳に当て、誰かに声をかけ続けている。


喋り終わると、今度はこちらへ語りかけてくる

「夢魔達に、なんとか彼女をここに押し留めるよう頼んできた。さぁ人間くん、時間がない。彼女を宥めるんだ。彼女が解き放たれれば、精神を混じらせてる私達も無事では済まないかもしれない。彼女の呪いに当てられ、良くて四肢の一本…最悪体の全てが黄金に変えられてしまう可能性がある。君も、黄金の彫刻になどなりたくないだろう?」

「やはははは〜。あーしとマギアはまだ抵抗できるかもだけど……()の人間くんには難しいだろうねぇ」


「ひぇ。も、申し訳ございませぇん!なんとかしまぁす!」

俺は、荒れに荒れてる金の鎧の彼女に向かって猛ダッシュしながら叫ぶ。

届け!俺の熱いパッション!刺され!俺の閃くセンス!


「ぁあぁぁあぁ–––」


金色の闇(ミダスノワール)!!……」

俺の声に、金の鎧の動きがピタッと止まる。


「–––へ?」

と言う疑問とともに、彼女はこちらへ振り向く。


そんな彼女へ、俺は続ける。

「……とか、どうですか?」


「……それ、は…?」

「『金色の闇』という意味で『ミダスノワール』と、名付けてみました。このオシャンティな名を貴方様に贈呈させていただきたく存じます」


俺は彼女の前で片膝をつき、顔を下げ両手を添えながら上にする。献上のポーズだ。

そしてその両手の上には、金色と黒に染められた『♆金色の闇♆』という文字がふわふわと浮かんでいる。

うぉおおおお働け俺の想像力(イマジネーション)!!できるだけ厨二っぽい字体を想像(イメージ)し、再現しろ!


彼女のセンスは大体理解した!

こういうのだろ!こういうのが好きなんだろ!認めるよ!俺とお前は同じだ!同類だ!だからこういうのが刺さるはずだぁぁぁああああ!


それを目にした彼女は『わぁああ』と、新しいおもちゃを目の前にした子供のように、キラキラと目を輝かせながら夢中になっていた。



「やぁん!人間くんってば、だいた〜〜ん」

魔女っぽい人が何か言ってる。この人、なんでこの緊急事態にこんなお気楽なままでいられるんだ……?


「ちょっと待ちたまえ、君。それは…」

「大丈夫です!マギアさん!ここは俺が……俺がなんとかしてみせまぁす!」

「いや、そういうことではなくて––––––


「ん゛、う゛う゛ん」

そのタイミングで、金の鎧の彼女は、ハッと我に返る。仕切り直しと言わんばかりにわざとらしい咳払いをしてから口を開き始める。


「ふ、ふん!な、なかなか?なかなか良いセンスをしているではないか?……まぁ、しょうもないと見限るには少し早計だったようだな……?」


ほいキタァァア!食いついたァァア!この期を逃してはいけない!たたみかけろ!


「先程は失礼いたしました。決してあなた様を貶したかったわけではないのです。あなた様にはもっと相応しい名がある、そう思っただけなのです。あなた様の持つ、誰も寄せ付けない高貴さ…そして闇の深淵で光り輝く孤高なる魂。上品で美しく、誰も近寄らせない気高さ…その絶対的なる存在感!シンプルかつ大胆に!そう感じたままを表現してみました」


「むふふふ。ふむふむ。よくわかってるではないか。まぁ?吾輩は?見る目はあるから?お前のことも?多少?認めてやらんこともないぞ?」

「ははぁ〜。ありがたき幸せ」

「そ、そこまで言うならその名、受け取ってやらんこともない」

俺の手のひらに浮かんでる厨二ネームを、腕を組みながらもチラチラと除いてることはバレてんだよ。

ぐふふ、ちょろうのぅちょろいのぅ。呪いだがなんだか知らんがこの程度、やはり俺の敵ではないのぅ。



「待ちたまえ」


話がいい感じに収まりそうなところで、マギアさんがストップをかけてしまう。

およよ?どうかしたのかな?


「『ワーム』…君と言う存在が他者からの名を受けとる。それがどう意味を表すかわかっているのかい?」


なんだか深刻そうな顔をしている。シリアスな話なの?

厨二ネームを提供したら何故かシリアスな話に発展した件。


「ふ、ふん!構わん!人間の寿命は短い。その間くらいなら…まぁ我慢してやる。それにこいつは、なかなか話のわかるやつだからな!」


なんか気に入られたっぽい。よかったぁ。俺も長いものには巻かれるタイプなので。


「……なら、良いさ。君たちが納得してるなら、私は口を出せない」

諦めたように呟くマギアさん。

続けて、『その無作為な行動からもたらされる結果。それが1番恐ろしい…と同時に実に興味深い』

などとぶつぶつ言っているが、何を言ってるのか俺にはよくわからなかった。



「人間、お前の名付による縛り…契約を受けてやる。人の身でありながら、余りある光栄に咽び泣くが良い」

……え?なに?縛り?契約?なんそれ?美味しいの?……このネタ流石に古いか。


「っていうか、ここ夢の世界なんすけど、そういうのっていけるんですか?」

「だ〜いじょ〜ぶだよ〜。名を扱った契約は魂に刻まれるからね〜。結構、深く刻んじゃうからね〜。キザキザ〜〜。やはははは〜」


「……」

夢の中でも酔っ払ってることがわかるくらいベロベロなんだけど……この人の話、間に受けて大丈夫なのかな?


「ふむ、これで契約完了だな。『ミダスノワール』……しばらくはそう名乗ってやろう。くっくっくっくっ。ウィッチ、マギア、貴様らもこれからはそう呼ぶと良い!」

知らん間に契約済んどるんだがぁ?!説明のせの字もないこんな強引な契約、日本じゃ考えられませんよぉ?!


「え、待って待って、なんか説明とかないんですかい?!」

「説明?そんなもの吾輩達の間にはいらんだろ!なんせ魂で繋がっているのだからな!我が眷属よ!くはははははっ!」

あ、だめだこいつ。目を離してるうちに、とんでもないことしでかすタイプだ。

あと眷属ってワード…俺のご主人様に聞かれたらまたヤキモチを妬かれそうだ。2人がかち合わないよう、細心の注意を払おう。


とりあえず……

「………マギえもぉん。助けてぇ」

「はいはい、あとで説明してあげよう」

さすがマギアさんだ!頼れるお姉さん!よっ!クールビューティフォーッ!ダウナーッ!気怠げお姉さんッ!


「ふふ、君はどんどん規格外になっていくね」

「……どゆことですか?」

「いや、なんでもないさ。ひと段落ついたところで、一旦そろそろお開きにしよう。本来ならもう少し楽しめるんだが……どこかの誰かさんが癇癪を起こしたせいで、うちの子達が疲弊してしまった」


「さ、さーせん……」

「ふははははは!この吾輩を相手にしておるのだからな、むしろよくもっている方だ!」

お前は威張ってないでもう少し反省しろこのバカ。とは口が裂けても言えない。……世界を人質にとるなんて、なんて厄介でタチの悪い奴なんだ。


「えぇ!?あーしまだ全然人間くんと喋れてな〜い!」

「うぉっ、とぉ」

そう言いながら俺に抱きついてくる魔女っぽいお姉さん。

黒を基調としたローブに、大きいとんがり帽子。真っ黒な髪がその帽子の色と混ざり合い境界線を曖昧にしている。

THE 魔女!と言った風貌のお姉さんだ。


というか……

む、胸がぁ……二つの大きな、やわこいものがぁ…っ!

だめだ俺、誘惑に屈するな!心を強く保て!



「ま、また今度お話ししましょう?」

「ほんとぉ?」

甘ったるい声、首をコテンと傾けるあざとい所作。するりと警戒網をすり抜け、パーソナルスペースに容易く侵入を許してしまう卓越した動き。まずい、この人魔性の女だ。

近づきすぎると喰われてしまう。


「え、えぇ、また予定が合えば」

ニヘニヘ笑ながらとりあえず返事をしておく。決して鼻の下を伸ばしているわけではない。断じて!


「じゃ〜ぁ、……だよぉ?」

ずいぶん含みを持たせて言うじゃないか。その手には乗らんぜ。

「それ、安易に返事をしたら、よくわかんないうちに『契約成立ぅ!』とかにはならないですよね?」

さっきの今で同じ失態は繰り返さんぞ。


その質問に、彼女は一瞬目を丸くさせたかと思えば、またフニャッとした蕩けた笑顔に戻る。

「すごぉ〜い。この子、勘がい〜い。ねーえマギアちゃん、この子私にちょうだいよ〜〜」


綺麗なお姉さんに求められるのは悪くないが……ミダスノワール、と呼んでいいかな?いいか……ミダスノワールの事例がある。あの姿が本来の姿とは限らない。

実は怪しい老婆でしたー!とかは……流石にご遠慮願いたい。



「すまないね。まだ、彼は私のものではないんだよ……だから私にはその権利がない。……まだ、ね」

「あ、あははは。俺ってば、モテモテで困っちゃうなぁ〜」

ってことにしとこう。

彼女達の獲物を定めた肉食獣のような瞳には目を合わせないでおこうね。怖いからね。

戻ったらお股がびしょびしょでした!とかになってたら、俺は3日間は立ち直れなくなるだろう。



「普通の人間だと思ってたのに〜。君ってば案外、色男(プレイボーイ)なんだね〜?他にもた〜くさん、キスマークつけてるみたいだし?」

な、なんでわかるんだこの人……え?ここの世界ってそこまで反映させられてんの?



「盛り上がってるところすまないが、そろそろ本当にお開きだ。また向こうで話そうじゃないか、人間くん」

「あーん、残念。またね〜、人間くん。そのうち私の方から会いにいくね〜」

「あ、あはは。お手柔らかに…お願いします」

「眷属よ!今度は、吾輩の冴え渡ったふぁっしょん!を見せてやろう!」

「は、はは。期待して待ってますよ」

やばい、口を滑らさないようにする練習を今からしておかないと、また同じことを繰り返すことになる。

なんとか対策をッッ。




なんて考えてるうちに、意識が遠のき、溶けていった。




読んでいただき、ありがとうございます。


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